脱税は犯罪ではなかった-2

 徴税権力の源泉であるコッパン法が腐っていた、-このことについては、「民主党政権の置き土産-偽りの査察調査」で詳述した。

 要は、戦後全面的に変えられた日本国憲法のもとでは、シャウプ勧告によって導入された申告納税制度とコッパン法は整合しないのである。つまり、脱税が犯罪として成立するためには、犯罪としての要件(構成要件)が必要であるが、2つの要件のうちの一つ、「税を免れたこと」という要件が納税者の協力がなければ成立しない、つまり、犯罪そのものが成立しないのである。

 納税者の協力とは、具体的には修正申告の提出だ。この修正申告の提出をめぐって、査察の現場ではあの手この手の謀略が駆使されてきた。



 査察が繰り広げる謀略の第一は、密室(「マルサ(査察)は、今-③」参照)に閉じ込めて行なわれる拷問に等しい尋問だ。強圧的に国税局に呼びつけて、特別に作られた拷問部屋に長時間閉じ込める、-このような前時代的な野蛮行為が今もなお当然のことのように行なわれているが、直ちに中止すべきである。

 日頃、基本的人権を声高に叫んでいる弁護士会はこれまで一体何をしてきたのか。一体何故手を拱(こまぬ)いてきたのか。

 国税当局の下請機関に堕している税理士会にはそもそも期待するほうが無理な話であるが、基本的人権の擁護と社会正義の実現を標榜している弁護士会は独立した立場からモノが言えたはずだ。それが沈黙は金とばかりに、固く口を閉ざしてきた。

 どうも、弁護士会も国税当局のヤクザの所業に等しい仕返しを恐れていたフシがある。幻におびえていたのであろう。

 次に展開される謀略は、脅しと利益誘導と騙(だま)しだ。窓のない錠のかかった狭い密室に閉じ込めて、朝から晩まで延々と続く拷問だ。

「脱税は国家を欺(あざむ)く犯罪だ。」
「脱税は殺人と同じ犯罪だ。」
「認めないと裁判官の心証が悪くなる」
「修正申告に応じないと逮捕される。逮捕された場合には保釈されない」
「修正申告に応じたら罪一等を減じて執行猶予にしてやる、あるいは告発を見合わせてもよい」
「修正申告に応じないと実刑になる」

 これらのことは全てウソであり騙(だま)しである。
 査察には課税権がない。従って、嫌疑者が自発的に修正申告をしない限りは脱漏税額が確定せず、従って「税を免れたこと」という脱税の犯罪構成要件が成立しない。
 つまり、査察が描く脱税ストーリーに納得がいかなければ、いくら修正申告をするように勧められてもしなければいいのである。修正申告さえしなければ、現行の法律のもとでは脱税という犯罪そのものが成立しないからだ。
 このようなインチキをかますのは査察官だけではない。査察官とグルになっている検察官が、逮捕をチラつかせたり、あるいは実際に逮捕して納税者を肉体的・心理的に追い込んでいく。更には、納税者の弁護人であるべき税理士とか弁護士までが、査察官と歩調を合わせて納税者を騙(だま)してきたのである。納税者を騙(だま)してきたのは主に、国税OB税理士と検察OB弁護士、いわゆるヤメ検だ。これが、これまで行われてきた査察調査の実態である。
 つまり、これまで長年の間、査察官、検察官、税理士、弁護士がグルになって、もともと犯罪とはなりえない脱税を犯罪であると納税者に誤解させて、犯罪を成立させる絶対的な要件である修正申告へと言葉巧みに誘導し、多くの納税者を騙し続けてきたということだ。冤罪のデッチ上げが国家ぐるみで組織的になされてきたのである。

(この項つづく)

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 ここで一句。

“女房と相撲し あびせ倒される” -湖西、宮司孝男

(毎日新聞、平成25年12月11日付、仲畑流万能川柳より)

(女性に、腕力とコトバで勝とうと思ってはいけない。勝つ見込みのない勝負はしないことです。)

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