2016年4月

査察Gメンを犯罪人として告発!!-⑪

 これまで金子宏氏の『租税法』第18版に引用されている判例1.から判例5.までの5つの最高裁判例を取り上げてきたが、それらはいずれも、「詐偽(偽り)その他不正の行為」に関する判例であった。  金子宏氏は、「偽りその他不正の行為」については、それら5つの最高裁判例を引用することでその説明を終え、次に 「逋脱犯が成立するためには、租税債権の侵害がなければならない」(『租税法』P.923) とし、 「し […]

査察Gメンを犯罪人として告発!!-⑩

 判例5.  法人税法違反事件と会社臨時特別税法違反事件についての最高裁の決定である。原審は大阪高裁(昭和60年11月5日判決)。この判例5.には、全く異ったケースについて、同一の判断が下されている誤りがある。確定申告書を提出した場合と提出しなかった(不申告)場合とを同一のものとして捉えているからだ。  まず、法人税法違反事件について。これは、確定申告書を税務署長に提出しているケースであり、虚偽申 […]

脱税Gメンを犯罪人として告発!!-⑨

 判例4.(承前)  更にこの判決4.が「ことさら判決」と呼ばれている部分を、原審・東京高裁の判決文から引用する。「所得税脱税罪を規定した所得税法第二百三十八条第一項(同法に依る改正前の所得税法第六十九条第一項(下線は筆者)に謂う「偽り(詐偽)その他不正の行為」とは、同税逋脱の意図を以て、その手段として、同税の賦課(下線は筆者)、徴収を不能若しくは著しく困難ならしめる様な何等かの偽計その他の工作を […]

脱税Gメンを犯罪人として告発!!-⑧

 判例4.(承前)次に、判例4.の原審判決について検討を加えることにする。  原審・東京高裁の判決文によれば、この裁判は、“所得税法(昭和四〇年法律第三三号による改正前のもの)六九条一項に謂う「詐偽その他不正の行為」”(下線は筆者)をめぐって争われたものである。 逋脱行為、即ち「詐偽その他不正の行為」が実際に行われたのは、 “(一)昭和三十八年分の真実の所得金額(下線は筆者)は二千三百七十万六千四 […]