脱税摘発の現場から-12
- 2010.09.28
- 山根治blog
***12.税制の抜け穴(承前) 税理士が納税者の顧問をしていたり、あるいは税務申告書を作成し、申告の代理人になっていることが、調査立会いにどのように影響するのであろうか。立会い自体は税理士業務ではないにも拘らず、納税者に何らかの関与をしていたことによって、立会いについても税理士法に事実上しばられることになるとは、一体何を意味するのか。 調査によって何も非違(脱税)事項が出てこなければ、勿論問 […]
フォレスト・コンサルタンツ
***12.税制の抜け穴(承前) 税理士が納税者の顧問をしていたり、あるいは税務申告書を作成し、申告の代理人になっていることが、調査立会いにどのように影響するのであろうか。立会い自体は税理士業務ではないにも拘らず、納税者に何らかの関与をしていたことによって、立会いについても税理士法に事実上しばられることになるとは、一体何を意味するのか。 調査によって何も非違(脱税)事項が出てこなければ、勿論問 […]
***11.税制の抜け穴(承前) 本来ならば税理士の最も重要な仕事であるべき税務調査の立会いが、税理士の独占業務である「税理士業務」(税理士法第2条)から外されている-、これは多分に徴税側の都合によるものだ。 ところがよく考えてみると皮肉なことに、このことは納税者と税理士にとってはマイナスになるどころか、逆にプラスに働くことが判明する。税務調査の立会いが税理士業務ではないということであれば、税 […]
***10.税制の抜け穴(承前) 税制の抜け穴。7万人の税理士を巧みに利用して、納税者の権利を事実上剥奪している税理士法、この悪法に存在する意外な抜け穴とは何か。上手(じょうず)の手から水を漏らした穴とは一体何か。 ズバリ、税務調査の立会いの規定が欠けていることである。税務調査の立会いとは、第三者が税務調査の現場に臨席して税務調査をしっかりと見届けることであるが、これについての定めがないのであ […]
8月30日に行なわれた国土交通省出雲河川事務所との話し合いに、弊社主任コンサルタント山根治が出席し、意見を述べましたので、その旨お知らせいたします。 -日時:平成22年8月30日(月)2:00PM~5:00PM -場所:財団法人島根総合研究所(松江市東本町5丁目山根ビル1F) -出席者(住民側):北川泉(財団法人島根総合研究所所長理事)、山根治(弊社主任コンサルタント、財団法人島根総合研究所理事 […]
***9.税制の抜け穴 これまで私は、脱税事件において冤罪がしばしば見受けられる原因として次の3つ、即ち、 +司法制度におけるチェック機能の不全 +税務職員の調査能力の劣化・職業倫理の欠如と、国家公務員の無責任体制 +いびつな税理士制度 を挙げ、中でもとくに問題なのは3.のいびつな税理士制度であり、税理士制度には2つの欠陥があることを指摘した。税理士会への強制加入制と税理士業務の無償独占性の2つ […]
***8.脱税・冤罪事件の3つの原因(承前) 前回、税理士制度について述べ、そこに2つのガンが巣食っていることを指摘した。税理士会への加入が強制されており、加入しない限り税理士の資格はあっても税理士業務は一切できないこと(強制入会制)、税理士業務は税理士の独占業務とされており、一般の人がたとえ無料で行なったとしても罰せられること(税理士業務の無償独占性)、この2つである。 この2つのうち、とり […]
***7.脱税・冤罪事件の3つの原因(承前) 日本国憲法は、納税の義務を定めている(憲法30条)と同時に、法の定めによらなければ税の徴収ができないこと(憲法84条)、及び、法定手続によらなければ刑罰を科することができないこと(憲法31条)を定めて、納税者の権利を保障している。 ところが、現在の日本の税制では税理士法を含めて、納税者の義務に偏重しており、納税者の権利がなおざりにされている。今年に […]
***6.脱税・冤罪事件の3つの原因 私の冤罪事件だけでなく、次から次へと脱税に関する冤罪事件が発生している現実。 何故このようなトンデモないことが白昼堂々と、しかも国家の名において、あるいは社会正義の名において、繰り返されるのか。その原因は何か。 私が辿りついた結論は次の3つ、これこそ脱税・冤罪事件が繰り返される原因である。 一つは、司法制度においてチェック機能が欠落していることである。 […]
***5.隠れマルサ-料調の実態(承前) この半年ほどで受けた料調事案の相談は3件であった。東京国税局、名古屋国税局、広島国税局、それぞれの資料調査課による調査である。 3件のうちの1件は、調査開始直後の相談であったために、立会を引き受けて料調側と十分に話し合いができたことから、料調側が突きつけてきた脱漏額を大幅に削減することができただけでなく、不正認定もゼロとすることができた。立会人と料調と […]
***4.隠れマルサ-料調の実態 査察事案以上に私のところに相談がきているのが、隠れマルサとも称されている「料調」(リョウチョウ)事案である。ここにいう「料調」とは、各国税局に設置されている資料調査課による税務調査のことだ。法律上は通常一般の税務調査の体裁をとるものの、その実態は強制調査であるマルサと酷似している。隠れマルサとも、あるいはミニマルサとも称されている所以(ゆえん)である。ネライはズ […]