塀(へい)の外の懲りない面々-大阪地検特捜部-

 またしても大阪地検特捜部である。7年前の平成22年、検察官が証拠物件を捏造して厚生労働省の村木厚子児童家庭局長を逮捕し、刑事法廷に引っぱり出したのであったが、今度は、脱税事件で事件のデッチ上げを行っている。相続税法違反の捏造、つまり冤罪(えんざい。無実の罪)のデッチ上げだ。



 私はこれまで数多くの脱税事件にかかわってきた。その主要なものは、このブログ上で公開している。公開したケースは全て、単なる冤罪のデッチ上げにとどまらず、国家公務員による数多くの犯罪にかかわるものであった。

 私の結論は単純である。昭和37年4月に施行された国税通則法による限り、刑事事件としての脱税犯罪は成立しない、ということだ(「冤罪を証明する定理」(山根定理))。50年以上にわたって国税庁が、私達納税者国民を騙(だま)し続けてきたのである。

 騙し続けてきたのは国税庁だけではない。検察官、裁判官も同様だ。

 しかもタチが悪いのは、検察ОBと国税ОBの弁護士と税理士が、退官後のメシの種にしてきたことだ。犯罪の捏造に積極的に加担して、納税者を食いものにしてきたのである。その典型は、品川芳宜弁護士(「冤罪捏造の犯人は国税庁長官だった!!-⑦」)と小田満税理士(「冤罪捏造の犯人は国税庁長官だった!!-⑧」)だ。二人とも、犯罪行為を行ってメシの種にしているのに気がついていないらしい。脳天気もいいところだ。

 もちろん、国税庁のインチキに加担しているのは検察ОB、国税ОBだけではない。ほとんど全ての弁護士と税理士が、右へならえである。

 このたびの大阪地検特捜部が手がけた相続税脱税事件も同様である。
 この冤罪事件は、一人の相続人を主犯として、6人もの人達が共同正犯、あるいは教唆犯として立件されている、まことに大がかりなものだ。
 何人もの弁護士が弁護人についているが、トンチンカンな弁論に終止している。そもそも論点が違うのである。

 この脱税事件で主犯格とされているのは、私と同じ公認会計士である。その他に、ベテランの落語家、県議会議員までもが巻き添えを食っている。少なくともこの3人は、逮捕されて刑事事件として立件されていることから、すでに不当な社会的制裁を受けている。私とか小沢一郎氏が受けた、Character Assassination (人格の抹殺)をすでに受けているのである。

 このインチキ脱税事件には、これまで私が扱ってきた事件にはない、特殊な事情があるようだ。
 一つは、大阪国税局をスッ飛ばして、大阪地検特捜部が直接乗り出していることだ。ガサ入れの時だけ国税局の査察官を同行しているが、「質問・調査」(国税犯則取締法第一条)は専ら特捜部の検察官が行っているようである。もちろん、違法である。査察官には、課税標準(相続税の場合は課税価額)の調査権限がないのと同様に、検察官にも課税標準の調査権限がない。加えて、検察官には、脱税事件の「質問・調査」の権限が直接には与えられていないからだ。
 二つは、この事件はもともと脱税でも何でもなく、詐欺あるいは横領事件であることだ。相続財産約10億円のうち、ナント、8億円ほどが申告期限までの間に何人ものワルによって食いちぎられている。
 問題は、この8億円がどのようになったのかを大阪地検特捜部は十二分に把握していることだ。事件のスリ替えである。
 この8億円に群がった税理士、弁護士、そのほか大阪のワルの実態を解明すれば、この冤罪事件の真相が見えてくるはずである。

 敬愛する作家の安部譲二さんにならって、標題を敢えて『塀の外の懲りない面々』とした。現職の検事は、逮捕されて刑事法廷に引きずり出されたことは一度もないはずだ。三井環、田中森一、大坪弘道,この3人は検察官又は検察ОBであったが、それぞれ自らの著書で、逮捕され被告人となった想定外の衝撃について異口同音に語っている。
 このたびの冤罪捏造事件にかかわった全ての検事は、犯罪を犯した国家公務員として刑事法廷の場で裁かれることを覚悟すべきである。

(この項つづく)

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 ここで一句。

”深刻な浅はかさだなトランプ氏” -浜松、よんぼ

(毎日新聞、平成29年4月24日付、仲畑流万能川柳より)

(金もうけのためなら何でも。4度の破産をテコにして財を築いてきた人物。一国のリーダーとして、どこまで“深刻な浅はかさ”を続けようとするのか。国家は、破産してもかまわない会社ではない。)

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