デタラメな70年談話-②

 暗愚のコンビの片割れである安倍晋三総理、国会答弁を聴いていてもペラペラと自分の言いたいことだけをオウムのように繰り返すだけでまともな答弁になっていない。この人には日本語の能力に重大な欠陥があるのではないか。

 そのような暗愚の宰相が、実に手の込んだ二枚舌の談話を発表したのである。日本語をまともに理解できないような人物が、詐欺師顔負けの巧妙なインチキ文章を綴れるはずがない。では一体誰があのようなデタラメなもっともらしい文章を作成したのか。

 作成したのは間違いなく、内閣官房にもぐり込んでいるキャリア官僚、あるいは元キャリア官僚(過去官僚)だ。総理を陰で操っている連中である。

 直ちに思い浮ぶのは、「法的安定性なんて関係ない」と言い放った礒崎陽輔首相補佐官だ。私が“安保マフィア”の称号を奉った人物である。

法治国家、あるいは民主主義を全否定しかねない妄言を、当然のごとく喋って平然としているのは、厚顔無恥のなせるワザとしか言いようがない。

 ここで想い出されるのは

だ。安冨歩東大教授の造語で、黒を白と言いくるめるインチキ論法のことである。古代ギリシャのアテネで、ソクラテスを死に追いやったデマゴーグ(煽動政治家、民衆煽動家-広辞苑)の論法だ。
 官庁の中の官庁と言われてきた財務省(かつての大蔵省)に巣くっている一握りのキャリア官僚、その一人がさきに“国税マフィア”として指弾した古谷一之内閣官房副長官補であるが、この人物の指揮のもとで、“安保マフィア”である礒崎首相補佐官がセッセと駄文を創り上げていったのであろう。
 70年首相談話の原稿は、いわば、“国税マフィア”と“安保マフィア”といった“東大マフィア”の面々による駄文といったところだ。
 この駄文には、「東大話法」のあらゆる要素が盛り込まれており、この意味からすれば「東大話法」による最高傑作であると評することができる。東大デマゴーグによる、デタラメさにおいて完成度が高いスグレモノである。

 70年首相談話は、ツッコミどころ満載のシロモノだ。前回は、「植民地支配」に絞って分析したが、あと追加して敢えて取り上げるとすれば、談話にさりげなく盛り込まれている「立憲主義」と「民主主義」だ。70年談話の中で、

「アジアで最初に立憲主義を打ち立てて、……我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、……」

などと臆面もなく綴っているが、ウソである。
 明治維新という名のクーデターは、ウダツの上がらない下級武士とショボクレた貧乏公家によるものであるが、これらの連中が専ら自分達の利権を守るために創り上げた手前ミソの作文が、明治憲法だ。
 薩長連合のクーデター分子が、「万機公論に決すべし」(五箇条之誓文)などと天皇をかつぎ出して大見栄を切ったものの、この連中は万機を公論にゆだねることなどサラサラ考えてはいなかったし、明治22年に発布された大日本帝国憲法も天皇を隠れ蓑にして薩長独裁政権が勝手に創り上げたシロモノだ。
 もともと「明治維新政府」そのものがインチキだ。イギリス・フランス・アメリカに巧みに操られてできた、傀儡(かいらい。「操り人形」の漢語的表現。広義では、黒幕に操られ、舞台の表面で踊らされる者を指す-新明解国語辞典)政権と考えられるからだ。薩長独裁とは名ばかりのもので、西洋諸国が裏でしっかりと操っていたのである。維新の志士とか元勲と称されている連中は全て、西洋諸国の操り人形であったし、福沢諭吉(「福沢諭吉の正体」参照)とか勝海舟など幕府側の連中も同様に、西洋諸国によって操られていたのである。
 当時一世を風靡した福沢諭吉の「学問のすすめ」(「福沢諭吉の正体」参照)は、明治傀儡政権の御用役人と御用商人とを養成するための「似而非(えせ)学問のすすめ」に他ならない。更には、えせ学問を教えるために設立されたのが慶應義塾大学だ。えせ学問を自ら身にまとって、「東大話法」を元祖として実践したのが福沢諭吉(「福沢諭吉の正体-補足①-東大話法の元祖」参照)である。

 以上、にわかには信じ難い諸事実は、維新のクーデターを挙行するためのブツ、即ち、カネ・武器・麻薬といった戦略物資の大半と戦略そのものが西洋諸国によってひそかに用意されていた事実から判明したことだ。認知会計による動かし難い結論である。

(この項つづく)

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 ここで一句。

”丁寧に抽象的に語る首相” -臼杵、只乃愚痴。

 

(毎日新聞、平成27年8月21日付、仲畑流万能川柳より)

(バカの一つ覚え。)

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