デタラメな70年談話-①

 平成27年8月14日、安倍晋三首相は、戦後70年の首相談話を閣議決定した上で発表した。

 戦後50年の村山談話、60年の小泉談話に盛り込まれた、

+「植民地支配」colonial rule

+「痛切な反省」deep remorse

+「心からのお詫び」heartfelt apology

+「侵略」aggression

の4つのキーワードは確かにこのたびの談話にも組み込まれており、一見、村山談話、小泉談話が踏襲されている体裁をとってはいる。

 しかし、改めてよく読んでみると踏襲されているどころか、全く異ったもの、とりわけ、20年前に出された村山談話とは似ても似つかない内容となっている。

 とりわけ目につくのが、「植民地」という言葉だ。
-広大な植民地 vast colonies
-植民地支配 colonial rule
-植民地化 colonization
-植民地経済 colonial economies
 これらのフレーズは全て、西洋諸国 Western Powers が主体となって行った侵略行為であるという文脈になっている。しかも、植民地支配が、圧倒的な技術優位 overwhelming supremacy in technology を背景になされた、などと美化している。歴史的事実の歪曲である。
 植民地支配を行ったのはもちろん西洋諸国だけではない。日本も行ったことを忘れてはいけない。朝鮮、満州、東南アジア・南太平洋の国々を日本が植民地としていたのは、厳然たる歴史的事実である。
 しかもそれら植民地を維持・拡大するための侵略行為は、「圧倒的な技術優位」などといったキレイごとによるものではなかった。
 ズバリ、軍事力とアヘン(阿片)である。西洋諸国が世界中に植民地を拡大していった背景に、軍事力という暴力に加えて、戦略物資としてのアヘンがあったことが次第に明らかになっているが、日本の場合も同様だ。
 戦後70年、アヘンをめぐる秘密のベールがはがれつつあり、その醜悪かつ非人道的な実態が明らかになってきた。その詳細は、知人のフリージャーナリストが近く公表する予定であるが、その結論の一端は、第2次大戦のA級戦犯でありながら恩赦によって釈放された岸信介元総理が戦時中アヘンに深く関わっていたことだ。この人物、言うまでもなく安倍晋三総理の祖父である。
 岸信介、満州国の「二キ三スケ」(東條英機、星野直樹の二キ、鮎川義介、松岡洋右、岸信介の三スケ。5人共A級戦犯。三スケは姻戚関係。)と言われた人物の一人であり、満州国、即ち関東軍の金庫番であった。この金庫番が扱っていたのは表向きの資金とか資財だけではなかった。植民地だけで通用する紙幣(ニセ札に近いもの)に加えて、戦略物資としてのアヘンが重要なウェイトを占めていた。
 キーワードは、満州国における興亜院という名の政府機関だ。この興亜院を事実上、取りしきっていたのが岸信介だ。
 中国の人々を「丸太」と呼び、生きたまま人体実験の材料とした「731部隊」が、戦後、石井部隊長以下戦争犯罪者とされることなく、無罪放免されたのは、毒ガス兵器、細菌兵器などの人体実験データの提供の見返りがあったからであるとされているが、岸信介の場合も、あるいはアヘンとか隠匿物資をめぐる軍事機密資金情報の提供が無罪放免の背景にあったのではないか。
 戦後、政界に復活して総理にまで登りつめた岸信介、この人物には、アメリカのCIAから年間10億円もの裏金が60年安保以前からひそかに渡されていた事実がすでに明らかになっており、日本の首相でありながらなにくわぬ顔をしてアメリカの利益の代弁者、つまりアメリカのスパイの役割を演じていたほどであるから、岸信介と同時に釈放された児玉誉士夫、笹川良一と同様、裏社会の利権、あるいは軍事機密をめぐる何らかの“裏取引”が、終戦直後にGHQとの間で取りかわされたのではないかと考えるのが自然である。

 70年首相談話には、「植民地支配」一つを取ってみても、侵略の歴史を歪曲し、美化、つまり正当化するものだ。しかも、植民地を維持・拡大しようとしたこの侵略戦争には岸信介というA級戦犯が深くかかわっているだけに、この首相談話は日本国の首相談話ではなく、岸信介という身内(祖父)の戦争犯罪を糊塗し、正当化するためになされた安倍晋三首相の個人的な見解ではないか。
 従って、いくら、「侵略」、「痛切な反省」、「心からのお詫び」などと言い募っても、言葉だけが宙に浮く結果となっている。安倍首相自身は、祖父の犯罪行為を正当化して居直っているのであるから反省など全くしていないし、心からのお詫びなどしてはいない。二枚舌の典型といった談話を、日本国民に対してだけでなく、全世界に向けてシャーシャーと発した安倍晋三総理は、日本国の首相として恥を知るがよい。
 このところ、ネットを通じて人口に膾炙(かいしゃ)しているフレーズを私も怒りを込めて唱和したい。

 安倍晋三総理は、麻生太郎副総理とともに日本国を破滅させようとしている大馬鹿者だ。極めつきの暗愚のコンビである。

(この項つづく)

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 ここで一句。

”幸せか訊いたら不幸じゃないと妻” -湖西、宮司孝男

(毎日新聞、平成27年8月14日付、仲畑流万能川柳より)

(美人?と訊かれて、ブスじゃないと答えるが如し。)

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