脱税は犯罪ではなかった-4

 査察の調査内容のデタラメさに神経を集中していたために、査察が偽って行なっていた課税手続きの誤りに気がつかなかった。

 私がこの件の課税手続きに疑念を持つに至ったのは、なんとしても修正申告をさせようとするやり方が余りにも乱暴なケースに出会ったからだ。

 相続人は3人。査察が創り上げた脱税ストーリーについては、3人共に否認していたが、3人を検察に逮捕させてからが特にヒドクなった。にわかには信じられないような犯罪行為が、大津地方検察庁の検事室で繰り広げられていたのである。

 3人のうち、相続財産の実態をよく知っている2人は、逮捕された後も頑として否認を通し、査察と検察の口車に乗ることはなかった。もちろん修正申告にも応じていない。
 ターゲットにされたのは、相続財産についてほとんど事情を知らない残りの一人であった。逮捕され、身柄を拘束された状態で連日連夜、脅したり、すかしたり、騙(だま)したりと、拷問のような取り調べが続けられた。
 この取り調べを行った検察官は、当時大津地検三席の花崎政之検事だ。すでにたびたび述べたところである。(「冤罪を創る人々 087 花崎政之」参照)

『どうしても認めようとしないのであれば、仕方がない。君の義理の兄(注、相続人ではない)を逮捕することだってできるんだ。そうなったらどうなるか分るかい。
 君んところの仕事は、魚の養殖業だ。これまで4人で切り盛りしていたのが3人逮捕され、残りの一人まで身柄を拘束されたら、生きた魚の世話をする者がいなくなるんじゃないかね。
 ま、よく考えてみるんだな。』

 花崎政之検事は、相続とは関係のない相続人の夫の逮捕をチラつかせて、一族の事業を破綻させることまで示唆したのである。恫喝である。この検事、何とも形容のしようがない、恐るべき人物だ。検察官の持っている強大な国家権力を不正に駆使して、事実に反する偽りの供述を引き出そうとしたのである。まさに、検察官という「代紋」をもつ、国家公認のヤクザだ。
 この人物こそ、18年前に松江地検の検察官として、私の冤罪事件をデッチ上げた一人であった。花崎検事が担当したのは、脱税の余罪(別件)とされた、「公正証書原本不実記載罪」のデッチ上げだ。この経緯については、すでに公表済である。(「冤罪を創る人々 087 花崎政之」参照)

 花崎検事は、相続人の一人から偽りの供述を引き出し、修正申告をさせようとして躍起になった一方で、言葉巧みに“取引”をもちかけている。利益誘導である。

『君が言われた通り素直に供述し、自分の意志で修正申告に応ずるのであれば、こちらにも考えがある。悪いようにはしない。君を直ちに保釈してもいいし、起訴しないことだって約束する。
 君には家族がいる。奥さんもいるし子供もいる。起訴されて裁判になれば、まず100%有罪だ。裁判官も仲間内のようなもので、無罪となることはない。
 そうなれば君は前科者だ。君の奥さんはともかくとして、君の子供達はどうなると思う? 長い一生、前科者の子供という十字架を背負って生きていくことになるんだよ。
 ま、よく考えてみるんだな。』

 密室での取り調べであることをいいことにして、やりたい放題である。
 普通の名刺より一回り大きい、「代紋」入りの名刺をチラつかせて、ユスリ、タカリを生業(なりわい)とするヤクザと何ら変るところがない。

 以上点描した花崎政之検事のヤクザまがいの所業の記述は、私が被害を受けた相続人達から事情を聴取して行なっただけのものではない。客観的な証拠、例えば、被疑者ノート、ICレコーダーによる録音記録と反訳文、拘置所に差し入れられた公文書、内容証明郵便、査察が用意した修正申告書用紙と修正申告用の印鑑等、供述以外の客観的な証拠を私自身が確認した上でのものだ。
 この経緯を詳述した文書は、証拠物件を添付した上で、本件にかかる不服審判を担当している大阪国税不服審判所に提出済である。平成25年3月××日、大阪国税不服審判所において三人の審判官に面談の上で手渡したものだ。

(この項つづく)

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。

“おいしいとメダカの餌に書いてある” -箕面、さる美人

(毎日新聞、平成25年12月6日付、仲畑流万能川柳より)

(私の知人のアイデアマンが、画期的なニワトリの餌を開発。栄養面で申し分がない、最高の卵、最高の肉がとれると自信マンマン。鶏舎に放し飼いされていたのは数百羽のニワトリ。餌を与えようとして給餌人がニワトリに近づくや、ニワトリが震え上がって逃げ回る始末。結果、大半のニワトリが餓死。ニワトリにも味覚があり、たとえ死んでも食べたくないものがあることが判明。ウソのようなホントの話。)

【追記】

謹んで新年の
ご挨拶を申し上げます
平成26年元旦

 私の住所、事務所(松江市)は共に、島根原発から10キロの地点。原発安全神話が偽りであったことから、非常に危険なところであることが明らかになりました。
 今年は、日本の原郷(まほろば)・奥出雲に生活と仕事の軸足を移します。会計の職人であることに加え、「里山資本主義」を実践するために、山人(やまひと)、百姓として人生の再出発をいたします。

公認会計士 山 根  治

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