2013年

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民主党政権の置き土産-偽りの査察調査-②

 日本国憲法は、法の規定にもとづく国民の納税義務(憲法第30条)を定めると同時に、国は法の規定によらなければ国民に課税することができない(憲法第84条)と定めている。  「法の規定」についてはそれぞれ、「法の定めるところ」(憲法第30条)、「法律又は法律の定める条件」(憲法第84条)という文言が使われている。  つまり、これまでは国民の納税義務(憲法第30条)についても、国民が不当な課税を受けない […]

民主党政権の置き土産-偽りの査察調査-①

 民主党は、昨年末の衆院選敗北に続いて、先ほどの参院選でも惨敗を喫した。大方の見るところは、負けるべくして負けたといったところだ。これについては勿論異論はない。その通りである。  ただ何故負けたのか、その原因については、あるいは次のようなことではなかったのか。  つまり、4年前の衆院選で民主党が大勝し政権の座につくことができたのは、小沢一郎氏をはじめ、鳩山由紀夫氏、菅直人氏がいたからであったが、い […]

天の逆手(あまのさかて)-3

 これまでの検討から導くことのできる結論は、「天の逆手の所作は、ごく普通の拍手(かしわで)であり、その意味するところは、日本国の支配権を天孫に譲り与え、自らは身をひくこと」といったところになろうか。  伴信友は、以上の見解をもとに、伊勢物語96段の「天の逆手」について次のように解釈した。 「按(あんずる)に、こは秋は必ず逢はむと約(ちぎ)りおきつる女の云々せるによりて、男深くいきどおりけれどもせむ […]

天の逆手(あまのさかて)-2

 伴信友の随筆集「比古婆衣(ひこばえ)」に「天の逆手」を論じた一文がある(「比古婆衣」下、現代思潮社。P.143~P.146)。その中で信友は、「逆手」を借字とし、避手(サカテ)、即ち、サク(避く、放く、離く)テと読んだ。「そは事代主神の御父、大国主神の領(うしはき)給へる此の御国を皇孫命(すめみまのみこと)に避献(さけたてまつ)るとして、其の礼儀(いやびわざ)に手拍ち給へるなるべし。」(前掲書、 […]

天の逆手(あまのさかて)-1

 「天の逆手(あまのさかて)」という言葉がある。事代主神(コトシロヌシノカミ)が国譲りの際に打ち鳴らした拍手(かしわで)のことだ。  大国主命(オオクニヌシノミコト)の御子神である言代主神(コトシロヌシノカミ)が、天照大御神(アマテラスオホミカミ)が遣わした神の強談判に屈して国譲りを承諾し、「この国は、天つ神の御子に立奉(たてまつ)らむ」と言い残して、自らは乗っていた船を蹈(ふ)み傾(かたぶ)けて […]

縁結びということ-3

 松江市に縁切り神社がある。佐太神社(松江市)の境外摂社・田中神社である。縁切り寺というのは各地にあるようであるが、縁切り神社は全国でも珍しい。  この神社の特徴は、単なる縁切りというだけではない。隣り合せに縁結びの神社があり、縁切り・縁結びの神が一対になっていることだ。  身にまといついた罪・穢(けが)れを、ハライ、浄めて消滅させることによって、自(おの)ずから悪(あ)しき縁を断ち切ることができ […]

縁結びということ-2

“袖振り合うも多生(たしょう)の縁”(道行く知らぬ人と袖が触れ合うことさえ宿縁による。すなわち、ちょっとした出来事もすべて宿世の因縁によるという意。-広辞苑) という諺がある。  「縁結び」が仏との結びつきに始まって、物事との結びつき、人と人との結びつきを経て、男女の結びつきに至ったことは前回述べたところである。  現在「縁結び」については、第一義的には男女の結びつきがイメージされるようになってい […]

縁結びということ-1

 出雲地方で縁結びの神といえば、大国主命(オオクニヌシノミコト)と稲田姫(イナタヒメ)だ。それぞれ、出雲大社(出雲市)と八重垣神社(松江市)に祀られている神である。この縁結びの神、男女の仲をとりもつ神であるという。このところ、結婚願望の強い若い女性に人気がある。  大国主命も稲田姫も、古事記、日本書紀に登場するおなじみのキャラクターである。ともに物語性の豊かな存在ではあるが、必ずしも縁結びの神では […]

日本神話のヘンシン-4

 日本神話のヘンシンの最後は、明治維新の際に創作された「国家神道」だ。7番目のヘンシンである。  「国家神道」で使われている神道という言葉自体、それほど古くからのものではない。平安時代の末頃から用いられたものといわれ、「シンドウ」、あるいは「ジンドウ」と発言が濁っていたらしい。それが「シントウ」と清音になったのは室町時代以降のこととされている。  この神道が突如として強烈なイデオロギーと化した。そ […]

日本神話のヘンシン-3

 平安時代の終り頃から日本の政治の表舞台に武士が躍り出てくる。平氏であり源氏である。  武士の躍進に伴ない、これまで貴族と共に政治支配の一翼を担い、自前の領地を確保していた各地の寺社が新興の武士達に経済的基盤を奪われていった。  このような社会経済情勢の変化につれて、天皇を頂点にすえた貴族社会のための宗教から、武士を中心とする一般市民の救済をも配慮に入れる宗教へと変容せざるを得なくなった。神社関係 […]

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