ホリエモンの錬金術 -19

私は人に褒められるのが大好きで、おだてあげられるとつい調子に乗ってしまいます。ブタもおだてりゃ木に登るといったところです。

このたびも多くの方々から過分なお褒めのコメントをいただいたために、ハチマキを締めて木に登り、木の上で思わず逆立ちをしたり、扇子をひろげてみたりしてしまいました。花咲爺みたいですね。

今、そろりそろりと木から下りようとしているのですが、カラクリの種明しに熱心にお付き合い下さった方々に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

それにしても、様々な思惑を持った方々が、それぞれの立場からコメントして下さいました。

中には中立的な立場を装いながら、ホリエモンを懸命になって擁護なさっている「川村」という方がいらっしゃいました。(コメントNO.184197198229242245256294352
「川村」さんが、ホリエモンを弁護なさるのはまことに微笑ましく、親しい間柄であるとお見受けしました。このような心強い保護者をもっている堀江さんは幸せ者ですね。羨ましい限りです。
ただ、事実に反することだとか筋違いのことをあれこれと持ち出して弁護なさっているのは、かえって、ひいきの引き倒しになりかねませんね。
かつてオーム真理教を盛んに援護していた若い宗教学者のことを思い出しました。この大学の先生、裏でしっかりオームから金をもらっていたようです。
それにしても「川村」先生、「さすがの私もこれには驚きました」(コメントNO.229)とか言ったりして、思わず言葉の端から本音がポロッと出てしまうところなど、なかなか愛嬌のある方ですね。
「さすがの私」が、どの程度の「私」であるかは存じ上げませんが、頭の構造がさほどの複雑系ではない、素直な方なんでしょうね。

また、コメントのやり取りをして、一幕の寸劇を演じて下さった女性の方もいらっしゃいました。コメントNO.85の「主婦です」さんです。
この方のコメントに対して何人かの方々から反論があり、それらに逆ギレなさったのでしょうか、かなりの分量の再反論がなされました。コメントNO.130です。かなりお怒りのご様子で、パソコンの画面から湯気が立ち上るようでした。
「主婦です」さん、中小企業の経理知識を多少お持ちの方のようですが、企業分析とか上場会社の会計実務とか企業会計の考え方などあまりご存知ないようです。私は、何度かNO.85NO.130のコメントを読み返してみましたが、相当以上にトンチンカンで、論旨不明、意味不明としかコメントのしようがありません。申し訳ありません。
どこかの口うるさいオバサンに突然家の中に踏み込まれ、訳も分からぬままにひたすら叱り付けられた思いでした。クワバラ、クワバラ。

多くの有益かつ的確なコメントを下さった「通りすがり」さん、幅広い学識とプロフェッショナルな実務経験をお持ちの方のようです。私の知らない多くのことを教えていただきました。ありがとうございました。
尚、途中から、「通りすがり」を名乗る別の方が2~3人登場されたようです。内容、文体ともに「通りすがり」さんとは似ても似つかぬレベルの低いもので、この方々はどこかの学習塾にでも通って綴り方の勉強でもなさったらいかがでしょうか。チンパンジーが、いくら人間のマネをしてみても、人間になることはできません。

この4ヶ月間、私はライブドアとホリエモンに関する原資料を分析するかたわら、他の論者がどのようなことを言っているのか、できるだけ多く目を通すようにしていました。
ホリエモンについて、いろいろな立場の人が各人各様に論じ、意見を述べています。
今の時点でそれらを総括した場合、「ホリエモンの錬金術-号外」で紹介した二つの論文
+関岡英之、「志を喪失した時代の象徴として」
+大濱裕、「ホリエモン流無頼なドアの叩き方」
の右に出る論述には遂に出会いませんでした(共に「正論」2005年5月号所収)。
改めて、2人の気鋭の論者に心からなる敬意を表明し、読者の方々に再度お勧めいたします。しっかりした根拠を持ち、白を白、黒を黒と、自信を持って言い切る勇気に拍手を送ります。

ホリエモンに関する便乗本とかヨイショ本も何冊か出版されています。ヨイショ本の極めつけは、堀江さんと竹村健一さんとの共著、「世界一の金持ちになってみろ!」(太陽企画出版)です。
竹村健一さんは、堀江さんとライブドアを評して、

「つねに最新分野にアプローチし、高収益事業にしていく堀江さんは、まさにネット時代の申し子というべき存在です」(P.196)
「非常に正統的な経営者」(P.197)
「このライブドア成功の重要な力となった人(山根注、税理士の宮内亮治さんのことです)は、いまCFO(最高財務経営責任者)として、堀江さんをサポートしています。」(P.200)
「堀江さんの経営センス、財務への十分な理解」(P.200~201)
「成長を続けている本物のベンチャー企業」(P.222)

と、最大級の賛辞を呈しています。
竹村さんは一応功なり名を遂げた著名な評論家ということになっています。ここでは大先生の有難いご託宣の一部を紹介するにとどめ、敢えてコメントを差し控えます。私の分析にお付き合いいただいた賢明な読者諸氏のご判断にゆだねれば十分だと思うからです。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“竹村さんよいしょよいしょとタイコ持ち” -Auge Mensch。

(仕事をするには手帳とエンピツさえあれば十分だ、と放言していた方だけに、さすがです。たいしたエライ! 70才過ぎの今でも、英字新聞と英字週刊誌とがこの大先生のバイブルのようですが、これでメシが食っていける日本という国は、タイシタ国ですね。日本の若者に希望の光を与えてくれるセンセイなのでしょう。)

 

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