ホリエモンの錬金術 -18

私の分析も終りに近づいてきました。実は、この連載を始める前にホリえもん(ホリエモンではなく)に関する原稿を4本ほど仕上げていました。彼がフジテレビとのドンパチをやり始めた時のことです。

「中江滋樹とホリえもん」と題したもので、私がよく知っている中江滋樹という異色の相場師とよく似ていると考えて書いたものです。分析にまで立ち至らない気楽なものでした。

ライブドアという会社については、昨年の野球騒動のとき決算書をザッと見て怪しげな内容であることは知っていました。しかし、有価証券報告書までは眼を通していませんでした。
原稿を4回分書き上げた段階で念の為に有報をネットから引っ張り出して眼を通してみたところ、上場後の決算書がいかがわしいシロモノであるだけでなく、上場前にトンデモないカラクリがあることに気付いたのです。
中江氏との対比で書いていた原稿は、ホリえもんを新しい時代の勝負師ととらえた好意的なものでした。ささやかなエールを送るつもりだったのです。
しかし、有報の詳しい分析から浮かび上がってくるホリエモンの実像が、中江氏とは似ても似つかぬニセモノであることが判明し、書き上げた原稿を破棄するに至りました。いわば幻の原稿であり、幻のエールに終わったのです。

3月15日に第一回目をアップしてから4ヶ月。成り行きから、久しぶりに大量の有報とか届出書に眼を通し、分析することになりました。
予想をはるかに超えた反響があり、当初5回くらいで終えようと思っていたものが、結局3倍以上の分量になってしまいました。
ブログに寄せられたコメントの中には、私を非難する数多くの声があり、「いいかげんなことを書くな」、「そこまで言うならキチンとした根拠を示せ」など、まことににぎやかなことでした。
なるほど、それぞれごもっともな意見でしたので、私としても、それではと腰を据えて、長々しい煩雑な議論になるのを承知の上で仕切り直しをして書き進めてきたのです。
後半に至り、そろそろこの連載を終えようとしていたときに、熱烈なホリエモン信者の方から、「山根、旧世代の腐った脳みそのお前がいくら堀江の錬金術と称して堀江を叩いても何の説得力もないぞw。」「さっさと引退しろよ糞じじいがw。」(コメントNO.[209]「堀江支持者」)、あるいは、「てめえみたいな社会のゴミはさっさと死んだ方が日本のためだ。」(コメントNO.[210]「同」)、といった強烈な文面のパンチが飛んできました。
さすがに、この方のコメントを一読したときは、ムッときましたね。しかし、二読、三読するうちに、妙に納得できることに気付きました。

たしかに、“旧世代の腐った脳みそ”と言われてみれば、私は昭和17年生まれで、戦後の団塊の世代より前ですから旧世代でしょうし、この7月26日で満63才になるのですから若い時に較べて脳細胞が減少していることは大脳生理学的に言えば厳然たる事実でしょう。お説ごもっとも、まちがいない!
また、“糞じじい”と言われてみれば、私も人並みに孫がいますのでジジイですし、還暦を過ぎても、人生を悟るどころか、益々俗っぽくなっている非聖人君子の私ですから、クソジジイと言われれば、これまた、まちがいない!、と妙に納得してしまうのです。
ただ、“さっさと死んじまえ”とか“さっさと引退しろよ”というご意見には、今のところハイそうですかと受け入れることはできないようです。
私は自分で命を絶つほどの勇気を持ち合わせていませんので、生きるの死ぬのと言ってみたところで、神のみぞ知る、私にはどうすることもできません。あしからず。
引退についても、私はしがない会計屋ですし、幸か不幸か定年がありませんので、引退のしようがないのです。
何をどのようにするのかはともかくとして、命の続く限り、つまり自然に呼吸と心臓とが停止するまで、私に与えられた仕事を一つ一つこなしていくしかありません。
つまり、私の人生に幕を引くときが私の引退であると常日頃考えていますので、先に述べたように、これまた私の自由にはできないのです。残念!

私のブログを熱心に読んで下さり、その上にやや品位には欠けるものの、わざわざ2回もコメントまで下さった「堀江支持者」様には、以上のような次第で、現時点ではせっかくのご要望におこたえすることができそうもありませんので、せめてもの感謝の気持から、全く書く予定にはなかった論点を追加してサービスさせていただきました。「ホリエモンの錬金術-15~17」の3回分がそれです。「ホリエモンの錬金術-16」の(表1)(表2)(表3)(表4)を作り上げるのに、けっこう時間を使いました。謝、謝。

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ここで一句。

“都知ジイがババアと言ってなぜ悪い” -船橋、斎藤晃一。

 

(毎日新聞:平成17年6月18日号より)

(日本海の冬の味覚にババアという名の白身の魚があります。見た目は、なるほどクシャクシャッとした面白い顔付をしており、お世辞にも器量よしとは言えませんが、鍋物にお勧めです。たけしのTVタックルで、舛添要一と、かつて「ハゲ・ブス論争」を口角泡をとばして展開なさった田嶋陽子女史にでも召し上がっていただいて、『して、ババア鍋のお味のほどは?』とでも、おそるおそるうかがってみたりして。鍋のフタが飛んでくるかもしれませんね。)

 

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