ホリエモンの錬金術 -9

このように1,440倍にもつり上げられた架空ともいうべき評価額(実質的PBRは、878.4倍。計算の根拠は資料Fを参照)であっても、ひとたび上場され、株式市場という信用機構に乗ってしまえば、本当にそれだけの価値があるかのように流通してしまいます。

即ち、この1株600万円という公開価格を目安にして株価が上がったり下がったりするのです。

ホリエモン・マジックの原点は、まさにこの犯罪的とも言える評価額の異常なつり上げにあります。

そして、それに手を貸したのが、大和証券エスビーキャピタル・マーケッツ株式会社(現、大和証券SMBC)であり、株式会社光通信であり、株式会社グッドウィル・コーポレーションではないでしょうか。
株式会社オン・ザ・エッヂの上場に際して繰り広げられたのは、インチキ・ドラマそのものです。
“かご抜け増資”によって、もっともらしい会社に変身させ、架空とも犯罪的ともいえる法外な値決めをした上で株式市場という信用機構を悪用したのです。
創業者利得を装った不当利得の詐取と言っても過言ではないでしょう。

このインチキ・ドラマを創り上げ、実行に移したホリエモン賭場のご一党は、次のような面々です。

****1.胴元
-ホリエモン … [利得]:ライブドアの持株220,975,000株他。
****2.親分衆(かご脱け親分)
-(株)光通信 … [利得]:14億円余り。
-(株)グッドウィル・コミュニケーション(グッドウィルグループ(株)の当時の子会社) … [利得]:不明。
-有馬純一郎ことホリエモン … [利得]:20億円余り。
-(株)光通信パートナーズ … [利得]:不明。
-大和証券SBCM(株)(ぽん引きと二役) … [利得]:不明。
※この中で、上場後真っ先に売り抜けたのは、有馬純一郎ことホリエモンでした。逃げ足の速いこと、さすがです。
****3.三下(さんした)
-宮内亮治 … [利得]:不明。
-和井内修司 … [利得]:不明。
-小飼弾 … [利得]:不明。
更に、この三名には、上場直前の平成12年1月19日に、それぞれ20株、20株、40株のストックオプション(発行価格一株につき25万円。この価格は、1月17日に行なわれた12分割を考慮して決定されたもので、(株)光通信、大和証券SBCM(株)などが取得した一株300万円と同等の条件です)が付与されています。
このストックオプションは、その他の役職員39名にも付与されています(合計310株)。大盤振舞といったところです。何せ資金の負担は一般投資家(カモ)がしますので、会社は何もしなくともいいのですから。上場後も、ストックオプションとか株式交換など、資金負担ゼロをいいことに、やりたい放題です。
****4.ショバ貸し
-東証マザーズ … [利得]:不明。
****5.ショバ目付
-監査法人神奈川監査事務所(現、港陽監査法人) … [利得]:不明。
※この監査法人は、その後のライブドアが手がけている怪しげな上場のほとんどに関与している、いわばライブドア御用達商人です。
****6.客引(ぽん引き)
-大和証券SBCM(株)(現.大和証券SMBC(株)) … [利得]:不明。
※ぽん引き(広辞苑より)
1.土地不案内の田舎者などを甘言を用いて誘惑し、その所持金を巻き上げること。また、その人。
2.私娼窟などで、不案内の者を連れ込む客引き。
3.株式街で、取引所の会員を装って曖昧株を売りつける者。
この証券会社は、1.~3.のどれにも該当しそうですね。三つに共通するのは、賎業。
****7.客人(カモ)
-一般投資家 … [損失額]:上記の1.~6.の利得の合計額。

各人の株の取得価格と上場時の評価額は次の通りです。
^^t
^cx^NO.
^cx^株主
^cx^持株数(株)
^cx^取得価格(千円)
^cx^上場時評価額(千円)
^cx^倍率
^^
^” rowspan=”3″^1
^堀江貴文(本人名義) *1
^rr^7,920
^rr^33,000
^rr^47,520,000
^rr^×1,440
^^
^堀江貴文(有馬純一郎名義)
^rr^960
^rr^4,000
^rr^5,760,000
^rr^×1,440
^^
^cc^堀江貴文計
^rr^8,880
^rr^37,000
^rr^53,280,000
^
^^
^2
^宮内亮治
^rr^96
^rr^400
^rr^576,000
^rr^×1,440
^^
^3
^和井内修司
^rr^96
^rr^400
^rr^576,000
^rr^×1,440
^^
^4
^小飼弾
^rr^48
^rr^200
^rr^288,000
^rr^×1,440
^^
^” rowspan=”3″^5
^(株)光通信
^rr^1,800
^rr^450,000
^rr^10,800,000
^rr^×24
^^
^(株)光通信パートナーズ
^rr^120
^rr^30,000
^rr^720,000
^rr^×24
^^
^cc^光通信グループ計
^rr^1,920
^rr^480,000
^rr^11,520,000
^
^^
^6
^(株)グッドウィルコーポレーション
^rr^600
^rr^150,000
^rr^3,600,000
^rr^×24
^^
^7
^大和証券SBCM(株)
^rr^360
^rr^90,000
^rr^2,160,000
^rr^×24
^^
^cc” colspan=”2″^合計
^rr^12,000
^rr^758,000
^rr^72,000,000
^rr^
^^/
(*1) 本人名義の内、有馬晶子より3億6千万円買い取ったとしている120株は架空のものと考えて、取得価格を計算した。

堀江さんが、自らの会社の実態と著しくかけ離れた株価(まさに架空のものです)を維持し、あるいは更につり上げるために使ったと思われる手段が、公募増資と組合せて行なった破天荒な株式の分割でした。
ホリエモンは、この株式の分割を合法の名のもとに悪用して、恥じるところがないようです。それどころか、ホリエモンは、日本で初めて行なった「快挙」だとして自画自賛している仕末です。
会社が行なった株式分割は、この5年間で、上場直前を含め次の5回です。
+平成12年1月11日、1株を12株に。
+平成13年7月23日、1株を3株に。
+平成15年8月20日、1株を10株に。
+平成16年2月20日、1株を100株に。
+平成16年8月20日、1株を10株に。
やってくれましたね。ご立派としか言いようがありません。
このことは、平成12年1月11日に1株であったのが、同16年8月20日には、実に36万株になったことを意味します。(12×3×10×100×10=360,000)
つまり堀江さんの持株は当初660株でしたので、仮に全て売却せずに持ち続けていたとすれば、
660株×360,000分割=237,600,000株
となるのですが、平成13年から同14年にかけて16、625,000株(現時点で換算。元の株に換算すると、554株ほどになります)売った形跡がありますので、現在の持株は、220、975,000株となっている訳です。

ライブドアの現在の株価を一株340円とすれば、5年前の上場当時の一株600万円と比較した場合どうなるのでしょうか。
上場後に通算で3万分割をして、株式数が3万倍になっていますので、今の株価を上場時点に引き戻して計算すると、
1,020万円(340円×3万倍)
となり、更につり上げられていることが判ります。つまり上場当時(一株600万円)の1.7倍ということです。上場当時で1,440倍でしたので、現在の株価は、当初の2,448倍(1,440倍×1.7倍)ということになります。
この5年間ライブドアは、まともな収益構造を持っておらず、赤字をタレ流しています。その赤字幅を縮めているのがIPO(新規上場)を支援するという名目でなされているインチキ上場システムです。自分の会社の上場の際に、株式会社光通信などが“かご抜け増資”を行なってボロ儲けをしたのを間近に見て味をしめ、そのゴマカシのシステムをそのまま使っているようです。しかも、日本グローバル証券(現ライブドア証券)という証券会社まで手に入れたのですから、やりたい放題です。
既にこの怪しげなシステムを駆使していくつかの企業を新規上場させており、その一番新しいインチキ上場のケースが(株)エフェクター細胞研究所でした。
つまり、上場後の5年間、まともな仕事から収益を得ているのではなく、このような不正利得によってかろうじて赤字を補填している状態で、会社の経営実態は大幅に悪化しているのです。

上場前、平成11年8月時点での会社の株式の時価一株5万円が、上場時点で1,440倍の600万円につり上げられているのですから、上場5年後の現在、企業実態が更に悪化しているにも拘らず、更につり上げられ、実に2,448倍の水準になっています。

このことを堀江さんの持株に即して考えてみましょう。
上場当時の持株数が7,920株で、その取得価格が33,000千円でしたので、現在の持株220,975,000株の取得価格は、
30,690千円 (33,000千円×(220,975千株÷237,605千株))
注)237,605千株=7,920株×3万倍+5千株
となります。
従って、現在の堀江さんの持株の評価額は、
751億円(30,690千円×2,448倍)
となり、第6回で示した金額751億円と一致いたします。この事実は、ホリエモンが豪語している莫大な財産が、ゴマカシそのものであることを如実に示すものです。

それにしても、5年の間に36万分割を敢行するなど、あきれてものが言えません。株価操作がみえみえのこの破廉恥な行為が、本当に適法と言えるのでしょうか。しかも、その最大の受益者が、会社の筆頭株主であるホリエモン自身なのですから。分割とセットになった増資をするたびに、ホリエモンの資産が自動的に増える仕組みになっているのです。
上場時に、1,440倍にもつり上げられた会社評価額と、上場後にこの架空そのものの評価額を、株価を維持、あるいは更につり上げるために強行されたとしか考えることのできない3万分割(通算すると36万分割ですが、上場前に12分割していますので、それを除くと上場後は3万分割)こそ、ホリエモン・マジック(詐術)の中核をなすものです。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“ホリエモンいつの間にやらドラえもん” -Auge Mensch。

(ドラえもんの秘密兵器は無限です。タヌ機:たぬきのメガネとシッポをつけ、こちらの脳波を相手の脳に送り込むと、思い通りの幻覚を見せることができます。タヌキさいふ:詐欺物質S-Gの働きによって、かきの葉1枚が千円札に変わります。ホリエモンは、ドラえもんから、タヌ機とタヌキさいふをひそかに借りているようですね。可愛げのないドラえもんといったところです。)

 

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