山根治

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原発とは何か?-⑥

 東京電力の経営は、3.11の事故が発生した瞬間に、破綻していた、-これが前回の要旨である。一回の原発事故で会社が吹っ飛んだのである。  エネルギー政策は一国の政策の根幹をなすものだ。中でも電力はエネルギー政策の中核をなすものである。  その電力を事実上独占的に供給してきたのが電力会社であり、そのシンボル的な存在が東京電力だ。  その経営が破綻していた。電力を安定的に供給するために起ってはいけない […]

原発とは何か?-⑤

 前回(原発とは何か?-④ )、原発政策の大義名分の一つであるエネルギー供給の安定性が、虚言(たわごと)である二つの理由について述べた。  今回はこれに加えて、エネルギー供給の当事者である電力会社の経営に内在する問題点、つまりエネルギー供給システム自体に重大な欠陥があったことについて述べる。  エネルギー供給の安定性を確保するためには、事業主体である電力会社の供給体制が安定していなければならない。 […]

そうけんサロン交流会「原発-隠されていた真実」講演

 8月20日に行なわれた「そうけんサロン交流会」において、弊社主任コンサルタント山根治が講演しましたので、その旨お知らせいたします。 -日時:平成23年8月20日(土)6:00PM~7:00PM -場所:財団法人島根総合研究所(松江市東本町5丁目山根ビル1F) -講師:山根治(財団法人島根総合研究所理事長・公認会計士)  ***『原発-隠されていた真実』 ※「そうけんサロン交流会」レジュメ *** […]

原発とは何か?-④

 原発政策の大義名分とされた3E(「原発とは何か?-②」参照)について、一つずつ検討し、それらが偽りの大義名分であることを明らかにする。 ***1)エネルギー供給の安定性(Energy)  この大義名分は次の2つの点で誤っており、偽りである。  まず第一に言えることは、ウランが稀少資源であることだ。決して無尽蔵にあるわけではない。資源の枯渇が叫ばれている石油は可採年数が42年(2007年末)、ウラ […]

原発とは何か?-③

 前回述べた原発政策の構図は、図式的には次のようになる。 <%image(20110809-genpatu_kouzu.png|673|310|原発政策の構図)%>  経産省は原発安全神話というお伽話をもっともらしく作り上げた。しかも、御用学者を総動員してこのお伽話をいかにも真実らしく装った。権威付けするための常套手段である。その上で、政策に大義名分を与えるために、3つのEという屁理屈 […]

原発とは何か?-②

 思えば、3.11の福島第一原発の大惨事が起るまでは、原発論議はタブーであった。  原発政策は日本の国策だ。反原発、あるいは脱原発を唱えようものなら、それこそ反社会的な奇人変人扱いされ、日本社会からはじき出された。仕事をする上で差別されただけではない。要注意人物として公安警察の尾行の対象になったり、中には文字通り命まで狙われた人さえいたのである。まさに、マフィアの世界だ。  このような状況は、自民 […]

原発とは何か?-①

 このところ原発についての論議がにぎやかである。脱原発といっても、直ちに原発を廃止すべしとする人から、10年後あるいは20年後の廃止に向けて段階的に縮小すべしとする人まで様々だ。原発推進についても同様で、電力の安定的な供給源としての原発は不可欠だとする点では共通するものの、主張する内容は実にヴァリエーションに富んでいる。  この原発論議をx-yの座標軸でプロットしてみると次のようになる。x(横)軸 […]

中国人の正体

 この半年ほどの間、一人の中国人に振り回された。国税局がらみの税務の仕事を引き受けたのであるが、約束したことを守ってもらえない。ウソをついて平気な顔をしている。お金に対する考え方が全く異なっており、異星人と接しているようであった。  それでも税務は数字であり、数字だけはウソをつかないので、なんとか国税局との交渉だけは終結することができた。しかし、仕事の達成感を得ることのできない、なんとも後味の悪い […]

400年に一度のチャンス -号外6

***-菅直人首相にエールを送る  菅首相に対するバッシングがますますひどくなってきた。与野党挙げて、菅氏を首相の座から引きずり降ろすのに躍起になっている。新聞もテレビも寄ってたかって菅首相を非難し、世論を操るのに懸命だ。  菅直人氏は文字通り四面楚歌の中、頑として辞任しようとはしない。私は一度エールを送った(「400年に一度のチャンス -23」参照)が、再びエールを送り、菅首相を激励したい。   […]

400年に一度のチャンス -26

***26.パラダイムの転換と新しい経済学の樹立③  一国の経済を会計的手法で把握すること、実はこれに類した試みがこれまでになされてこなかった訳ではない。  ヨーロッパの一部の経済学者(たとえば、E.シュナイダー)は、実際に複式簿記の手法によって一国の経済を説明しようとしていたし、我が国においても、近年、国だけでなく、地方自治体も複式簿記の手法を用いて経済・財政の説明を試みている。  しかし、日本 […]

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