前代未聞の猿芝居―㉔

  1.  50,068,300円という脱税額は、本件脱税事件の「訴因」(そいん。刑事訴訟法上、検察官が起訴状に審理の対象となる事実を犯罪の構成要件に当てはめて記載したもの。検察官による事実の主張。-広辞苑)の中核をなすものであった。
    その「訴因」の要(かなめ)がデタラメなものであった。即ち、虚偽のものであった。-これが前回までの結論である。

    「訴因」の中核をなす5千万円という金額は、国税査察官の調査に基づいて算定されたもので、法的に確定された金額ではない。仮の金額であり、法的に無意味である。
    国税査察官には課税標準(所得)及び税額の調査権限が与えられていない。調査権限のない者が、調査権限があるかのように偽って税額を算定したとしても無意味である。虚偽の数字以外の何物でもない。

    上記は、筆者の(「冤罪を証明する定理(山根定理)」)に基づく主張である。本稿の始めのところで掲げたものだ。

    しかし、稿を進めていくうちに様子が変ってきた。必ずしも「冤罪を証明する定理(山根定理)」を援用しなくともよくなったのである。全く別の側面が浮上してきたからだ。即ち、検察が法廷に提出している証拠の証拠能力が、果してあるのかということだ。
    このような別の問題点が浮上してきたのは、筆者を抹殺するために送り込まれた刺客・伊藤秀之税理士と非行査察官・山持昌之主査の2人が、この一年半もの間、バレバレの裏工作をしたからである。2人の足跡を克明に辿った結果、それだけで、検察官が起訴状で示した「訴因」がもろくも崩れていったからだ。
    前代未聞の猿芝居の総元締め・重藤哲郎・広島国税局長(「前代未聞の猿芝居-⑪」「前代未聞の猿芝居-⑮」「前代未聞の猿芝居-⑲」)が策に溺れたのである。
    国税庁の幹部職員であるこのキャリア官僚は、策に溺れて自滅の道を辿ることになろう。

  1.  刑事訴訟法上の法理に、違法収集証拠排除法則がある。証拠の収集手続が違法であったとき、公判手続上の事実認定においてその証拠能力を否定する法理である(フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」)。本件の場合、この法理がズバリ適用されることになろう。 広島国税局の査察官・山持昌之主査が、A社とA社の取引先に対して、
    「素直に査察調査に協力しないと逮捕されるぞ!」

    と申し向け威嚇していた事実は、A社とその関係者による克明な記録から判っていたことだ。もちろん、査察官による逮捕をチラつかせた威嚇行為は、禁止されている。それが密(ひそ)かに行われていたということだ。
    ところが、実際にA社の社長夫人が逮捕されてから様相が一変する。裏で威嚇していた事実が表に飛び出してきたのである。

    「素直に査察調査に協力しなかったから逮捕した」

    旨を、A社の社長夫人は、松江地検の金原健太検事から、A社の社長は、社長夫人を逮捕にきた松江地検の丸山潤検事に同行していた査察官から、それぞれ直接聞いている(「前代未聞の猿芝居-⑭」「前代未聞の猿芝居-㉑」)。

    A社脱税事件に関して検察官から提出された「証拠等関係カード甲」の番号1の告発書、番号2,3の脱税額計算書、番号7のほ脱所得税額計算書をはじめ、脱税額計算書の内訳書である番号8~番号17の証拠書類及び番号18,19の仮払金勘定明細書(以下、16通の証拠書類という)は、本件脱税事件の犯罪事実(犯則事実)を立証する上で、最も重要な証拠である。
    この16通の証拠書類が、

    「査察調査に協力的でなかったこと」

    を理由として、社長夫人等3人を逮捕した日(平成30年11月29日)以後に作成されている。一年ほどの間、「調査に協力しないと逮捕するぞ!」と申し向けて脅し上げ、実際に、逮捕の要件にはない「調査に協力的でなかったこと」を理由に逮捕に及び、逮捕した後に16通の証拠書類が作成されているのである。このような証拠書類(検甲1.~3.検甲7.~19.)に証拠能力など認められるはずがない。
    なかでも番号7の「ほ脱所得額算定の内訳書」にいたっては、本件が起訴された日(平成30年12月18日)より後に作成されている。泥縄式である。以下の通りである。

    16通の証拠書類の作成年月日

    [番号] [標目等] [作成年月日]
     1. 告発書 平成30年12月17日
     2. 脱税額計算書
    (平成28年1月期)
    平成30年12月17日
     3. 脱税額計算書
    (平成29年1月期)
    平成30年12月17日
     7. 報(ほ脱所得額算定の内訳書) 平成31年1月15日
     8. 売上高調査書 平成30年12月14日
     9. 材料仕入高調査書 平成30年12月14日
    10. 雑損失調査書 平成30年12月14日
    11. 事業税等認定損調査書 平成30年12月14日
    12. 寄附金の損金不算入額調査書 平成30年12月14日
    13. 欠損金又は災害損失金等
    の当期控除額調査書
    平成30年12月14日
    14. 申告欠損金調査書 平成30年12月14日
    15. その他所得より調査書 平成30年12月14日
    16. 所得税額及び欠損金の
    繰戻しによる還付金額等調査書
    平成30年12月14日
    17. 犯則所得調査書 平成30年12月14日
    18. 社長夫人勘定(仮勘定)調査書 平成30年12月14日
    19. 専務夫人勘定(仮勘定)調査書 平成30年12月14日

    上記の番号1.~3.まで、及び番号8.~17.までは、島村仁士査察官が作成し、番号7.は、上原修一検察事務官が作成し、番号18.19.は、梅谷公平査察官が作成している。番号18.19の括弧内の仮勘定という文言は、筆者が加えたものである。
    島村仁士及び梅谷公平の2人の査察官は、広島国税局調査査察部査察第四部門に所属する税務職員であり、査察第四部門の山持昌之総括主査の配下にある。

(この項つづく)

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