文明論的クリティーク、藤原肇さん

コメントNO.432とNO.433に関連して記します。

実は8月の初めにアメリカにいらっしゃるジャーナリストの藤原肇さんから手紙をいただきました。私の「冤罪を創る人々」を読んで下さり、励ましのエールを送って下さったのです。早速この方のホームページを開いてみたところ、極めて幅広い分野にわたって独得の鋭いタッチで考察されていることが分かりました。

藤原さんのことがもう少し詳しく知りたくなりましたので、この方の多くの著書の中で取り敢えず手に入る次の9冊をネットを利用して取り寄せました。

+オリンピア幻想(東明社)
+夜明け前の朝日(鹿砦社)
+理は利よりも強し(太陽企画出版)
+教科書では学べない超経済学(太陽企画出版)
+賢者のネジ(たまいらぼ出版)
+ジャパン・レボルーション(清流出版)
+21世紀を動かす想念力の驚異(東明社)
+宇宙巡礼(東明社)
+マクロメガ経済学の構造(東明社)
一通り目を通したものの、それぞれが相当以上に難しいもので、私の能力では簡単に理解できるものではありませんでした。ただ、現代日本において多分にタブー視されている多くのことがら(暴力団、半島、同和、ホモの闇の勢力、政治家のスキャンダルなど)について、ズバリと明快に切り込んでいく筆法には眼を瞠る思いがしました。右顧左眄(うこさべん)するジャーナリストがひしめいている日本にあって、藤原さんはユニークな文明論を基軸にすえて日本と世界の現状を分析し、将来の姿を展望し、その上敢然としてタブーに挑んでいく気鋭のジャーナリストであり、クリティークであると拝察しました。文明論的クリティークとでも言えるでしょうか。
藤原さんは生活の基盤をアメリカでのご専門の石油ビジネスにおいていらっしゃるようで、いわゆる売文の徒とは無縁の存在のようです。このために、誰に阿(おもね)ることなく、自ら信ずるところをストレートに発信することができるのでしょう。
再度じっくり読み込んでからお手紙の返事を書こうと思っていましたが、とうとう手紙を出しそびれてしまい今日に至りました。藤原さんには誠に申し訳なく思っています。

コメントNO.433に記されていた藤原さんの近著、「小泉純一郎と日本の病理」(光文社ペーパーバックス、2005年10月30日刊行)を早速購入し、眼を通してみました。
この本は私がすでに買い求めた9冊の本とは全く異なり、難解さが影をひそめ、極めて読み易くしてあります。
その最大の理由は、藤原さんがお書きになった原稿を光文社の編集者が大幅に手直しをした(藤原さんによれば、“多忙な編集長が1ヶ月半も費やし、私の油絵を日本画風に描き直した。”)ことにあるようです。
その為でしょうか、私のブログ“ホリエモンの錬金術”からの引用と思われる1440という数字が誤って使われています。
この1440倍という数字は、ホリエモンの詐術の中核をなすもので、私の所論の中心的なものでした。
つまり、1440倍というのは、ホリエモンが自分の会社(ライブドアの前身であるオン・ザ・エッヂ)を偽って上場させるために、会社の評価をフーセンのように1440倍にもふくらませたことを指しています。もちろん違法行為です。一年足らずの間に、一株5万円の株式の評価を事実上一株7200万円へと、1440倍も引き上げたことをブログで指摘したのです。この間、会社の主要メンバーが欠落していったこともあって、業績が悪化しつつあったにも拘らず、逆に会社の評価を破天荒なまでにつり上げるというにわかには信じ難いトリックが株式市場を舞台に繰り広げられました。

藤原さんの著書の中では、

「ちょうどこの頃、日本では詐欺商法で沸き立ち、ライブドア社長のホリエモンがニッポン放送に買収をかけ、マスコミが大いに騒ぎ立てていた。しかし、これは株を使ったスケールの小さな紙屑投機であり、一株を短期間に1440株に分割するマジックが、錬金術の手口として使われていた。」(同書、P.254)

と、株式分割に関する数字として使われています。
ライブドアは、この5年程の間に株式の36万分割(上場後は3万分割)という荒技をやっているのは事実ですが、1440分割というのはどこにも出てこないのです。
出典が明示されていませんので私のブログからの引用であるかどうか定かではありません。ただ、ホリエモンのトリックの中核として上場時に会社の評価を無理矢理1440倍にふくらませた違法な事実を指摘したのは、私以外には見当りませんので、おそらく私のブログを参考にされたのでしょう。
いずれにせよ、この度の著書は小泉純一郎という時の人をテーマにした緊急性のあるものだけに、このような出典不明示とか点検ミスが生じたのでしょう。

ご両親のお墓が松江市にあり、毎年お墓参りをなさると手紙にありました。手紙に記されていたお寺は私の自宅の近くにあり、日常の散歩コースにありますので、あるいはいつの日かお目にかかることができるかもしれません。
世界中を飛び回って活躍されている藤原さんが、ご両親のお墓参りに毎年松江までお越しになるというのですから、私はこのことだけでも頭の下がる思いがいたします。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“舌抜きを議員ずらりと待つ地獄” -松江、安部要介。

(毎日新聞:平成17年11月1日号より)

(ライオン宰相は何枚の舌を用意しておけばいいのかな?-“舌抜きをしすぎてグッタリ閻魔様”。)

3362700+ 1,423 total views,  3 views today