トチ狂った大阪地検特捜部-②

 脱税とされた4億円余りに対して、加算税が賦課されていない。重加算税が賦課されていないだけでなく、あろうことか過少申告加算税さえも賦課されていない。

 これは一体何ごとであるか。この不可解な事情については課税庁に問い合わせるしかない。

 私は早速、原処分庁である所轄税務署と、税金の徴収が移管された大阪国税局にまで赴き、それぞれの責任者に面談した。結果、概ねその実情が判明。

 ここに「概ね」というのは、重加算税だけでなく過少申告加算税も賦課されていないことだけは明確になったが、それに付随するもろもろの裏事情については税務職員が口をつぐんで答えようとしなかったからだ。これは国税当局のいつものやり方だ。私はこんなことで引っ込む男ではない。いずれ、裏の事情が出てくるはずである。

 まず、本件では修正申告がなされている。国税通則法第24条の「調査」がなされていない自主申告である。従って、過少申告の事実、即ち、当初申告額と更正(更正を予知してなされた修正申告を含む)後の所得額との差額(増差額)が存在しない。「税を免れた」というのは、過少申告があったことをいうのであるから、過少申告がなかったということは、「税を免れた」事実が存在しないことを意味する。

 尚、「税を免れた」とは、「法定納期限の徒過」とするのが判例、学説の立場であるが、誤っている(「査察Gメンを犯罪人として告発!!-⑪~」)。「税を免れた」とは、国税通則法、通達によって明確に示されている。つまり、過少申告の事実、即ち、当初申告額(課税標準額及び税額)と更正(更正を予知してなされた修正申告を含む)後の課税標準と税額とのそれぞれの差額(俗に“増差額”)の存在をいうものとされている。租税法律主義を採用する我が国では、これが「税を免れたこと」の真実の意味合いだ。断じて「法定納期限の徒過」ではない。

 過少申告の事実が存在しないことから、所轄税務署によって過少申告加算税が賦課されていない。
 修正申告がなされて新たに支払うべきこととなった税金の額は4億円余りである。徴収の取り扱いは、国税通則法第45条5項によって所轄税務署から大阪国税局長へと移管され、大阪国税局長の「行政指導」によって、被告人(相続人)に対して支払の督促がなされている。どのような理由で国税通則法第45条5項が適用されたのか、また、何故「行政処分」ではなく「行政指導」なのか、現在までのところ局、署の担当者はともに明らかにしていない。
 この修正申告(自主申告)は、当初申告を行ったA会計士(被告人)ではなく、大阪国税局OB税理士が代理人として行っているので、外部には公表することのできない裏事情があるのであろう。しかも、このОB税理士を操っているのは、第一審の弁護人である大阪地検ОB弁護士だ。いずれ、とんでもない裏事情が明らかになるはずだ。

(この項つづく)

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