民主党政権の置き土産-偽りの査察調査-⑨

 3.の福岡国税局の査察調査は、相続税についてのものだ。

 平成24年2月に査察が開始され、1年半が経過した現在も調査が続いている。二人の相続人(女性)がかわるがわる福岡国税局まで呼びつけられ、拷問に等しい取り調べが延々と続いているのである。

 取り調べの場所は、窓のない狭い密閉された部屋だ。東京国税局の拷問部屋(図面)と同様のものである。



 私が相続人の一人から相談を受けたのは昨年の10月である。査察のガサ入れからすでに8ヶ月が経過していた。

 私は査察調査を受けている相続人とその家族から直接話を聞いただけではない。取調べの状況を記した記録にも目を通した。ガサ入れの当初から、全ての調査日について、どのような調査がなされたのか、克明に記録されたノートであり、100ページにも及ぶ記録であった。それは、「強制調査ノート」に匹敵する内容を備えていた。

「脱税は国家をあざむく犯罪だ。」
「お前は犯罪人だ。」
「脱税は殺人と同じ犯罪だ。」
「反省の色がない。」
「母親(被相続人)が生前におかしなことをやっている。殺人のような犯罪を平気でできるのは、母親のDNAを受け継いでいるからだ。」

 来る日も来る日も、二人、ときには三人の査察官から、聞くに堪えない罵詈雑言を大声で浴びせられた。それも朝から夜遅くまで、施錠した狭い密室の中で、耳もとでどなりつけられたのである。
 相続人は二人とも体調を崩し、取調中に貧血で卒倒したり、血尿がでたりするほどであった。血圧が急上昇して脳内出血一歩手前までいくこともあった。二人とも何回も病院に駆け込み、医師の診断書を査察官に提出したが、

「そんなもの、関係ない」

とばかりに無視され、

「素直に自白しろ、隠さずに白状しろ」

の一点張りであり、拷問的取調べが続行された。

 白状しろと言われても白状のしようがない。過去の事実を記憶の通りありのままに申し述べても、それではいけないと叱られる。
 要するに、査察官が予め組み立てた脱税ストーリーに沿って申述せよということだ。偽りの事実を、真実であるかのように、自白することが繰り返し強要されたのである。

 以上は私が関与する前のことであるが、私が税務代理人として関与してからも全く変ることがなかった。
 それどころではない。私が査察官に対して、

「無理な取調べはやめて欲しい。過去の事実に反することを脅したり騙したりして、自白させて、質問てん末書を作るようなことはしないで欲しい。」

と申し向けたり、あるいは、

「予納と称して、すでに1億円ほど相続税を納付させているが、おかしいではないか。納付書には「修正申告」分として納付したことになっている。これは、税額で最低でも一億円の修正申告をすることが予定されていることを意味する。このようなことを査察調査ですること自体、おかしいではないか。」

と疑義を申し向けたりしたところ、査察官が、逆上してしまった。痛いところを突かれたのであろう。
 それ以降、私との話し合いを頑なに拒絶し、私の排除にかかった。

「山根は田舎の税理士で、予納の制度について知らなかった。このような税理士を信頼しているとタイヘンなことになるよ。早く納めるべき税金は納めて、スッキリしたらどうだ。
 山根税理士には何の責任もないから気楽なものだ。山根にこのまま従っていると、とんでもないトバッチリがくるよ。全ての責任は、全部自分でかぶることになるだろう。」

 私を嫌疑者から引き離すために、私を誹謗中傷して露骨な妨害工作をした上で、あろうことか、検察官まで引っぱり出してきた。二人の相続人が、福岡地検に出頭を命じられて、検察官の取調べを受けることになったのである。この検察官は女性であり、「つかべ」と名乗った。平成25年5月××日のことだ。恫喝であり、強烈な揺さぶりである。

 この二人の相続人、検察官ときいて腰を抜かしてしまった。いよいよ来るべきものがきた。逮捕が現実のものとなったと思い込んだのである。
 しかし、この取調べは逮捕を予定したものではなかった。これまでの査察官と同様に、

「悪いことをしていて、何も知らないと言い通し、罪を免れようとしている」

と極めつけ、終止犯罪人扱いであったという。検察官が、査察官の尻馬に乗って、事実に反する嘘の自白と私からの離反を指嗾(しそう。指図してそそのかすこと。―広辞苑)したのである。逮捕をチラつかせた、ヤクザ顔負けの恫喝であった。
 この案件の経緯については、相続人が克明に記したノートが残っているだけではない。私が関与してから後は、査察官の全ての言動が録音されて残っている。その録音記録のうち、私(税務代理人)と査察官とのやりとりの一部を号外2で公開する。
 その後、二人の相続人のうちの一人は、私との関係を絶ち、検察官とタッグマッチを組んだ査察官の脅しに屈してしまった。査察官の言うがままに嘘の供述を行ない、それを盛り込んだ修正申告に応じたものと思われるが、未確認である。

(この項つづく)

***【追記】
 本稿は平成25年8月15日までに完成していたものであるところ、同年8月29日に至って突然、福岡国税局の担当査察官、中村公栄主査(福岡国税局092-411-0031、内線2324)から電話があり、

「査察調査は中止し、告発はしないことにした」

旨の通告があった。
 告発断念の理由を問い質したところ、中村主査からは、

「理由は言えない。言う必要はない」

といった高飛車な回答があった。
 一年半にもわたって、2人の相続人だけでなく家族全員を、極悪な犯罪人扱いして振り回し、10人近くの無辜(むこ)の人達に文字通り地獄の苦しみを与えてきた査察調査だ。
 査察調査を中止し、告発を断念したというのであれば、公務として行なった以上、当然のことながら、これまでの査察調査が一体何であったのか説明し、調査中止と告発断念の理由を明らかにすべきである。その上で、仮に国税当局に非があるならば、嫌疑者に謝罪すべきである。

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。

“数よりも歳費半減すれば良い” -大阪、そよ風

(毎日新聞、平成25年8月11日付、仲畑流万能川柳より)

(自民独裁政権が復活してから、政治資金という名のワイロが大手を振って復活の気配。国土強靭化と称して10年間で200兆円の大盤振舞いをしようとする裏には、自民党のお家芸のキック・バック(ワイロ)の存在が見え隠れ。野党に転落して100億円もの借金を抱えて破産状態であった自民党。欠食児童が久しぶりのゴチソウにありついて、なりふり構わずにむしゃぶり食っている構図。そろそろ消化不良の徴候が。)

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