2008年

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100年に1度のチャンス -11

 このたびの金融危機とイラク戦争によって日本が被(こうむ)った損害を、仮に100兆円とした場合(私は最大限で100兆円と考えています)について、それが何を意味するのか考えてみましょう。  まず言えることは、この金額は、日本の純資産(富)2,716兆円の4%に相当することです。仮に100兆円が消えてなくなったとしても、残りの96%である2,616兆円は依然として残っているのです。  更には、2年前の […]

100年に1度のチャンス -10

 このたびの金融危機については、多くの専門家と称する人達がピント外れのことを騒ぎたて、ゴミくず同然の本が次から次へと出版されています。その中にあって、真に読むに値する本が出版されました。榊原英資 著 「間違いだらけの経済政策」(日経プレミアシリーズ)です。平易な書き方ながらも通俗に堕すことなく、正鵠(せいこく)を射た時代認識をもとにして、明解な自論が展開されています。見事です。  榊原氏に関しては […]

100年に1度のチャンス -9

 ここで一息いれて、これまでの話をまとめておきます。 +9月のリーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに、アメリカのサブプライム・ローンなどのインチキが露呈し、世界規模の金融危機が懸念されるに至った。 +今回の金融危機の原因は、アメリカが主導したイラク戦争とアメリカの金融機関が世界中にバラ撒いた詐欺的な金融商品にあった。 +イラク戦争によって全世界で500兆円の富の費消がなされ、イラクの国土は壊滅 […]

100年に1度のチャンス -8

 ウェルス・レポートと同じような富裕層マーケットについての調査が、より分かりやすい形で日本の証券会社グループによってもなされています(2008年10月1日、株式会社野村総合研究所(NRI)による富裕層マーケットの動向分析。以下、NRIレポートといいます)。  NRIレポートでも金融資産を取り上げているのですが、ウェルス・レポートとは異なり、金融資産のみに絞っており、商業用不動産、投資用不動産は含ま […]

100年に1度のチャンス -号外

 新聞の投書欄に、美人ならぬトンデモ総理を揶揄(やゆ)した、面白い替え歌が載っていました、-末期症状“しゃべりゃ失言  読ませりゃ誤読  歩く姿はバー通い -国民                                                 麻生首相さま” -和泉、ガンちゃん。(朝日新聞、平成20年11月29日号、「かたえくぼ」より)  たしかに今の総理大臣は失言の多さでは歴代総 […]

100年に1度のチャンス -7

 日本の国全体の純資産は、2年ほど前の平成18年末で、 -2,716兆円。 現時点で考えてもそれほどの変化はないでしょうから、概ね2,700兆円と見ていいでしょう。  この純資産2,716兆円の内訳を見てみますと、興味深いことが明らかになります。 ^^t ^cx” colspan=”2^(純資産2,716兆円の内訳) ^^ ^1.一般企業 ^rr^332兆円 ^^ ^2.金 […]

100年に1度のチャンス -6

 内閣府作成の国民経済計算(以下、経済計算といいます)によれば、平成18年12月末日の日本国の財務状況は次の通りです。仔細に検討すれば、相当以上に怪しげなシロモノですが、ここでは取り敢えず、この経済計算が正しいものであると仮定して話を進めます。 ^^t^cc” colspan=”4^日本国の貸借対照表 (平成18年暦年末現在)^^^cx” colspan= […]

100年に1度のチャンス -5

 話を、全世界が受けた1,000兆円の損害に戻します。とりあえずここでは、日本だけに焦点を合わせて考えてみることにいたします。  まず、日本が受けた損害についてですが、世界全体の10%、つまり100兆円と仮定します。イラク戦争で日本が既に負担したお金は、スティグリッツ教授の試算によれば30兆円でしたから、この金額を差し引いた残りは70兆円。ちなみに、この30兆円の負担は対外的には支払いが既に完了し […]

100年に1度のチャンス -4

 これまでの話をまとめてみますと、- +アメリカが中心となって引き起こした、2つのトラブル、イラク戦争と金融危機をお金の側面から見た場合、それぞれが500兆円、合わせて1,000兆円の損害を全世界に与えた、 +この1,000兆円の損害の内訳を見てみますと、イラク戦争によって、破壊するためだけに費消された「モノ」を300兆円とすれば残りの200兆円は、誰かが不当な利益として既にフトコロに入れた勘定に […]

100年に1度のチャンス -3

 この1,000兆円、一体どうなったのでしょうか。  まず、イラク戦争の500兆円について。  この500兆円の大半は、アメリカを中心とする欧米の軍需産業に流れたことは明らかです。お金の流れはこの通りですが、「モノ」についてはどうでしょうか。戦争という破壊行為ですから、イラク戦争に投入された多くの「モノ」は、イラクのインフラを壊し、多くの人々を殺したり傷つけたりするためだけに費消されており、単なる […]

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