ゲームとしての犯罪 -号外6

昨年のニッポン放送株買取資金として、800億円の資金をライブドアに提供したリーマン・ブラザーズ証券会社グループ(以下、リーマン・ブラザーズ)は、二ヶ月余りの短期間のうちに150億円もの荒稼ぎをしたと言われています。

この150億円は、一般投資家の犠牲によるものと考えられますので、公表された資料をもとに、金額の検証をしてみます。



私の手許にある次の4つの資料を手がかりにして、リーマン・ブラザーズが、実際にはいくら稼いだのか推計いたします。

+リーマン・ブラザーズ証券会社東京支店(日本における代表者、桂木明夫)提出の株券の大量保有変更報告書(12枚。他に3枚の委任状付。平成17年4月1日付のもの)
+株式会社ライブドアのプレスリリース“2010年満期ユーロ建転換社債型新株予約権付社債発行に関するお知らせ”(6枚。平成17年2月8日付のもの)
+株式会社ライブドアの株価と出来高の推移表(自平成17年2月1日、至同年4月30日、 http://finance.livedoor.com/ )
+株式会社ライブドアの第10期(自平成16年10月1日、至平成17年9月30日)有価証券報告書、「発行済株式総数、資本金等の推移」P.34~P.41、「大株主の状況」P.42。
リーマン・ブラザーズが、昨年の2月から3月の間にライブドア株を市場取引で売却したのは次の通りです。

***<ライブドア株売却の明細>
^^t
^
^cc”^売却日
^cc”^売却株数(株)
^cc”^単価(円)
^cc”^売却金額(円)
^^
^1
^H17.2.14
^rr”^2,000,000
^rr”^411
^rr”^822,000,000
^^
^2
^H17.2.15
^rr”^801,580
^rr”^372
^rr”^298,187,760
^^
^3
^H17.2.28
^rr”^6,000,000
^rr”^365
^rr”^2,190,000,000
^^
^4
^H17.3.01
^rr”^5,000,000
^rr”^363
^rr”^1,815,000,000
^^
^5
^H17.3.02
^rr”^2,676,786
^rr”^363
^rr”^971,673,318
^^
^6
^H17.3.03
^rr”^2,744,349
^rr”^355
^rr”^974,243,895
^^
^7
^H17.3.04
^rr”^5,000,000
^rr”^346
^rr”^1,730,000,000
^^
^8
^H17.3.07
^rr”^5,900,000
^rr”^324
^rr”^1,911,600,000
^^
^9
^H17.3.08
^rr”^5,000,000
^rr”^315
^rr”^1,575,000,000
^^
^10
^H17.3.09
^rr”^2,500,000
^rr”^328
^rr”^820,000,000
^^
^11
^H17.3.10
^rr”^4,533,495
^rr”^330
^rr”^1,496,053,350
^^
^12
^H17.3.11
^rr”^1,135,505
^rr”^338
^rr”^383,800,690
^^
^13
^H17.3.14
^rr”^63,735,862
^rr”^350
^rr”^22,307,551,700
^^
^14
^H17.3.15
^rr”^14,004,088
^rr”^335
^rr”^4,691,369,480
^^
^15
^H17.3.16
^rr”^15,250,000
^rr”^341
^rr”^5,200,250,000
^^
^16
^H17.3.17
^rr”^20,000,000
^rr”^337
^rr”^6,740,000,000
^^
^17
^H17.3.18
^rr”^17,500,000
^rr”^368
^rr”^6,440,000,000
^^
^18
^H17.3.22
^rr”^10,000,000
^rr”^381
^rr”^3,810,000,000
^^
^19
^H17.3.23
^rr”^18,286,331
^rr”^366
^rr”^6,692,797,146
^^
^20
^H17.3.24
^rr”^20,550,758
^rr”^369
^rr”^7,583,229,702
^^
^
^cc”^合計
^rr”^222,618,754
^
^rr”^78,452,757,041
^^/
(注)その日の終値をもって売却単価とみなした。

つまり、リーマン・ブラザーズは、平成17年2月14日から同年3月24日までの間に、222,618千株のライブドア株を売却し、784億円手にしています。

リーマン・ブラザーズが、800億円のMSCBを全て株式に転換し、手にした株数は268,947千株(「ゲームとしての犯罪-3」参照のこと)でしたから、この時点で売却しないで手持ちしている株数は46,329千株(268,947千株-222,618千株)ということになります。
この46,329千株については、いつ、いくらで売却されたのか、情報が開示されていませんので分かりません。ただ、平成17年9月30日現在の上位10位までの大株主の中にリーマン・ブラザーズが見あたりませんので、この日までに全て売却されたものと考え、かつ、平均売却単価を350円として計算してみますと、残りの株で162億円(46,329千株×350円)手にしたことになります。
222,618千株分の784億円と46,329千株分の162億円を加えますと、合計で946億円となります。
この946億円のコストは800億円ですから、差し引き146億円(946億円-800億円)となり、世上言われている150億円に近い数字になります。尚、リーマン・ブラザーズの荒稼ぎの実態については、稿を改めて詳しく分析する予定です。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“ヒルズにも普通の会社あるのだろ” -大阪、久保逸子。

 

(毎日新聞:平成18年3月24日号より)

(もしかしたら、あるのかもしれません、一つや二つ。)

 

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