疑惑のフジテレビ -12

日枝久氏をはじめフジテレビの経営陣は、ライブドアが粉飾決算をしていた事実、しかも上場廃止に結びつくほど重大な粉飾決算をしていた事実について、昨年のデューデリを終えた時点では、十二分に知りうる立場にあったと思われます。



これまで述べてきたことをまとめる形でその理由を列挙してみますと、

+ ライブドアの上場以来の決算書は、会計のプロが作成したものではなく、初歩的な誤りがいたるところに見受けられる、極めてオソマツなものであったこと。上場直後の第5期(平成12年9月期)こそ連結、単体ともに赤字を計上していますが、その後の第6期~第9期については全て利益がプラスとして計上されています。しかし、その実態は、各期とも赤字であることが推測され、ツジツマ合わせの決算がデッチ上げられています。決算のやり方が余りにも稚拙なものであるため、外部からインチキが透けて見えるのです。まるで見てくれと言わんばかりに、いたるところに粉飾の足跡が残されているのです。ドジな犯人が、犯行現場のあちこちに、指紋を残したり、足跡を残したりしているようなものです。
+ 全社挙げての工作ではなく、会社のごく一部の人が粉飾にかかわっていると思われること。ライブドアの場合は、企業会計に無知な人物がいわばゲーム感覚で毎期の決算書を作成していたようです。熟練の経理マンが会社の命運をかけて全社的な規模で粉飾決算を敢行する場合、会計監査人が粉飾に気付くのは容易なことではなく、ましてや、有報を外部から分析しただけではとても分かるものではありません。
+ フジテレビは、5月23日に契約をするまでに、昨年の2月以降、3ヶ月もの期間があり、会社としてライブドアの調査が十分にできたことに加え、直前の一ヶ月間は、外部の専門家によるデューデリまでしていること。ことに、デューデリは単なる外部調査ではなく、当事者間の契約に基づくものですから、経営責任者に直接質問ができ、重要な経営資料の提示を求めることができます。子供だましのようなインチキ決算書に気付かないはずがありません。
+ 1.~3.を総合的に考えて、決算書のゴマカシは、有報の単なる訂正報告書で済むレベルではなく、上場基準に抵触するほど重大な粉飾がなされていることが分からないことは極めて不自然であること。
このように、ライブドアの決算書のゴマカシの疑いは、このたびの検察が立件したように、単に第9期だけの問題ではなく、上場以来の全ての決算期(第5期~第9期)に及ぶものです。
元首相の橋本龍太郎さんが、日歯連から一億円の政治献金を受け取ったかどうかについて、「憶えていない」を連発したことを想い出します。このような見え透いた言い逃れは、誰かの顔色をうかがい、本来の使命をどこかに置き忘れている現在の検察当局には通用するかもしれませんが、大多数の国民に通用するものではありません。
これと同様に、日枝さんをトップにいだくフジテレビが、ライブドア事件の被害者を装い、「だまされた。あんな会社だとは思わなかった」という、白々しい言い逃れをすることがどこまで通用するのでしょうか。

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ここで一句。

“記憶力失せたポマードただの人” -枚方、ただの人。

 

(毎日新聞:平成17年12月8日号より)

(テカテカとした頭の外側には認知症が及んでいないようで。)

 

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