冤罪を創る人々vol.97

2006年01月24日 第97号 発行部数:428部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-
http://consul.mz-style.com/catid/11

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●「引かれ者の小唄」 ― 勾留の日々とその後
http://consul.mz-style.com/catid/41

※「引かれ者の小唄」ですが、都合により今回配信いたしません。
ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21

・ 疑惑のフジテレビ -1

ライブドアが東京地検特捜部の強制捜索を受けてから、マスコミ
の動きを注視してきました。
あいもかわらず検察がリークする情報をスクープと称してタレ流
しています。しかも、大学教授、弁護士、エコノミスト、証券アナ
リストなどが、なんでも知っている専門家のような顔をして出てき
ては、トンチンカンな解説をしたり、明らかに誤った説明をしたり
しているのです。
この構図は、一年前のライブドアとフジテレビとのドンパチの時
と全く同じものです。出てくる自称専門家の顔ぶれも一年前とあま
り変っていません。この人たちは、専門家というよりタレントであ
り、便利屋なのでしょう。
アナウンサーとかキャスターなどがおかしな解説をするのはまだ
ご愛嬌ですが、専門家としての発言がトンチンカンであったり、ウ
ソであったりするとシャレにもなりません。国民に対して、誤った
情報をあたかも正しい情報であるかのように伝達することになり、
このたびライブドアが嫌疑をかけられている風説の流布(法に触れ
るかどうかは別にして)と同じようなことになってしまいます。

ライブドアに限らず、嫌疑をかけられた者に対してはどのような
ことを言ってもいいのでしょうか。検察からの情報であるからといっ
て、そのまま流してしまっていいのでしょうか。20年前の中江滋
樹氏(投資ジャーナル事件)、あるいは10年前の私自身の冤罪事
件の場合にも、明らかにウソの情報が検察から意図的にリークされ、
各マスコミはその偽りの情報を自らは検証することなくタレ流して
いたのです。
嫌疑者、容疑者といえども、法治国家である以上、守るべき人権
があることを忘れてはいけないでしょう。私自身が実際に逮捕され、
291日もの間拘留されて、筆舌に尽しがたい苦悩を体験しただけ
に、他人ごととは思えないのです。

昨日までは、時代の寵児とかIT企業の成功者とかいってさんざ
んもてはやしておいて、検察が強制捜索に着手するや手の平を返し
たように、寄ってたかって叩きのめそうとしています。
「溝に落ちた犬を叩く」ということわざがあるように、今回の場
合、日頃かわいがっていた犬が、ケガをして溝に落っこちたら、コ
ノヤローとばかりによってたかってブチのめすようなものです。
今のマスコミに、“報道における良識”を求めようとしても、山
に登って魚を求めるようなものでしょう。ましてや、“惻隠の情”
とか“武士の情”など、死語になっているどころか、マスコミの世
界には、あってはならないものなのでしょう。
マスコミとは一体何なのでしょうか。堀江貴文氏とライブドアの
虚像を、国民に向って今までもっともらしく喧伝したのは誰でしょ
うか。
仮に真実、法に触れることがあるとしたら、その責任は第一義的
には当然堀江氏とライブドアにあることはいうまでもありません。
しかし、堀江氏をIT企業のパイオニアとかいって持ち上げて、
ここまで増長させ、ライブドアの規模をここまで膨れ上がらせる役
割の一端を担ってきたのは、他ならぬマスコミなのです。ところが
一転して、まるで他人事のように、世紀の大悪人であるかのように
堀江氏とそのグループを批難しはじめたのですから、いつものパター
ンながら、ただ呆れるばかりです。

なかでもヒドイのはフジテレビです。他局に比べて、とりわけ張
り切っているようです。アナウンサーとかキャスターが、なんとな
くハシャイでいるように見えるのです。
日枝久会長の、してやったりというような顔付きのインタビュー
を見て、強烈な違和感を覚えたのは果して私だけでしょうか。
確かに昨年のドタバタ騒動の際に、堀江氏にキリキリ舞いをさせ
られ、煮え湯を飲まされた日枝氏にしてみれば、大いに溜飲が下がっ
たというところでしょう。
それにしても日枝久氏をトップとするフジテレビは、自らが今ま
で何をしてきたのかよく分っていないようです。困ったことですね。

<付記>
このところ各マスコミからの取材申し込みがきています。今後と
もブログ上で、その時々の私の思いを綴っていくつもりですので、
個別の取材については遠慮させていただきます。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“仕手筋とファンドの違いわからない” -吹田、かっぱんだ。
(毎日新聞:平成18年1月20日号より)

(「同じです。昔は総会屋ともいっていました。」-Mファンド代表)

 

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