冤罪を創る人々vol.38

2004年11月30日 第38号 発行部数:290部

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 「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-



    日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。

    マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。

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 山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ

 株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント

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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態



「2.教壇に立つ検事」より続く

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3.意見陳述



一、 平成15年2月19日、中村弁護人は、控訴審における最終弁

 論を行った。その後で、私は弁護人のアドバイスを受けて最終陳述

 を行なうべく、原稿を用意していた。

  しかし、前川豪志裁判長は、私の意見陳述を許可しなかった。

  以下は、当日準備したものの、法廷で読み上げることができなかっ

 た陳述書である。





              意見陳述

 

  公正証書原本不実記載、同行使の容疑で逮捕されてから、5年が

 経過しました。

  当時を振り返ってみるに、何故犯罪者として逮捕され、糾弾され

 なければならないのか、全く理解できませんでした。この5年間で、

 全ての事情が判明した現時点でも、全てについて冤罪以外の何もの

 でもないという思いは、強まることこそあれ変わることはありませ

 ん。



  千葉物件の売買が仮装であったとする検察当局の勝手な思い込み

 に端を発した1000万円の売買の登記については、第一審で当然

 のことながら無罪とされたものの、農地の売買登記と、賃貸借権設

 定の仮登記については、第一審で不当にも有罪とされてしまいまし

 た。農地の売買の登記については、私が農業者でないために、農業

 者である岡島信太郎さんに、私が農業者の資格を得るまでの間、私

 にかわって農地を取得してもらっただけのことであり、真実の所有

 者と登記上の所有者との間に全く相違がないものであります。農地

 法の上から農業者でない私は、形式的にはもちろん、実質的にも農

 地の所有者になることはできないからであります。



  賃借権の仮登記については、検事が5年前に私の自宅で逮捕状を

 私に提示したとき、何のことなのか事実についての記憶が全くなく、

 したがって全く理解ができなかったものです。

  その後、事実が判明するにつれて私の中に驚きを通り越して怒り

 がこみあげてきたことをまざまざと想い出します。



  権利証がない場合の実務上の便法として司法書士の業界で通常な

 されていたことを、専門家である司法書士のアドバイスによって行っ

 たことが懲役刑を伴う罪に問われたからであります。



  私が行ったことといえば、司法書士によって作成された書式に印

 鑑を押したことであり、当時、私は不動産登記法の詳しいことなど

 専門外のことであり、知る由もありませんでした。不動産登記に関

 する専門家である司法書士が、顧客に対して不正なこと、しかも懲

 役刑に問われるような不正なことを勧めるなどということは夢にも

 考えることができなかったのであります。



  しかも、「不正なこと」をアドバイスし、かつ全てのお膳立てを

 した当の司法書士は、逮捕されていないばかりか、この件に関して

 在宅起訴さえされていないのです。公正さに欠く検察当局の極めて

 恣意的なやり方について、私としては、とうてい納得できるもので

 はありません。



  次に、法人税法違反事件について申し述べます。逮捕当時、大型

 脱税事件の主犯として、担当検事によって、事実に反することがマ

 スコミに度々リークされ、その都度、私は悪徳公認会計士として全

 国に恥をさらすことになりました。当時の各新聞の切り抜きは現在

 私の手許にあり、当時いかに検察がデタラメな捜査をし、私を極悪

 人に仕立て上げるために敢えてウソの情報をマスコミに漏らしてい

 たのか、それらは生々しく物語ってくれます。





(続きはWebサイトにて)

http://www.mz-style.com/item/174





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●山根治blog (※山根治が日々考えること)

http://consul.mz-style.com/catid/21



「西武鉄道 銀行の責任逃れ-その1」より続く

http://www.mz-style.com/item/170



・西武鉄道 銀行の責任逃れ-その2



  そこでまず、”仰天の第一歩”について考えてみましょう。朝日

 新聞は、西武鉄道グループが前代未聞の不祥事を起こしておきなが

 ら、キチンとしたケジメをつけていない段階で他の市場に上場を図

 るのは道義的に見ておかしいのではないかと言っているようです。

 つまり、謹慎中の身でおとなしくしているのが普通であるのに、何

 ということをするか、といったいわば感情論であると言えるでしょ

 う。

  しかし、私にはこのような感情論には全く興味がありませんし、

 賛成できません。企業経営者の中には朝日の論調に違和感を覚える

 人が多いのではないでしょうか。



  企業経営者は、たとえ世間がどのように非難を浴びせようとも、

 真に企業体を守るためには法に触れない限り、あるいは多少法に触

 れるとしても覚悟の上で断固として突き進んでいくものです。この

 ような経営者の判断と行動に対して、感情論的に外部からとやかく

 言うのは筋違いですし、的を射たものとはならないでしょう。命が

 けで企業経営に取り組んでいる人にとっては、余計なお世話でしょ

 うし、インテリ評論家のたわ言として鼻であしらわれるのがオチで

 しょう。



  この点、日本経済新聞は、-



”西武はジャスダック上場を準備すると発表した。一般株主の影響な

 どを考えれば、あり得る選択だ。”(日本経済新聞、平成16年

 11月18日社説)



 と冷静です。その上で、日経は、コクド-西武鉄道グループのいび

 つなコーポレート・ガバナンス(企業統治)のあり方を問題視し、



”西武はコクドがいったん完全子会社化し、合体した上で、自己責任

 で自己決定できる独立した株式会社として再上場を目指すのが筋だ

 ろう”(同上)



 として、具体的に一つの方策を提示しています。



  私は、日経の論説子と同様に感情論を排する立場なのですが、日

 経がもっぱらコーポレート・ガバナンスに力点を置いているのに対

 して、一人の会計屋の立場から、グループの財務内容に力点を置い

 て論じてみようと思います。





(続きはWebサイトにて)

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