冤罪を創る人々vol.35

2004年11月09日 第35号 発行部数:264部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://www.mz-style.com/

【お知らせ】

以下のものはWebサイトでのみの公開となります。

●冤罪を創る人々

参考資料1 第三申述書
http://www.mz-style.com/item/160
参考資料2 手紙(平成11年6月)
http://www.mz-style.com/item/161
参考資料3 手紙(平成13年7月)
http://www.mz-style.com/item/162

●山根治blog

西武鉄道 グループの資金繰り-1
http://www.mz-style.com/item/152
西武鉄道 グループの資金繰り-2
http://www.mz-style.com/item/153
西武鉄道 グループの資金繰り-3
http://www.mz-style.com/item/156

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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態

「(ウ) 論告求刑」より続く
http://www.mz-style.com/item/149

(エ) 最終弁論と意見陳述

一、 平成10年3月24日に、検察官立石英生が行なった論告求刑
を受けて、私を含めた3人の被告人は、三人の弁護団と度々会合を
開き、最終弁論にそなえた。

二、 平成10年5月26日、第31回公判廷で、弁護側は509ペー
ジに及ぶ弁論要旨を準備して、最終弁論を行なった。中村寿夫主任
弁護人のほか、松原三朗及び大野敏之弁護人が立ち会った。

三、中村主任弁護人による最終弁論の陳述が終った後、私は意見陳述
を次のとおり行った、 ―

平成10年5月26日

意見陳述

裁判を終結するのに際して、一言申し上げます。

この事件の本質は、佐原良夫という詐欺師に私と組合とが騙され
たことにあります。そのような佐原という人物を見抜くことの出来
なかったのは私の不徳の致すところであり、その不明を深く恥じて
いる次第であります。私を心から信頼して下さった組合員の皆様に
はお詫びのしようもございません。

国税の査察が入ったり、三人の組合員の方々が逮捕までされ、連
日のようにあることないことがスキャンダラスに報道され、言葉に
言えない位のつらい思いをなさったことに思いをいたす時、組合の
方々に対して、深くお詫びを申し上げると共に、この償いは私の一
生をかけてさせていただく所存でございます。

また、私の部下として、私を信頼して忠実に職務を果たして下さっ
た小島さんまでが逮捕され、起訴されるに至り、結果的に多大なご
迷惑をおかけしたことは、誠に心苦しく、この場で改めて、深くお
詫びする次第であります。

更に、三百日近くも拘留され、社会的に大きな汚名を着せられた
私に対して、従来と変わることなく、私の事務所から離れることな
く、仕事を依頼して下さっている数多くのクライアントの皆様には
感謝の気持ちで一杯です。

国税当局はともかくとして、私がこれまで厳正かつ公正であると
信じきっていた検察当局までが、私の必死の説明を全て無視する形
で起訴をし、偽りの事実を構築してまで、私と組合とをムリヤリ断
罪しようとしていることに関しては、ただただ唖然として申し上げ
る言葉もございません。起訴をする前に、今一度冷静に真実を見据
えてもらえなかったことが返す返すも残念であります。

私は日本における裁判制度を信じています。この事件では、何ら
隠されているものはなく、その全てが法廷にさらけ出され、明らか
になっています。事実を事実として捉え、公正な裁きがなされるこ
とを固く信じていることを申し上げ、意見陳述を終わります。

山根 治

四、 平成10年10月15日、第32回公判廷で、検察は論告要旨
の補充を行ない、弁護側も弁論要旨の補充を行なって、結審した。
判決の宣告は、平成11年1月19日とされていたが、同年2月
25日に変更された。その後、更に、同年5月13日へと再度変更
された。

(「(オ) 判決」はWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/159

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21

・「堤商店」のトリック

堤義明さんは、二代目としては珍しいカリスマ性を持った経営者
で、バブル経済の崩壊を力強く乗り切ってバリバリ突き進んでいる
豪腕の持主であると単純に思い込んでいました。

ところが、堤さんは経営情報の中でも極めて重要なものである大
株主に関する情報を、長年にわたって偽って公表していた事実を自
ら明らかにし、記者の『上場廃止になる可能性があるようですが』
という質問に答えて、『仮に上場廃止になっても決して株主に迷惑
をかけることはない』と開き直り、『そもそもなぜ西武鉄道を上場
しなければならなかったのか私にはわからない』と言い放ったとい
うのです。
日本を代表する企業グループの一つである西武グループの総帥の
発言としては、余りにもオソマツで首をかしげざるをえないもので
したので、今までさほど関心を持っていなかった堤さんとその会社
についてもっと知りたくなりました。

早速、西武鉄道の決算書等(平成16年3月期の有価証券報告書)
を手許に取り寄せて、分析してみました。
私の分析の大要は、既に『ゴーイング・コンサーンの幻想-1~
6』『西武鉄道グループの資金繰り-1~3』でお話したところで
す。ちなみに、経営者の人となりを判断するには、その人の会社の
決算書を見るのが一番です。数字は正直なもので、決算書が喋り出
すんですね。

ゴーイング・コンサーンの幻想
http://www.mz-style.com/item/134
西武鉄道 グループの資金繰り
http://www.mz-style.com/item/152

西武鉄道の決算書類を、ソロバンと電卓とエンピツとを手にして
2~3日の間いじくり回して遊んでいたところ、夜中にヘンテコリ
ンな夢を見てしまいました。夢の中にいろいろな人達が出てきて、
勝手にワーワー喋り出したんです。

一組の夫婦が登場します。このカップルは、どうも女の力がはる
かに勝っていて、カカア天下のようでした。職人気質のオヤジは、
真面目にチマチマと日銭を稼いできては、カアチャンに残らず手渡
しています。オヤジを鵜(う)とすれば、カアチャンは鵜匠(うしょ
う)といったところでしょうか。我が家にも実は一人威張っている
鵜匠がいるようですが。
ところが、このカアチャンは我が家の鵜匠と違って、並のカアチャ
ンではありませんでした。なんと魔女だったのです。オヤジの稼ぎ
を、何だか分からないブラック・ボックスに投げ込んでは、何十倍
にも何百倍にも膨らましてしまう。カアチャンのブラック・ボック
スは、打出の小槌のようにいくらでもお金が湧き出してくる、何と
も不思議なものでした。

二人には、一男一女の子供がいました。お金が腐るほど湧いてく
るものですから、子供達は小さい頃から甘やかされて育ちお金は使
い放題という状態でした。
二人の子供達はスクスクと成長し、お金を使いまくっては遊ぶ、
堂々とした道楽息子と道楽娘になりました。

ところが、永久に続くと思われていた一家の華麗な生活は、一瞬
にして崩れていくことになりました。
世間にはカリスマ以上の魔女と思われていたカアチャンが、実は
トリックを用いて世間を欺いていたマジシャンであったことが、明
らかになったのです。
ブラック・ボックスの秘密が露呈されてしまってはもういけませ
ん。神通力がなくなってしまいました。
結果、一代の栄華を極めたこの一家は、住む家さえ失い、バラバ
ラに離散することになりました。

朝、眼が覚めて荒唐無稽な夢のことをツラツラと想い浮かべてい
たところ、一つのアナロジーに気がついて驚いてしまいました。

・ オヤジ   - 西武鉄道
・ カアチャン - コクド
・ 道楽息子  - 西武球団
・ 道楽娘   - プリンス・ホテル

堤義明というカリスマ風の経営者は、夢の中に出てきた、オヤジ
であり、カアチャンであり、道楽息子であり、道楽娘であったのか
もしれません。この人は、一人で4人の役割をしていたとも言える
訳で、まさに個人経営の「堤商店」と言われるゆえんなのでしょう。
夢とは異なり現実がどのように推移していくのか定かではありま
せんが、マジックと同様、トリックが明らかになってしまうと、な
んとも興ざめで白けてしまうものですね。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“カネだけじゃ球団買えぬとアノ方が?” -東京、中西晶洋
(毎日新聞:平成16年8月20日号より)

(オーナー仲間でナベツネさんと親しかった堤さん。では、とってお
きのトリックでも伝授してもらったらいかが、ライブ・ドアさん。)

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●姉妹誌「悪徳会計屋の経済事件ノート」
http://www.mz-style.com/item/154
(週刊・無料)

なぜ上場会社社長は国税局ロビーで壮絶なる自殺を選んだのか。
国税局OB税理士が納税者を食いものにする手口とは。税務署と
マスコミから悪徳会計士の烙印を押された会計のプロが税金法律
金融事件の深層に迫る。

※11月中旬~下旬より発行予定。

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