冤罪を創る人々vol.72

2005年07月26日 第72号 発行部数:401部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●(第七章)総括

「六.まとめ」より続く
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一.10年間の身分の変遷

この10年の間に、私は、国家の暴力装置から一方的に、あまり
ありがたくない称号を与えられてきた。
山根治であって、山根治ではない、 ― 今、振り返れば、何か不
思議な気持が支配していた10年間であった。私の置かれた立場が
変わるたびに、私の身分が変わり、呼び名が変わっていった。
いわば、身分の変遷を通して、この10年間を回顧する。

(1) 犯則嫌疑者 ― 脱税の疑いがある者 ―

一、 広島国税局の査察部門で、いつごろから私が犯則嫌疑者として
扱われていたのかについては知る由もない。
私の手許の記録として犯則嫌疑者がでてくる最も古いものは、広
島地方裁判所の藤原俊二裁判官が発行した臨検捜索差押許可状であ
る。平成5年9月24日の日付のものだ。
私は遅くともこの日から、犯則嫌疑者なる肩書を付けられること
となった。

二、 犯則嫌疑者 ― 一般の人には、ほとんどなじみのない言葉であ
ろう。
脱税を取締り、摘発することを目的に制定された法律として、
「国税犯則取締法」というのがある。明治33年3月17日に制定
(最近の改正は、昭和42年5月31日)された古色蒼然としたシ
ロモノであり、マルサの権限を規定している法律である。マルサの
間では「国犯法」(こっぱんほう)と略称されているものだ。
この法律の中に出てくるのが、犯則嫌疑者なる言葉である。刑事
訴訟法でいう「被疑者」と同じ意味合いのものである。

三、 「国犯法」は、刑事訴訟法とは異なり、「収税官吏」(通称、
査察官という。マルサのことである)の強大な権限が規定されており、
納税者側の権利については、全くといっていいほど配慮されていな
い。
収税官吏には、逮捕権こそないものの、それこそやろうと思えば、
何でも出来るようになっている。マルサの傍若無人のふるまいをサ
ポートする武器である。

四、 捜索令状が出されている犯則嫌疑者といえども、身柄が拘束さ
れているわけではない。収税官吏(マルサ)に逮捕権がないからで
ある。
つまり、犯則嫌疑者に対する質問検査は、任意であり、犯則嫌疑
者の了解がいる。従って、夜遅くまでつきあう必要はない。
私の場合、ガサ入れの初日、収税官吏の藤原孝行が腕まくりをし
て、「山根には、今日は夜遅くまでつきあってもらうことになる」
と申し渡したのに対して、「原則として夕方6時以降、仕事をする
習慣はない」として断り、夕方6時で調査を終えさせた経緯がある。

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
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「ホリエモンの錬金術 -19」より続く
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・ホリエモンの錬金術 -20

少なからぬ数の方々から、堀江貴文という人物を刑事告発すべき
ではないか、という意見をいただきました。ブログに寄せられたコ
メントとか、あるいは直接ファックスとかメールによって私のもと
に届いています。
中には、ある著名な方から一緒に告発しようという申し出さえあ
りました。
しかし、私の記事は公表されている資料をもとに、ホリエモンと
いう特異な人物の一つの側面を具体的な数字によって解明しようと
したものであり、決してそれ以上のものではありません。
従って、本名を名乗ってこられた方には、その都度、告発は私の
目的でもなければ、私の任でもないとして丁重にお断りしてきまし
た。
仮に、ホリエモンに真実、犯罪の疑いがあり、それが刑事告発に
相当するものであったとしても、告発は私の役回りではないと思っ
ているからです。
私自身がマルサと検察という国家権力によって不当な告発と訴追
をされて、冤罪で苦しんだ経験があるだけに、たとえどのような人
物であれ、軽々しく告発することなど考えることができないのです。
人が人を裁くことの不条理、つまり、現在の司法制度、ことに、
いいかげんな検察官と寝ぼけたような裁判官によって断罪されざる
を得ない不条理に強い疑問と不信感を抱いてしまったことが私の根
底にあるからでしょう。

私は34才の時に郷里の松江に帰り、会計事務所を開設しました。
30年ほど前のことです。
開設挨拶の返書に添えて、大学時代の恩師高橋泰蔵先生は、一幅
の書を寄せて下さいました。
味わい深い筆致の書に曰く、

“富與貴、是人之所欲也、不以其道得之、不處也”

(論語、里仁第四。“富と貴(たっと)きとは、是れ人の欲する所な
り。其の道を以てこれを得ざれば、処(お)らざるなり”-『富と
貴い身分とはこれはだれでも欲しがるものだ。しかし、それ相当の
方法(正しい勤勉や高潔な人格)で得たのでなければ、そこに安住
しない。』-読み下し文と現代語訳は、岩波文庫、金谷治訳注の
『論語』によっています。)

秀れた経済学者であると同時に、漢籍にも広く通じておられた先
生が、敢えて古典の中の古典といわれている論語の一節を選び、私
の再スタートのはなむけにして下さったのです。
友人の表具師に頼んで表装し、今に至るも私の座右銘にしている
ものです。
財産と社会的な地位は、正当な手段をもって手に入れたものでな
い限り、空しいものである、-今から2500年余り前の紀元前
552年に魯(ろ)の国に生を享けた孔子の言葉は、高橋泰蔵博士
という碩学の筆を通して私に伝えられ、私の心の中にしっかりと活
きています。

堀江貴文という異形の人物は、平成の時代に突然発生した珍しい
存在ではありません。歴史を辿ってみれば、悪知恵の限りを尽し、
巨万の富を築いた輩は、それこそ掃いて捨てるほどいます。どのよ
うに不正な手段を用いてでも、お金を稼ぐことができればよい、稼
ぐが勝ち、といった人種は、洋の東西を問わず古代から現代に至る
まで、それぞれの時代に数多く存在しているのです。
そのような類いの人種が、ITベンチャーの仮面をかぶって今の
世に存在しているとしても決して不思議ではありません。
このような怪しげな存在について、どのように考えたらいいでしょ
うか。社会的に許されない存在として、しかるべき社会的な制裁を
加え、社会から抹殺すべしという考えもあるでしょう。しかし、私
はこのような考え方に対して必ずしも賛同することはできません。
異分子を寄ってたかって直ちに排除しようとするのは、かえって
別の恐ろしささえを感じます。そのようなゴマカシの生き方が長く
続くものではないことは歴史が示していますので、それが自然に淘
汰されるまでの間、自由に泳ぐことを許している現在の日本社会
(私は自由、平和、平等の点において世界のトップクラスに位置し
ていると考えています)をこそ高く評価すべきでしょう。

ホリエモンだけでなく、IPO成金の中にはホリエモン以上に怪
しげな輩がかなりうごめいています。日本にはもともとヤクザなど
の異端者をいわば必要悪として受け入れる土壌がある上に、今の日
本社会はそれらのものをある程度許容できる経済規模に達しており、
直ちに目くじらを立てて排斥することもないでしょう。ある種のマ
スコミ、あるいは政治屋が錦の御旗として振りかざす安っぽい社会
正義は、かえって国家社会に別の意味で大きな害悪を与えることも
あるのですから。
現在までに、ホリエモンはライブドアという会社に1700億円
ほど資金を取り込み、自らの所有株を売却することによって個人的
に140億円ほど手に入れています。
この先、更に5000億円、あるいは1兆円の資金を手に入れる
かもしれないホリエモンとライブドアを想定してみますと、逆説的
な言い方をすれば日本のためにかえってプラスになるかもしれませ
ん。

(続きはWebサイトにて)
http://consul.mz-style.com/item/342

 

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