緊急告知!!“緑税務署長が1億円を強奪しようとしている”-②

 このたび新たに浮び上ってきた“ミッシング・リンク”、保全差押の条文(国税徴収法159条)は、主たるものが第1項に定められており、以下11項まで続く。

 

国税徴収法159条第一項
『納税義務があると認められる者が不正に国税を免かれ、または国税の還付を受けたことの嫌疑に基き、国税犯則取締法の規定による差押若しくは領置……を受けた場合において、その処分に係る国税の納付すべき額の確定(申告、更正又は決定による確定をいう)後においては、当該国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、当該国税の納付すべき額の確定前に、その確定をすると見込まれる国税の全額のうちその徴収を確保するためあらかじめ滞納処分を執行することを要すると認める金額(「保全差押金額」という)を決定することができる。この場合においては、徴収職員は、その金額を限度として、その者の財産を直ちに差し押えることができる。』
第二項。(略)
第三項。
『税務署長は、第一項の規定により保全差押金額を決定するときは、当該保全差押金額を、同項に規定する納税義務があると認められる者に書面で通知しなければならない。』
第四項。
『前項の通知をした場合において、その納税義務があると認められる者がその通知に係る保全差押金額に相当する担保として、国税通則法第50条各号(担保の種類)に掲げるものを提供してその差押をしないことを求めたときは、徴収職員は、その差押をすることができない。』
第五項。(略)
第六項。(略)
第七項。
『第一項の規定による差押又は第四項若しくは第五項第一号の担保の提供があった場合において、その差押又は担保の提供に係る国税につき納付すべき額の確定があったときは、その差押又は担保の提供は、その国税を徴収するためにされたものとみなす。』
第八項~第一一項。(略)(下線は筆者)

 上記の「保全差押え」に関しては、国税徴収法基本通達(昭和41年8月22日、国税庁長官、徴徴4-13他5課共同。以下、徴収基本通達という)が、法令解釈通達として制定されている。
 この徴収基本通達は、「国税徴収法基本通達の制定について」(国税庁長官 昭和35年1月27日付徴徴4-5外9課共同)の全部を改正したものだ。法令の解釈について、27の項目に分けて定められている。

 国税徴収法が昭和34年に全部改正され、その3年後の昭和37年に国税通則法が新設されると同時に、国税徴収法の一部が国税通則法の中に組み込まれたのであるが、とくに国犯法との関連で徴税現場が大混乱をきたし、不服審判、裁判の上で法令間の矛盾が吹き出してきた。
 もともと、明治時代に成立した国犯法の基本をほとんど変更することなく、戦後アメリカの指導によって導入された「申告納税制度」を国犯法に無理矢理に結びつけようとしたところに誤りがあった。
 国犯法は、賦課課税方式(通則法16条1項2号)には適合するものの、申告納税方式(通則法16条1項1号)には適合しないからだ。いわば、水と油のようなものだ。基本的に相矛盾する間柄だ。
 この矛盾は、昭和37年に国税通則法が制定され、納税義務とは何であるか、租税債権とは何であるかについて各税目ごとに法文化されるに及んで、一層明白なものになった。

 水と油のような存在である国犯法と通則法(申告納税方式)とを結びつける唯一の条文が国税徴収法第159条の「保全差押」である。但し、法文上では直接結びついてはいない。結びつくのは、徴収基本通達によってである。

 具体的に言えば次の通り。
 まず、徴収法159条の第1項によって、「国犯法の規定による差押もしくは領置を受けた場合」として、国犯法による差押・領置がでてくる。
 この場合に、国犯法の直接国税に関して初めて「税務署長」の権限が明示される。ちなみに、国犯法の本文においては、直接国税に関する限り、「税務署長」には一切の権限が与えられていない。権限が与えられているのは「収税官吏」(国税査察官)のみだ。
 ここで定められている「税務署長」の権限は、租税債権がいまだ確定していない場合であっても、税の徴収を確保するために、予め相当の金額(これを「保全差押金額」といっている)を限度として財産の差押え(国税徴収法47条1項の「差押」ではなく、「保全差押」のこと)をすることができる、というものだ。
 この財産の差押と同等の効果を持っているのが「予納金の収納」とされている。これを定めているのは、法令の本文ではなく、徴収基本通達である。即ち、徴収基本通達の「担保の提供と差押え」の中の、15「予納との関係」として次のように規定されているものだ。

「通則法第59条第1項第2号≪国税の予納額の還付の特例≫の規定に基づき保全差押金額に相当する額について予納をした場合には、法第159条第4項の規定による担保の提供があった場合と同様に、差押えをしないものとする。」

 これこそ、前回述べた“ミッシング・リンク”である。この“ミッシング・リンク”によって、国税徴収法第159条7項の
「その差押又は担保の提供は、その国税を徴収するためになされたものみなす」
とする規定と結びつく。
 つまり、予納金の収納は、その国税を徴収するためになされたものであるということだ。

(この項つづく)

 

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