マルサ(査察)は、今-⑥-東京国税局査察部、証拠捏造と恐喝・詐欺の現場から

※「東京国税局査察部、証拠捏造と恐喝・詐欺の現場から-⑤-マルサ(査察)は、今」から続く



***5.強圧的な尋問-(2)

 長年税務申告を担当してきた税理士は通りいっぺんの参考人ではない。れっきとした嫌疑者(脱税の共犯)だ。本人と同様にガサ入れをされた上で取り調べを受けている。尋問の厳しさは嫌疑者本人以上だ。

 この税理士、査察の体験は初めてだ。脱税の共犯で摘発され刑事責任が問われようとしているだけではない。税理士法違反によって、税理士業務ができなくなるおそれがある。つまり廃業に追い込まれかねない。税理士としては一大事である。

 従って、このような立場に置かれた税理士は、もはや単なる税務代理人ではなくなる。脱税の共犯として追及されるのに加えて、別途税理士法違反の追及が待っているからだ。

ほとんどの税理士は、自分に降りかかる火の粉を打ち払うのに精一杯だ。とてもクライアントのことなど配慮する心のゆとりなどない。税理士自身がヤバいからだ。尻に火がついているのである。
 このために必死になって責任から逃れようとする。時には、クライアントである嫌疑者を足蹴にしてまで自分の安全を図る。

 この税理士もそうであった。査察を受けてびっくり仰天。何をきかれても、知らぬ存ぜぬで押し通した。
 クライアントから提示された証憑などを受け取り記帳の代行をし、決算・申告をしただけだ、詳しいことは何も知らないし、自分のほうから決算・申告について指示したことなど一切ないと言い張った。つまり、嫌疑者から言われるがままに作業をしただけであり脱税の嫌疑については全く心覚えがないと逃げたのである。
 こうなったら査察の思うツボである。税理士を存分に脅し上げて、「脱税ストーリー」をそのまま認めさせるのである。嫌疑者の税務代理人である税理士に、虚構である「脱税ストーリー」の“お墨付き”を出させるということだ。質問てん末書(国犯法第10条)にその旨を記載して署名捺印させるのである。
 この質問てん末書、脱税裁判の証拠としては第一級のものだ。脱税裁判の帰趨(きすう)を制しかねない重要な証拠である。しかも、嫌疑事実に直接かかわった税の専門家によるものだ。それを脅迫してデッチ上げるのである。証拠の捏造である。
 私のケースでもこのような証拠の捏造(「冤罪を創る人々 ー 069 証拠、その捏造の軌跡」参照)のオンパレードであった。マルサ(査察)の犯罪体質は当時と全く変っていない。脱税という犯罪捜査をするマルサが、正義の味方どころか国民を食い物にして自らが犯罪行為に手を染める、全くシャレにもならない。困ったものである。

 査察官の松井洋らは、税理士を締め上げて、思い通りの質問てん末書(証拠)の捏造に成功したものの、肝腎の嫌疑者本人がどうしても乗ってこない。一部は認めているが、「脱税ストーリー」の全体を認めようとはしない。告発を明言し、逮捕をチラつかせて脅しても頑としてマルサの筋書きを認めようとはしないのである。

(この項つづく)

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 ここで一句。

“「風薫る」気遣いなしで使いたい” -堺、くるみ餅

 

(毎日新聞、平成24年6月8日付、仲畑流万能川柳より)

(人類の生存の根幹にかかわる放射能汚染。詭弁を弄して原発再開に踏み切った野田政権、暴虐の限りを尽した自民党政権にも劣る。)

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