高松国税局-恐喝と詐欺による天下り-③

 これまで述べてきたように、元ホステスが暴露したとされる、「国税職員が、税務調査されていた会社にウラ指南し、その見返りに多額の現金を受け取り、その会社に天下りさせてもらった」というのは、元ホステスがそのように思い込んでいただけのことで、その実、情夫である国税職員の手先になって会社から金を脅し取っただけのことではないか。

 この元ホステス、会社の副社長をたらし込んでいるあたり、新手の美人局(つつもたせ。妻・情婦に情交させ、夫・情夫がそれを種にして相手の男から金銭をゆすり取る、一種の恐喝行為。語源は未詳だが、もとから詐欺の意に用いられる。-新明解国語辞典、三省堂)の様相を呈している。

この情婦、記事の中では、

「私も悪い女ですが」

と喋ったことになっているが、その通り、ワルである。週刊朝日の女性記者は、正義感に燃えてこの記事を書いたようであるが、少しピントがズレているようだ。恫喝して騙し取ったお金の分け前をめぐる男と女のトラブル、その片棒を担いだ結果になっているからだ。
 とはいえ、具体的な不祥事が、実名で報道された意義は大きい。これまで国税職員絡みの多くの非行は闇から闇へと葬られ、決してマスコミの表に出ることがなかった。国税当局からの報復を恐れるからである。
 先に私が、大阪国税局の9人の非行公務員の実名を公表し、彼らの非行の実態を開示したのも、徴税権力の闇の部分を白日に曝(さら)すためであった。ネットの時代、非行公務員の実態の暴露は連鎖反応のように加速化することになろう。

 では、この一連の不祥事、その実態は一体何だったのか。週刊朝日の記事をよく読んでみると、以上とは全く異なった事件の構図が浮かんでくる。この2人以外の人物が密接に絡んでおり、税金だけではない別の問題点が透けて見えるのである。

 この産廃企業は、取材の申し込みに対して、以下のような回答を寄せたとされている。

「当社は従来から複数の顧問税理士の指導のもと、適正な税務申告を行っています。××氏(記事では実名)については、経歴、人格、見識等から適任と考え会計参与として採用しております。それ以外の質問についてはお答えすることはできません」

 この回答の中で私が注目したのは、この会社にすでに複数の顧問税理士がいたことである。複数というからには2人以上だ。ほとんどの場合、国税OBである。2人いれば2階建、3人いれば3階建(「税務署なんか恐くない!-7」参照)と言われているもので、中には4階建もあるほどだ。
 これらは国税当局から企業に押し込まれた連中、いわゆる“天下り斡旋”によるものか、もしくは自分でもぐり込んだ連中だ。国税OBを受け入れた企業が期待するのは見返りである。税務調査はフリーパス、あるいは仮に調査があったとしても手心を加えてもらうことだ。このようなことが可能であるかどうか定かではない。仮に可能であるとすれば、公正であるべき税務行政を歪めるものであるし、可能でないとすれば、納税者を欺く犯罪行為、詐欺である。前回述べたところである。

(この項つづく)

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 ここで一句。

“原発は 深追いしない 自民党” -佐倉、繁本千秋

 

(毎日新聞、平成23年12月10日付、仲畑流万能川柳より)

(放つ矢が 我が身にささる ブーメラン。)

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