検証!! 『ホリエモンの錬金術』-7
- 2009.07.07
- 山根治blog
借名株の疑念について前回は、報告書の提出義務者という観点から検証し、依然として疑念が払拭(ふっしょく)されないことについて述べました。
今回は疑念が消えないどころか、更に深まってきたことについて説明いたします。
堀江貴文氏は第3回目の私に対する批判の中で、次のように述べています。“このサイトの話の中核は、「A氏所有の株が、実は私の借名株だったという、トンデモ話」なので、本来は、そもそも批評するまでもない話なのですが・・・・検察まで信じてしまっているという事実もあるわけで。それは私や私の周りの人に実害があるので、なんとかせねばと。”(「ホリエモンの錬金術サイト批評その3」) この発言の中で堀江氏は、なんとも不可思議なことを2つだけ漏(も)らしています。
一つは、「検察まで信じてしまっているという事実もある」という発言です。
これまで、この人物がこの借名株の問題について、検察がらみで喋っていることをまとめてみますと、-
+実際にこのこと(山根注:借名株のこと)は特捜部でも聞かれた。
+私はそんなことはしていない。もしやっていたら、それこそ立件の対象になったであろう。
の2点であり、2.についてはそれが虚言であることを既に詳しく説明(「検証!! 『ホリエモンの錬金術』-3」、「検証!! 『ホリエモンの錬金術』-4」)したところです。
このような発言の後に発せられたのが、上記の「検察まで信じてしまっている」という言葉です。
私が疑問に思うのは、検察が、捜査時点で公訴時効が完成している借名株の問題を何故わざわざ問い質(ただ)したのか、更に、何故「検察まで信じてしまっている」のか、これらの点についてです。
プロの法律家が公訴時効について知らない訳がありませんし、知った上で尋問したというのが事実であるならば、それは立件するための尋問ではありません。犯罪事実が仮にあったとしても、検察としては立件(公訴の提起)が不可能だからです。
また、「検察まで信じてしまっている」というのが、
+「検察が堀江氏に問い質した結果、信ずるに至った」という意味なのか、あるいは、
+「山根治Blogを読んでいた検察が、山根が指摘した借名株の疑念を信じ込んでいたものの、堀江氏に問い質した結果、山根の推断が間違っていた」という意味なのか、
例によってはっきりしません。
検察が立件以外の目的のもとに、この疑念を確認しようと思えば簡単なことです。何も堀江氏にわざわざ尋問しなくとも、あるいは有馬純一郎氏を参考人として呼んで質問しなくとも、お金の流れを辿ってみればすぐに分かることです。わずか5年ほど前の株の売却金、しかも20億円もの大金です。ベタベタに足跡がついているお金です。そのお金が最終的に誰のところに行っているのか確認するだけでいいのですから。
従って、仮に、堀江氏の発言の趣旨が1.の意味のものでしたら、何をかいわんや、借名株の疑念が単なる疑念ではなくなって、事実として確認されていることを意味しますし、また、2.の意味のものでしたら、堀江氏の発言の後に続く、「私や私の周りの人に実害がある」という記述と符合しません。平仄(ひょうそく。つじつまのことです)が合わないのです。私の推断が間違っていたとしても、堀江氏とかその周りの人達に一体どのような「実害」があったというのでしょうか。この「実害」ということについては次回に詳しく検討する予定です。
堀江氏の不可思議な発言の二つ目は、まさにこの「実害」を強調していることです。つまり「それは、私や私の周りの人に実害があるので、なんとかせねばと。」という件(くだり)です。
この件の中の「それ」が何を意味するのか、判断に迷うところですが、一応、「借名株だったという、トンデモ話」であるとして話を進めます。文脈からすれば、直前の「検察まで信じてしまっているという事実」とも考えられなくはありませんが、全体の流れからすると、「トンデモ話」を指していると考えるのが自然だからです。
つまり、堀江氏の言い分が
という趣旨のものであるとして、更に検証を進めていくことにします。
―― ―― ―― ―― ――
ここで一句。
(“ホリエモン 鼻をかきかき ウソを売り”、“ホリエモン ウソを食らって ホラエモン”)
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