悪徳会計屋の経済事件ノートvol.14

2005年03月03日 第14号 発行部数:384部

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悪徳会計屋の経済事件ノート

なぜ上場会社社長は国税局ロビーで壮絶なる自殺を選んだのか。
国税局OB税理士が納税者を食いものにする手口とは。
税務署とマスコミから悪徳会計士の烙印を押された
会計のプロが税金法律金融事件の深層に迫る。

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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●ハニックス工業事件の真相

「ハニックス工業 事件の真相 14」より続く
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(10)倒産の深層

1. 密告者の存在

平成16年9月28日、ある経済誌の編集者からハニックス工業
の倒産に関して驚くべき情報がもたらされた。

同社の”脱税”を国税当局に密告した者がおり、それは同社のメ
インバンクであるX銀行であった、-このような噂が当時経済界の
一部に広まっていたというのである。

この編集者は、同社の倒産後にX銀行の担当支店長にインタビュー
している。支店長の反応は実に冷ややかなものであったという。

結局、噂の真偽は確認できなかったために、記事にしなかったと
いう。

平成2年の同社上場時、各銀行は競って同社に融資取引等を持ち
かけたに違いない。平成2年といえばバブル経済のピーク時であり、
同社では公募増資による資金が200億円余りも入ってきており、
しかも初値に公募価格の2倍を超える株価をつけている優良会社で
ある。銀行の営業担当常務とか支店長の実績をアップさせる絶好の
機会であり、菓子折りでも手土産に、腰を折り、もみ手をしながら
会社にアプローチをしたに違いない銀行マンの姿が眼に浮かぶ。

しかし、その後バブル経済の雲行きが急に怪しくなってきた。

同社は、上場の勢いを借りて業容の拡大に乗り出したものの、バ
ブル経済の急激な冷え込みによって、十分な需要が望めなくなった。
販売に急ブレーキがかかったのである。

平成5年4月、同社が拡販のために活用していたグループ企業で
あるレンタル会社が4社、事実上破綻するに至る。

これを境に金融筋が同社に対して一転して厳しい眼を向けるよう
になったとされている。銀行にとっては、優良な融資先であった同
社が、逆にやっかいな重荷となってきたのである。

こうなると、銀行は金貸しの本性を露わにする。もみ手がなくな
り、折り曲げていた腰がしゃんとなり、逆に尊大にそっくり返るよ
うになったであろう。

ある経済事件に関して松江まで私を訪ねてやってきた気鋭のジャー
ナリストである有森隆氏は、その著書で次のように言っている-

”銀行はバブル全盛期に、あらゆる儲け話に口を突っ込むようになっ
た。業務上横領から無担保融資、詐欺の片棒担ぎまで何でもやった。
カネ貸し屋は企業犯罪の”フィクサー”と化したのである。”
(『銀行・証券・生保破局のシナリオ』有森隆著、ネスコ/文芸春秋、
P.12より)

銀行のなりふりかまわない酷薄な側面が、支店長の一介のサラリー
マンとしての保身行為とあいまって、表面化したのは想像に難くな
い。

平成五年といえば、バブル経済の崩壊が始まりつつあった時であ
る。バブルの元凶の一つとされた銀行に対する世間の眼は厳しさを
増しており、銀行バッシングが起り始めていた。

日本経済が全体的に不況に向かう中で、急激に業績が悪化しつつ
あった同社が、早晩破綻するに違いないと判断したのは、金融サイ
ドとしてはむしろ当然のことであったろう。

しかし、銀行バッシングの最中、同社の倒産の引き金を銀行自ら
は引きたくない。自らの手を汚さずに同社に引導を渡すもっともら
しい大義名分はないものか、-

このような経緯から、国税当局への”脱税”密告がなされたので
はないか。国税当局が、銀行というカネ貸し屋に利用されたのでは
ないか。

(次号へ続く)

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