032 大木洋 証拠の隠匿

****1)大木洋

(イ)証拠の隠匿



一、 佐原良夫が、広島国税局に嘘の密告をする3年前のことである。

 平成2年9月6日、佐原は、私とのトラブルの後、一人で益田市の組合に乗り込み、私を交えずに、組合の人達と本音で話し合った事実がある。

 佐原と組合との間の不動産取引(マルサが架空取引であるときめつけたものである)は、真実の売買であることが前提となっている話し合いだ。佐原は、この時点では、国税局に嘘の密告をすることなど考えていなかったので、本当のことをそのまま話しているのである。

 

二、 このときの状況について、私は組合の人達から詳しく聞いており、仮にこの事実を証明することができれば、私と組合の無実を完全に立証することができるものであった。



三、 しかし、私達の側には、物的な証拠がなかった。当時、組合の人達は、佐原が後日、事実に反する密告をして、組合と私とを窮地に陥れることなど、夢にも考えていなかったので、記録に残すことなど考えていなかった。



四、 ところが、物的証拠がでてきた。

 それは、マルサのガサ入れの際、千葉の佐原の自宅から押収された録音テープとテープ起しの反訳文とであった。佐原良夫が当時ひそかに録音しテープ起しをしていたのである。



 

五、 このような証拠物をマルサが保管しているのを私が知ったのは、藤原孝行との話し合いの中からであった。

 当初、藤原孝行はこれを私に見せ、ダビングしたりコピーしたりさせることを約束してくれた。真実の解明のためには、お互いに協力し合うことで、一致していたからだ。



六、 しかし、マルサの態度は急変することになった。見せることはできないというのである。



七、 平成6年1月17日(土)、午後1時20分から同50分までの30分間、私は広島にいる大木洋に架電し、この証拠物の開示を要求した。



八、 大木との電話によるやり取りを再現する、 ―



山根:「藤原さんから聞いたのですが、佐原のところから押収されたものの中に、私の無実を証明するものがあるようなんです。是非、私に見せて下さいませんか。」

大木:「ほう。それは何ですか。」

― 大木、とぼけている。

山根:「平成2年9月6日、佐原が組合の人達と話し合ったときの録音テープと反訳文です。」

大木:「ほう。そがなもん、あったんじゃろうか。」

― 大木、とぼけ通そうとしている。

山根:「私は、この間藤原さんから直接聞いていますし、藤原さんは、私にこころよく見せると言っていますよ。お互いに真実を解明しようということで、調査を進めているわけですから。」

大木:「藤原がどう言うたんか分かりませんが、そがなものアンタに出せるわけないでしょうが。」

山根:「では、藤原さんは、私に見せるつもりもないのに、見せると言って嘘をついたんですか。」

大木:「ひょっとしたらそこはね、判断間違ったから、そういうふうに申し上げたんかも知れませんよ。」

山根:「どうしても駄目ですか。」

大木:「はい。アンタに見せる必要もないし、貸す必要もない。これは、我々が犯則調査の段階で得た証拠ですから、それを犯則嫌疑者の方へやね、何も示さなければならないというのはないんであってじゃね。」

山根:「一緒になって真実の解明をしていくというのなら、私に協力してくれてもいいじゃないですか。」

大木:「いやいや、協力言うてもね、犯則調査の手続の上から協力できる限界があるんですよ。

 そがあなもの、出せるわけがないでしょうが。」

山根:「あなた方に都合の悪い証拠は隠してしまうということですか。」

大木:「そがあなことはないですよ。」

山根:「フン。あなたもよく言ってくれますね。」



九、 この段階で、大木洋をキャップとするマルサは、架空取引ではないことの確証を握っていたことになる。この2年後になされた検察への告発は、虚偽のものであり、しかも故意に捏造したものであることを如実に示すものだ。



一〇、ちなみに、この録音テープの反訳文は、後日公判廷に検察側の証拠として提出されている。

 しかし、重要部分がスッポリと抜けており、いずれかの段階で手が加えられ、改竄されたことが明らかなものであった。



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