狂える検察官-(4)

 犯罪構成要件の捏造がなされているのは、無償独占性だけではない。「税務書類」についても勝手に拡大解釈をして、ニセ税理士の摘発を行っているのである。



 すでに述べたように、税理士の独占業務とされているのは、

+税務代理

+税務書類の作成

+税務相談

の3つの業務だ。

 このうち、2.の税務書類の作成に関して、国税当局はインチキをかましている。誰が作っても構わない、財務書類(貸借対照表、損益計算書など)までも、税務書類に含まれると強弁し、その作成も税理士の独占業務だとしているのである。

 平成15年10月に私の税理士登録が抹消され、再登録されるまで私は税理士業務を行うことができなかった。このため、税理士業務の全てを、ある税理士法人に委ね、私は一切タッチしなかった。
 今から8年前のことである。3年の執行猶予期間が経過し、税理士の再登録まであと半年程になった頃のことだ。税理士法違反の嫌疑を振りかざして、国税当局が私に襲いかかってきたのである。やってもいないことをやったに違いないと決めつけて、またもや犯罪捜査が始まった。
 このときの主なメンバーは次の通り。
+坂本昭雄(広島国税局、税理士管理官。現在は、同局徴収部長)
+小川正義(広島東税務署、税理士専門官。現在は、倉敷税務署、筆頭特別調査官(所得税等))
+小川裕章(松江税務署、個人課税第二部門統括調査官。現在は三次税務署、個人課税部門統括調査官)
+黒目啓治(大東税務署、総務課長。現在は、広島西税務署、特別調査官(法人税等))
 この4名は、かつて私の脱税事件をデッチ上げた面々だ。平成5年9月28日査察調査に着手し、平成8年1月26日に私を違法に逮捕させた連中である。どんなことをしてでも、私を社会的に抹殺しようとして、その後の私の挙動を虎視眈々として狙っていたのであろう(「続・いじめの構図 -2」参照)。蛇のような執念深さである。陰険かつ陰湿だ。

 総勢20名以上の国税局と税務署の職員が、私を告発するために一斉に事情聴取を始めた。個人的かつ組織としての遺恨を晴らすために、国家組織を動員し、関与していた複数の税理士に対して恫喝行為を行ない、供述調書の捏造まで行なって私を告発し、再び逮捕に持ち込もうとしたのである。
 この背後にいたのは、デッチ上げの張本人である大木洋(元、広島国税局調査査察部長。現在、広島市で税理士開業。「洋服の青山」(青山商事株式会社)監査役。)と、松江市で税理士事務所を開設している、ある国税OB税理士であった。今一人うしろで糸を引いていたのは石井道遠(元、国税庁査察課長、当時、国税庁次長、現在、東日本銀行頭取)だ。私が「冤罪を創る人々」を公表し、これら2人の人物の実名を出して批判したのがよほど気に入らなかったものとみえる。
 税理士法違反の捜査の陣頭指揮をとっていたのが、坂本昭雄(現、広島国税局徴収部長)と小川正義(現、倉敷税務署、筆頭特別調査官)だ。
 この両名がひそかに手にしていたのが、広島国税局の内部文書であった。税務書類の中に財務書類が含まれる根拠を示したものだという。牽強附会(けんきょうふかい。自分の都合のよいように無理に理屈をこじつけること-広辞苑)を絵に画いたようなシロモノだ。当ブログでしばしば言及している「東大話法」(注)の見本のようなものである。

「私に呈示されたのは、“税理士法第2条第1項第2号に規定されている「法令の規定に基づき」作成される書類の法的根拠一覧”と題する書類であった。なんだかゴチャゴチャとして分かりづらいが、要するに、税理士以外の者が作成してはならない書類、いわば税理士の独占書類のことである。「ニセ税理士」という犯罪を構成する重要な要件となるものだ。

 

 確かにその3番目に種別として決算報告書と記されており、書類名として
+貸借対照表
+損益計算書
+製造原価報告書
+完成工事原価報告書
+販売費及び一般管理費明細書
+利益処分(損失処理)計算書
の6つが明記されている。
 4番目には種別として勘定科目内訳明細書と記されており、書類名として
+預貯金等の内訳書
+受取手形の内訳書
+売掛金(未収入金)の内訳書
+仮払金(前渡金)、貸付金及び受取利息の内訳書
+棚卸資産の内訳書
+有価証券の内訳書
+固定資産の内訳書
+支払手形の内訳書
+買掛金(未払金、未払費用)の内訳書
+仮受金(前受金、預り金)、源泉所得税預り金の内訳書
+借入金及び支払手形の内訳書
+役員報酬手当等及び人件費の内訳書
+地代家賃等、工業所有権等の内訳書
+雑益、雑損失等の内訳書
の14の書類が明記されている。これを根拠に私を恫していることが判った。」

(「続・いじめの構図-4」より引用)
(この項つづく)

(注)東大話法、安冨歩東大教授による造語。黒を白と言いくるめるインチキ論法のこと。官僚が得意とする詭弁。

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。

”江戸の世にあんな太っちょ猫いない” -下関、猫オババ

 

(毎日新聞、平成26年3月10日付、仲畑流万能川柳より)

(“太っちょと軽く言うなと猫パンチ”)

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