検証!! 『ホリエモンの錬金術』-14

 前回述べた通り、3億6千万円をめぐる堀江氏の発言には、根本的に不可解な点があるのですが、ここではそのようなことはさておいて、堀江氏の言い分が次のようなものであるとして、話を進めていくことにします。

+上場時の大量保有報告書には、保有している株式7,920株の取得資金の内訳として、自己資金29,000千円、借入金240,000千円となっている。

+1.の借入金240,000千円の借入先として有馬純一郎氏としていたのは、宮内亮治氏から、有馬純一郎氏が娘の晶子氏に240,000千円を支払ったと聞かされていたからだ。

+このことは、自分が有馬氏から直接240,000千円を借り受けて、それをそのまま娘の晶子氏に渡したことと同等であると考えて、借入金240,000千円の借入先を有馬純一郎氏としたものである。

+ところが実際のところは、上場前の時点で、2.の事実、つまり、有馬純一郎氏が娘の晶子氏に240,000千円を支払った事実がないことが分かった。宮内氏が自分に対してデタラメを言っていたということだ。

+実際に支払がなされたのは、有馬晶子氏から120株を買い取ったことになっている平成11年11月5日ではなく、その2年9ヶ月後の平成14年8月9日以降のことであった。

+平成14年8月9日以後に支払ったのは5億円程度。未決済残である240,000千円に、この間2年9ヶ月の利息分260,000千円を加えて5億円としたものだ。

以上が、堀江氏の言い分を、最大限忖度(そんたく)した上で要約したものです。以下、堀江氏の言い分が真実であり、正しいものとして検証に移ります。

 まず、事実関係を押えておきます。
+新株発行届出目論見書(平成12年3月8日付)の、株式公開情報の中の「特別利害関係者の株式の移動状況」において、平成11年11月5日の有馬晶子氏から堀江氏への持株譲渡(120株、一株300万円、総額360百万円)の株式移動の理由として「売却人の資金化の必要」(73ページ)と記載されている一方、この同じ120株の移動について「資金調達を目的とする発行」(76ページ)と記載されていること。
+堀江貴文氏が、上場後に提出した大量保有報告書(平成12年6月16日付)において、持株7,920株の取得資金は269,000千円とされ、その内訳として
++自己資金: 29,000千円
++借入金: 240,000千円
と明記され、更に借入金については有馬純一郎氏から全額借り入れた旨が記載されていること。

 以上が事実関係の概要です。
 そこで、先に要約した堀江氏の言い分と上記の事実関係とを比較して検証してみます。
+堀江氏の言い分によれば、有馬晶子氏からの株式買取に要した資金360百万円のうち、240百万円については、譲渡契約日である平成11年11月5日には支払がなされていない(2年9ヶ月後の支払い)ことから、新株発行届出目論見書における株式移動理由の一つ、「売却人の資金の必要」に関しては、240百万円分については虚偽の記載ということになり、今一つの理由として記載されている「資金調達を目的とする発行」に関しても、会社の資金調達とは全く関係のない個人間の株式移動であることから虚偽記載ということになります。
+堀江氏の言い分によれば、平成11年11月5日の時点で有馬純一郎氏から株式取得資金として240百万円を借り入れた事実はなく、かつ、大量保有報告書提出日である平成12年6月16日の時点でも有馬純一郎氏から株式取得資金240百万円を借り入れていた事実はないのですから、堀江氏が自筆のサインをして提出した、大量保有報告書の記載のうち、株式取得資金として有馬純一郎氏から240百万円借入れした旨の記載は虚偽記載ということになります。

***<追記>
 堀江氏は、“ホリエモンの錬金術サイト批判-号外「検証!!『ホリエモンの錬金術』に対する反論”において、

『(有馬純一郎氏との間に、2億4千万円の)金銭消費貸借契約も結んでいますし、返済もしています。どこが架空なんでしょうかね?』

と、またまた新しい事実を持ち出してきました。本文で記したように、平成11年11月5日の時点でも、平成12年6月16日の時点でも、実際に有馬氏から金銭を借り入れていた(キャッシュが動いた)事実がないのですから、堀江氏が新たに持ち出してきた「金銭消費貸借契約」なるものは、真実のものではなく、架空契約そのものです。
 更に、その後の追記(“このブログで2009.5に売れたモノランキングTop30の第一弾(30-16位)”)で、

『契約書を巻きなおしたりとかして』

と、契約書の作成までしていることを明らかにしました。有馬純一郎氏と話し合った上で作成したものであれば、虚偽の契約書が作成されたということですし、同氏の了解なく堀江氏が勝手に作成したものであれば、契約書の偽造(私文書偽造)ということです。

(この項つづく)

 ―― ―― ―― ―― ――

 ここで一句。

“サル山の ボスと目が合い 尻かかれ” -南魚沼、川村祐美子。

(毎日新聞、平成21年2月4日付、仲畑流万能川柳より)

(“お返しに こちらも負けじと 尻をかき”)

更に一句。

“税務署に 通用しない 秘書のせい” -伊賀、頓馬天狗。

(毎日新聞、平成21年6月12日付、仲畑流万能川柳より)

(“オレ知らぬ 部下がやったと ホリエモン”)

もう一つ。

“ばらまきの 本家分家を こきおろし” -行田市、櫻井郁夫。

(朝日新聞、平成21年7月31日付、朝日川柳より)

(“ダミ声と ひょっとこ面(づら)で 票が逃げ”、“ひょっとこに クリオネ父さん 昼行灯”)

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