冤罪を創る人々vol.87

2005年11月8日 第87号 発行部数:417部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●勾留の日々-つづき

「(4)うっぷん晴らしとしての反則行為 -その3」より続く
http://consul.mz-style.com/item/424

(5)断髪 -その1

拘留中、希望者には散髪が施された。一ヶ月に一度位であったろ
うか、担当看守が散髪の希望を確認した上で時間配分をして、心得
のある受刑者に一人宛髪を切らせるのである。

私は逮捕された当時風邪をひいており、久しく床屋に行っていな
かった。そのため髪の毛は相当以上に繁茂しており、かなり見苦し
い状態であった。
逮捕の2日位前から、NHKが私の自宅に向けてひそかにTVカ
メラを向けて、私の影像を撮ろうとしていたことは「冤罪を創る人々
2.強制捜査 ― ガサ入れと逮捕勾留(1) 逮捕直前」で記した通
りである。

043 逮捕直前
http://consul.mz-style.com/item/104

保釈後、隠し撮りされたTV画面をビデオで見たところ、手入れ
がなされていないボサボサ髪の私が大きな白いマスクをして自宅の
玄関に入るところであった。1月の末で寒かったことに加えて、風
邪をひいていたので、毛糸のセーターを二枚着込んだ上に厚手の皮
のコートを着ていた。

この皮コートは30年程前に半額に値切って購入して以来、冬に
なると愛用しているものだ。羊の皮で、皮が表に、毛が裏になって
いる実用本位のものであり、これを着て、長靴をはいていれば、ど
んな寒い日であろうとも粉雪が吹きつける松江大橋を平気で歩いて
渡ることができるのである。
およそセンスとかファッションなどとは無縁のシロモノで、厚着
の上にこの毛皮を着て歩いている私を評して、口の悪い友人が松江
の街をヘンな熊がノシ歩いていると言ったほどである。私はこの評
言がいたく気に入り、それ以来この毛皮のコートを「クマゴロー」
と命名してもっぱら愛用している。

そのクマゴローを着込んだ私が大きな白マスクをして歩いている。
しかも髪の毛は伸び放題だ。更には自分の家に入ろうというのにあ
たりをキョロキョロ見回している。
テレビ画面で放映されたこの図柄は、まさに挙動不審の極悪犯人
そのものである。見方によればNHKが検察と手を取り合って極悪
犯人を映像的に創り出している訳で、さもありなんと妙に納得した
覚えがある。
このように逮捕当時の私の髪の毛は、芝居に登場する天下の大ド
ロボー石川五右衛門並みに髪ボウボウの状態であった。ちなみに私
の髪の毛は、生れつきのくせ毛で、かなりの天然パーマである。三
十数年前、私は京都の監査法人に勤務していたが、そこの上司であ
るK会計士がモジャモジャ頭の私を称して“ベートーヴェンの曾孫
(ひまご)”と言ってくれたことがある。うまいことを言うものだ
と感心したものの、少しばかりシャクにさわったので、それ以来、
顔付きだけはベートーヴェンのように深刻ぶることはやめることに
し、現在に至っている。

勾留されてから初めて公衆の面前に引っ張り出されたのは、勾留
理由開示の裁判の時である。平成8年2月2日、逮捕されてから8
日目のことだ。
髪の毛はボウボウ状態が倍加し、収拾がつかない状況になってい
た。寒いから当然のことながらクマゴローを着用している。毛皮の
上から腰縄を打たれ、手錠がはめられている。このような格好で法
廷に引っ張り出されたのである。
傍目(はため)には、ショボクレた石川五右衛門、あるいはワナ
にかかったドジな熊の様相を呈していたに違いない。

実は、この裁判の前日、主任看守から散髪の希望を聞かれていた。
私は、拘置所→刑務所→散髪→丸坊主(断髪)と勝手に連想し、
散髪を断った。
丸坊主にすることは、いわば罪を認め、反省の意を表するとも受
けとめられかねないからであり、一貫して無罪を主張し、冤罪を訴
えていた私としては、意地でも髪の毛を切る訳にはいかなかったの
である。
ところが散髪-丸坊主というのは私の早合点であった。本人の希
望に応じて、丸坊主、3分刈り、スソ刈りの散髪が可能だったので
ある。勘ぐれば、あるいは主任看守が意地悪をして敢えてスソ刈り
もできることを私に告げなかったのかもしれない。
その後、平成8年5月7日の第一回公判には、スソ刈りにしても
らった私は、ワイシャツ、背広を着用し、さっぱりした身なりで出
廷した。ドジなクマが、形だけは人間になったのである。

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21

・ 文明論的クリティーク、藤原肇さん

コメントNO.432とNO.433に関連して記します。

コメントNO.432
http://consul.mz-style.com/item/395#c432
コメントNO.433
http://consul.mz-style.com/item/395#c433

実は8月の初めにアメリカにいらっしゃるジャーナリストの藤原
肇さんから手紙をいただきました。私の「冤罪を創る人々」を読ん
で下さり、励ましのエールを送って下さったのです。早速この方の
ホームページを開いてみたところ、極めて幅広い分野にわたって独
得の鋭いタッチで考察されていることが分かりました。
藤原さんのことがもう少し詳しく知りたくなりましたので、この
方の多くの著書の中で取り敢えず手に入る次の9冊をネットを利用
して取り寄せました。

1.オリンピア幻想(東明社)
2.夜明け前の朝日(鹿砦社)
3.理は利よりも強し(太陽企画出版)
4.教科書では学べない超経済学(太陽企画出版)
5.賢者のネジ(たまいらぼ出版)
6.ジャパン・レボルーション(清流出版)
7.21世紀を動かす想念力の驚異(東明社)
8.宇宙巡礼(東明社)
9.マクロメガ経済学の構造(東明社)

一通り目を通したものの、それぞれが相当以上に難しいもので、
私の能力では簡単に理解できるものではありませんでした。ただ、
現代日本において多分にタブー視されている多くのことがら(暴力
団、半島、同和、ホモの闇の勢力、政治家のスキャンダルなど)に
ついて、ズバリと明快に切り込んでいく筆法には眼を瞠る思いがし
ました。右顧左眄(うこさべん)するジャーナリストがひしめいて
いる日本にあって、藤原さんはユニークな文明論を基軸にすえて日
本と世界の現状を分析し、将来の姿を展望し、その上敢然としてタ
ブーに挑んでいく気鋭のジャーナリストであり、クリティークであ
ると拝察しました。文明論的クリティークとでも言えるでしょうか。
藤原さんは生活の基盤をアメリカでのご専門の石油ビジネスにお
いていらっしゃるようで、いわゆる売文の徒とは無縁の存在のよう
です。このために、誰に阿(おもね)ることなく、自ら信ずるとこ
ろをストレートに発信することができるのでしょう。
再度じっくり読み込んでからお手紙の返事を書こうと思っていま
したが、とうとう手紙を出しそびれてしまい今日に至りました。藤
原さんには誠に申し訳なく思っています。

コメントNO.433に記されていた藤原さんの近著、「小泉純一郎と
日本の病理」(光文社ペーパーバックス、2005年10月30日
刊行)を早速購入し、眼を通してみました。
この本は私がすでに買い求めた9冊の本とは全く異なり、難解さ
が影をひそめ、極めて読み易くしてあります。
その最大の理由は、藤原さんがお書きになった原稿を光文社の編
集者が大幅に手直しをした(藤原さんによれば、“多忙な編集長が
1ヶ月半も費やし、私の油絵を日本画風に描き直した。”)ことに
あるようです。
その為でしょうか、私のブログ“ホリエモンの錬金術”からの引
用と思われる1440という数字が誤って使われています。

ホリエモンの錬金術
http://consul.mz-style.com/subcatid/10

この1440倍という数字は、ホリエモンの詐術の中核をなすも
ので、私の所論の中心的なものでした。
つまり、1440倍というのは、ホリエモンが自分の会社(ライ
ブドアの前身であるオン・ザ・エッヂ)を偽って上場させるために、
会社の評価をフーセンのように1440倍にもふくらませたことを
指しています。もちろん違法行為です。一年足らずの間に、一株5
万円の株式の評価を事実上一株7200万円へと、1440倍も引
き上げたことをブログで指摘したのです。この間、会社の主要メン
バーが欠落していったこともあって、業績が悪化しつつあったにも
拘らず、逆に会社の評価を破天荒なまでにつり上げるというにわか
には信じ難いトリックが株式市場を舞台に繰り広げられました。

藤原さんの著書の中では、
「ちょうどこの頃、日本では詐欺商法で沸き立ち、ライブドア社長
のホリエモンがニッポン放送に買収をかけ、マスコミが大いに騒ぎ
立てていた。しかし、これは株を使ったスケールの小さな紙屑投機
であり、一株を短期間に1440株に分割するマジックが、錬金術
の手口として使われていた。」(同書、P.254)
と、株式分割に関する数字として使われています。
ライブドアは、この5年程の間に株式の36万分割(上場後は3
万分割)という荒技をやっているのは事実ですが、1440分割と
いうのはどこにも出てこないのです。
出典が明示されていませんので私のブログからの引用であるかど
うか定かではありません。ただ、ホリエモンのトリックの中核とし
て上場時に会社の評価を無理矢理1440倍にふくらませた違法な
事実を指摘したのは、私以外には見当りませんので、おそらく私の
ブログを参考にされたのでしょう。
いずれにせよ、この度の著書は小泉純一郎という時の人をテーマ
にした緊急性のあるものだけに、このような出典不明示とか点検ミ
スが生じたのでしょう。

ご両親のお墓が松江市にあり、毎年お墓参りをなさると手紙にあ
りました。手紙に記されていたお寺は私の自宅の近くにあり、日常
の散歩コースにありますので、あるいはいつの日かお目にかかるこ
とができるかもしれません。
世界中を飛び回って活躍されている藤原さんが、ご両親のお墓参
りに毎年松江までお越しになるというのですから、私はこのことだ
けでも頭の下がる思いがいたします。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“舌抜きを議員ずらりと待つ地獄” -松江、安部要介。
(毎日新聞:平成17年11月1日号より)

(ライオン宰相は何枚の舌を用意しておけばいいのかな?-“舌抜き
をしすぎてグッタリ閻魔様”。)

 

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