冤罪を創る人々vol.40

2004年12月14日 第40号 発行部数:301部

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 「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-



    日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。

    マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。

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 山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ

 株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント

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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態



「3)上告審」より続く

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四.冤罪の捏造と断罪の基本構図 



1) 悪魔の証明



一、 平成2年4月10日、組合は、私の仲介によって佐原良夫との

 間に不動産売買契約を、結んだ。当然、当事者間には売買の意思の

 合致があり、法的に有効な契約であった。ところが、一方の当事者

 である佐原良夫が契約条件を履行しなくなり、トラブルが発生した。

  佐原は、契約条件の履行をまぬがれるために、履行を求めた民事

 裁判の法廷で、ウソの供述をはじめたのである。即ち、形の上では、

 売買契約となっているが、本当は、税金逃れのために売買を仮装し

 たものであったと言いはじめたのであった。

  民事裁判を有利に運ぶために、佐原はマルサに対して嘘の密告を

 し、マルサはそれに飛びついて、組合と私とを脱税で摘発した。



二、 この売買契約においては、契約時点である平成2年4月10日

 の当事者の意思の合致がポイントであるため、一方の当事者である

 私達が、契約は真実のものであり、仮装ではないと、いくら叫んで

 もどうしようもないのである。こちら側からの100%の証明は不

 可能である。先方は、嘘であっても売買ではなかったと言い張って

 いる以上、ストレートな形での意思の合致は第三者的には確認でき

 ないのだ。

  何かをしたことの証明は可能であるが、何かをしなかったことの

 証明は不可能だ。

  後者の不可能な証明のことを俗に悪魔の証明という。

  検察とマルサが私に対して無実であるならば潔白を証明せよと迫っ

 ているのは、まさに悪魔の証明を迫っていることであり、先に、「大

 木洋をキャップとするマルサが、私に対してまさに悪魔の証明を迫っ

 ていた」と述べたのは、このことである。 



三、 例えば、近年増えているという、痴漢冤罪事件がそうである。

  電車の中で痴漢であるといって女性に騒ぎたてられ、痴漢として

 告発された場合、男性が何もしていなくとも、無実を証明すること

 は極めて難しい。痴漢行為など何もしていないことを100%証明

 することは不可能であり、状況証拠等の傍証で立証するしか方法は

 ない。

 

四、 あるいは、収賄に関する冤罪事件もそうである。

  賄賂を贈った人物(贈賄者)が、賄賂を受けとった人物(収賄者)

 を名指しにした場合、収賄者とされた人物が、仮に真実賄賂を受け

 とっていなくとも、受けとっていないことは証明できない。二人だ

 けの密室の状態で行なわれたことを、一方の当事者が、何らかの理

 由で嘘の自白をした場合、もう一方の当事者はお手上げであり、賄

 賂などもらっていないといくら主張しても証明にならないのである。

 もともともらっていないことを証明することなどできないからだ。

 まさに、芥川龍之介の「藪の中」の世界である。

  そもそも、賄賂の授受があったというのであれば、捜査当局は当

 然のことながら、金の流れを明確に証明する義務がある。少なくと

 も贈賄側においては金の出所が、収賄側においては金の使途が明確

 にされなければならない。

  しかし、贈賄者とされた人物が、全く嘘の自白をしていて、もと

 もと金銭のやりとりなどなかったとするならば、金銭の流れなど捜

 査当局としては明らかにしようがない。

  そこで用いられるのが嘘の自白の強要である。収賄者と名指しに

 された人物を逮捕勾留し、自白をしないと保釈しないなどと脅した

 り、あるいは、無罪放免を餌に利益誘導しながら、嘘の自白を迫る

 のである。

  私の場合も同様であったので、このような違法な取り調べは普通

 になされているに違いない。

  安易な逮捕と不当な長期にわたる勾留こそ冤罪を生みだす温床で

 ある。





(続きはWebサイトにて)

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)

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「西武鉄道 銀行の責任逃れ-その3」より続く

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・西武鉄道 銀行の責任逃れ-その4



  次に眼につくのが、ジャスダック上場を目指す大義名分として、

 8千人の一般株主の利益確保を挙げていることです。

  この「8千人の一般株主」とは一体誰のことでしょうか。



  平成16年3月期の有価証券報告書(訂正前のもの)の株主の所

 有者別状況によれば、



  株主の合計が8,099人、その内、

  個人その他が7,825人



 となっていますので、小柳社長は、このうちのいずれかを念頭に

 「8千人」といっているのでしょう。

  この中には、株式数にして1億株強(全体の4分の1)、株主数

 にして1,200人ほどの個人借名株が入っているはずですので、

 まずこの8千人という数字そのものが疑問です。



  また「一般株主」とは何でしょうか。西武鉄道の発行済株式4億

 3千万株強の大半は、親会社のコクドをはじめとしたグループ各社

 が持っているものですので、「一般株主」ではありません。その他

 安定株主と称する銀行等の株主も又、「一般株主」ではない。少な

 くとも利益を保護すべき株主ではありません。



  以上のようないわば身内の株主が西武鉄道の場合90%を超えて

 います。銀行等を身内に含めるのはおかしいのではないかという議

 論もあるでしょうが、西武鉄道の株価の高値維持に一役買っていた

 のは他ならぬ安定株主である取引銀行等ですし、何よりも貸金の回

 収の見込みもないのに無責任に貸し込んでいったのが取引銀行です

 ので、身内に含めても決しておかしくありません。



  平成16年3月末時点の浮動株は8.5%とされていますが、こ

 の中には借名株の一部が入っているはずですので、浮動株の実態は

 5%前後ではないでしょうか。株式数にして、せいぜい3千万株位

 と考えていいでしょう。

  この3千万株を持っている人達こそ、一般株主と言えるものです

 が、今の時点で果して保護の対象とすべき人達なのでしょうか。



  確かに、虚偽の事実が公表されるまでの一般株主は大きな損害を

 受けています。

  しかし、この損害については、公表前に市場を通さずに相対取引

 によって株を買わせられ、多額の損失を受けている70社前後の会

 社と同様のもので、西武鉄道グループが責任を負うべきものです。

 ジャスダック上場の大義名分として持ち出す筋合いではないでしょ

 う。



  虚偽事実公表後に取得した人達も保護すべき一般株主と言えるで

 しょうか。この人達は、上場廃止になるおそれがあることを承知の

 上で買っているのですから、当然ながら利益保護の対象とはなりま

 せん。監理ポスト、ましてや整理ポストに入ってから後に取引して

 いる人達は、リスク覚悟の上でいわば丁半バクチをやっていると考

 えていいからです。



  このように考えてきますと、現時点における「一般株主」は仮に

 いるとしてもその利益を保護する必要は全くないばかりか、かえっ

 て保護などするとヘンなことになってしまいます。

  小柳社長が「8千人の一般株主の利益確保」と公言したのは、タ

 メにする偽りの理由付けと言っていいでしょう。財務体質が健全で

 あるとウソを言ってみたり、偽りの大義名分を立ててみたりと、ど

 うも背後にいる存在(堤さんではありません)があれこれと細工を

 し、このようないいかげんなことを言わせているようです。眉間に

 シワをよせて憔悴しきった表情で記者会見している小柳さんが、気

 の毒に思えてきました。



  私が「銀行の責任逃れ-その1」で、“本当のところは、「銀行

 の利益確保(債権の回収)を最優先に」”ではないかと述べました

 のは、以上のようなことを念頭に置いていたからでした。



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 ここで一句。



   “われわれを一般と呼ぶ芸能人”-成田、離らっくす

          (毎日新聞、平成16年11月20日号より)



(小泉総理ではありませんが、人生いろいろ、一般もいろいろ。)

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