冤罪を創る人々vol.29

2004年10月05日 第29号 発行部数:242部

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 「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-



    日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。

    マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。

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 山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ

 株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント

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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態



「(8) 起訴」より続く

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(9) 検察側証拠開示



一、 起訴がなされた後、検察側の証拠が順次開示されていった。開

 示された証拠資料を謄写するため、被告人弁護側はコピー機を3台

 フルに使い、4~5人で手分けして謄写作業を行った。



二、 検察側開示資料のコピーが弁護人によって次々と私の独房に差

 し入れられた、 ―



 (1)平成8年4月22日差入、4月23日入房分、2人分の供述調書、6冊。

 (2)同年4月23日差入、4月24日入房分、12人分の供述調書、11冊。

 (3)同年4月24日差入、4月25日入房分、11人分の供述調書、12冊。

 (4)同年4月25日差入、4月26日入房分、捜査報告書等、14冊。

 (5)同年4月26日差入、4月27日入房分、捜査報告書等、4冊。



三、 独房に差し入れられた訴訟記録(開示証拠)の写しは、合計47

 冊にもなった。

  狭い独房が訴訟記録であふれるようになり、私は三列にうず高く

 積み上げて整理した。



四、 弁護人から、全てに目を通して平成8年4月29日までに、同

 意・不同意の一覧表を作成するように指示がなされた。



五、 私達は、被告人弁護人側の基本方針として、検察が開示した証

 拠は正しいものである限り進んで同意することにした。

  裁判を迅速に進め、できるだけ早く終結させることを望んでいた

 からである。 

  通常の脱税事件とは異なり、組合の経理は完全であり、不透明な

 金銭の流れは一切ないために、マルサ・検察の提出する原資料はそ

 のまま同意しても差しつかえなかったのである。



六、 房内で訴訟記録との格闘が始まった。検討する日数が限られて

 いる。それに一日の時間が自由に使えない。就寝時間とされている

 夜の9時から、朝の7時まではフトンの中でじっとしていなければ

 ならず、書類に目を通すこともメモを書くことも許されない。更に、

 就寝時間とされている夕方6時から9時までの3時間は、書類に目

 を通したりメモを書いたりは許されてはいたものの、事実上不可能

 に近かった。房内には手許に灯りがなく、高い天井に一つだけ18

 Wの蛍光灯がついているだけの薄暗い状態であり、元来眼がさほど

 よくない私には無理であった。



七、 しかし、窮すれば通ず、とはよく言ったものだ。半ば寝ぼけて

 いた私の脳細胞がフル回転を始めたのである。



八、 私は、検討結果をB4版の罫紙にまとめ、弁護人宛の「法人税

 法違反事件調書の同意・不同意一覧表」を作成し、平成8年4月30

 日、朝9時に接見に訪れた大野敏之弁護人に渡した。

  尚、B4版の罫紙は、房内自弁物品として買い求めたもので、一

 冊330円であった。



九、 敵性証人となり得る佐原良夫及び吉川春樹両人の供述調書につ

 いても、全部不同意とすることはせずに、部分的に不同意とするこ

 とにした。他の調書についても同様であった。

  それにしてもこれだけ大量の、しかも嘘の自白がギッシリつまっ

 た供述調書が用意されたのは、驚きを通りこしてあきれてしまった。

  総人数25人、この中には私も含まれており、私の供述調書の中

 には当然のことながら、嘘の自白は一つもなかったものの、他の24

 人の供述調書に関しては、それぞれ濃淡の違いこそあれ、嘘の自白

 のオンパレードであった。

  調書に眼を通し、吟味してみると、次から次へと嘘の自白が出現

 し、その度に赤線を引いて×印をつけていった私は、何回も気分が

 悪くなり、嘔吐しそうになった。



一〇、捜査報告書については、添付された原資料は間違いないもので、

 同意としたが、それに付されている説明は事実に反するトンチンカ

 ンなものであったので、不同意とした。

  またマルサが作成した資金のフローチャートは正確なものであり、

 同意とした。問題とされた16億5千万円の資金の流れだけでなく、

 補償金総額42億6千万円の資金の流れについても、整然とB4版

 のフローチャート図に表示されており、感心した。これらは確かに、

 マルサのプロとしての仕事であった。

  しかし、それらのチャート図に一定の意図を持って付された事実

 に反する説明については不同意とした。

  その他の査察官調査書についても、査察官の評価・憶測が入って

 いるものについては不同意とした。





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●山根治blog (※山根治が日々考えること)

http://consul.mz-style.com/catid/21



「スケコマシ」考-その3より続く

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・「スケコマシ」考-その4



  最近、東京の銀座とか青山の一等地に、世界的なブランドメーカー

 の販売拠点が次々にできています。

  日本の女性は高級ブランド品がどこの国の女性よりも好きだそう

 で、日本は世界のブランド品市場では極めて大きな割合を占めてい

 ます。

  服でもバックでも、目の玉が飛び出る位の価格のものが、次から

 次へと売れていく現実には驚きを通りこしてただ呆れるばかりです。

  老いも若きも、相当多数の女性が高級ブランドというだけで目の

 色を変える、男の側、しかもファッションなど全く興味のない私な

 どから見れば、不思議としかいいようがありません。



  スケコマシについてペンを進めているうちに、高級ブランドメー

 カーが、スケコマシに非常によく似ていることに気付きました。

  私は、テキヤ仲間の言葉であった“スケコマシ”について、「女

 性に身体だけでなく金銭をも貢がせる男」と定義した(「スケコマ

 シ考-その2」を参照)のですが、ブランドメーカーは女性達に身

 体までは貢がせませんので、今一度、“スケ”と“コマス”の原義

 に立ち返って考えてみます。



  新明解国語辞典によれば、スケが「カモになる女性」のことで、

 カモが「いいもうけの対象として利用される相手」とされているよ

 うですので、これに従えば、ブランドあさりをする女性は、立派な

 スケになる資格があるというべきでしょう。

  メーカーはそのスケをターゲットにして、ブランド戦略という名

 のマジックを施し、マインドコントロール下に置く、-まさに“コ

 マス”テクニックの真髄が駆使されているではありませんか。

  このように考えてくると、高級ブランドメーカーはスケコマシに

 よく似ているどころか、元祖スケコマシをしのぐスケコマシに思え

 てきました。

  ブランド品なるもの、ヨーロッパの街中で、デザイン・材質共に

 同等のレベルのものを求めようとすれば、十分の一、あるいは数十

 分の一位の価格で買える訳で、ブランドを付けるだけで、法外な価

 格で売りつけるのは、商売人としてはご立派と言うほかありません。



  私はテレビをよく見るほうですが、見ていて気分が悪くなるもの

 に出会うと直ちにチャンネルを変えることにしています。

  中でも、最近やたらとテレビに露出しているある女性占い師など、

 画面に出てきたらもういけません。大嫌いなゴキブリに遭遇した時

 に匹敵する位、全身の毛穴が開き、髪の毛が逆立ってしまうのです。

 オバタリアンの成れの果て、といったところでしょうか。



  この女性、無類の宝石好きのブランドマニアだそうで、醜悪とし

 か言いようのない厚化粧をして、全く不似合いな高価なブランド服

 を身につけ、夜店の屋台に並べられているような大きな宝石をあち

 こちにジャラジャラとくっつけて、ヌッと画面に出てくるのですか

 ら、たまったものではありません。こんな格好で人生相談などをもっ

 ともらしくやっている訳で、他人のことよりも、一度誰かに自分の

 人生相談を持ちかけてみたらいかが、と言いたくもなりますね。

  さすがに、ブランドメーカーもこの女性にはいささか困っている

 ようで、テレビ出演の際に、できることなら、自社ブランド品だけ

 は身につけて出ないようにと心から祈っているそうです。ブランド

 イメージに大きな傷がつくことを恐れているのです。



  高級ブランド品は、所詮、幻の商品であり、マジックのベールに

 覆われた幻影です。ブランドメーカーという名のスケコマシのマイ

 ンドコントロールから解放されたとき、ブランドマニアという名の

 スケは、かき集めた多くのブランド品が、資産価値のない単なるゴ

 ミでしかないことに気がついて驚くことでしょう。

  青山とか銀座に進出した豪華な拠点は、私にはバベルの塔ならぬ

 “バブルの館”のように映ります。日本女性が、ブランドメーカー

 の幻術によるマインドコントロールから醒めるとき、華麗なバブル

 の館はガラガラと音を立てて崩れることでしょう。



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 ここで駄作を一句。



   “スケコマシ俺のことかとシャネル言い” -アホウ松の逸笑。



(明治の昔、森鴎外は、ゲーテの作品をいくつか日本に紹介しました。

 Goethe。現代の日本語にはoe(オーウムラウト)の発音を表記する

 すべがありません。鴎外は苦心の末、ギョオテとしました。誰の句

 かは分かりませんが、-“ギョオテとは俺のことかとゲーテ言い”)

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