参考資料1 第三申述書


***1.第三申述書(平成6年2月)

 ※マルサに対して重要な証拠の開示を求めてに提出した申述書

第三申述書



広島国税局 収税官吏 藤原孝行殿



 平成2年9月6日、佐原良夫は、突然組合を訪れ、福山、増田、岡島の3名と会っております。この時の来訪の趣旨について、私は佐原から直接聞いてはおりませんが、同年9月終わり頃、吉川春樹から電話連絡があった際に、吉川から佐原が益田に行き、内緒でテープレコーダーをとっていたことを聞いていました。その記録を文書に起こして、私を業務上横領で告訴する際の、資料にするのが目的だったと思われます。佐原が組合に問い質したことは、平成2年4月10日の不動産売買契約が16億5000万円でなされたものであることの再確認と、売買予約契約書が組合と山根との間で結ばれた真正なものであるかどうかを確認し、当面佐原の手元に残留した4億円以外のお金の流れを探るのが目的だったようであります。

 9月6日、佐原が組合から帰ってすぐに、増田氏から私に電話連絡がありました。増田氏は、佐原はまったく知らないはずの私と組合との間の売買予約契約書のコピーを佐原が持ってきたことで驚いた、組合にとって、あまりいいような話ではない感じがしたので、具体的なことは積極的に話をしなかった、と言っておりました。

 平成5年9月28日の臨検捜査以降、組合の人たちに集まってもらい、9月6日佐原が何をしにきたのか、佐原が何を言ったのか、思い出せることがあれば、思い出してほしい旨お願いしましたが、3人ともはっきりとした記憶はないようでありました。ただ4月10日の契約について確かめにきたことだけは三人共記憶していました。

 『16億5000万円の契約は本当の契約ですよねと佐原が言ったから、それは当たり前のことだと自分は思った』と岡島信太郎氏は私に語ってくれました。更に岡島氏は、佐原が契約の確認をしたのに続いて、佐原はお金のことに触れ、16億5000万で売ったのであるが、金がみな自分の所に入っていないというような言い方を佐原がしていたと語っています。ただ、組合にとって、あまり良い話ではなかったような気がする、と3人とも話してくれました。

 さらに、岡島氏に対して、いい話じゃなかったと考え不安に思ったのはなぜですか、とお聞きしたところ、岡島氏は、山根は6年間12億円余りを佐原から預かってその一部を組合に融資しているわけであるが、あるいは佐原がその10億円をすぐに返せというのではないかということが不安だった、とその会合で述べております。 

 不安に思った原因の第2は、その時の話のなかでは出ませんでしたが、私の増田氏からの電話内容に関する記憶によれば、佐原が知らないはずの売買予約契約書のコピーを持ってきたことに、起因するようです。

 この売買予約契約書に関しては、私は事前に組合に対して、他の人には見せないで下さい、と要請していた事実があるからであります。私がそのように申し述べた趣旨は、この物件が千葉県の買い戻し条件が付けられたきわめて特殊な物件であり、陸中物産と組合との売買の事実およびその後の売買予約等が、明白な形で世間に出た場合に、千葉県当局としても、一定の行動を取らざるをえないことになるので、できるだけ表に出してもらいたくなかったからであります。佐原に対しても、この契約自身、できるだけ内密にするように申し渡していたのも、同じ趣旨からであります。

 したがって組合としては、このような話が前提となっていたために、私と組合以外知るはずのない売買予約契約書の写しが、売り主である佐原良夫の手に渡っていたために、不安に思ったのでないでしょうか。

 私は佐原とのトラブルがあった後に、直ちに、中村弁護士とともにお詫びを兼ねて、事情説明に組合に伺ったのでありますが(平成2年8月10日)、その時には、佐原とのトラブルの内容については一切話しておらず、恐喝を受けている事実も話していなかったのであります。当然、売買予約契約書の写しを佐々木に弁護士を通じて渡したとも話していませんでした。ただ、トラブルが発生したことは話していましたので、その人物が、私を介することなく直接、しかも予告もなく突然現われたことも、組合の人に不安を与えた要因であろうと思われます。

 この平成2年9月6日の佐原による組合来訪の事情について、この度の強制調査の際に、福山、増田、岡島の3氏は、それぞれ担当官から詳しく問い質されたようであります。後に私に話したと同じようなことを国税局担当官に申し述べたそうでありますが、その際、あまりいい話じゃなかった、と言った言葉をとらえ、担当官はそれは平成2年4月10日の契約が、本当は売買契約じゃなくて、譲渡担保による貸し付けだということを、佐原が言いに来たからじゃないか、としつこく問い質したそうであります。

 これはまさに、誘導尋問そのものでありまして、このことについては、平成5年9月29日、松江税務署において、私は大木、藤原、新本の3名に対して、強く抗議をしたところであります。私の抗議を受けて、9月28日の質問顛末書について、9月29日訂正がなされた由でありますが、その際にも、岡島、増田両氏が、申述したそのままのことが、質問顛末書には書かれていないようであります。それは、担当官が譲渡担保という言葉をしきりに持ち出したために、岡島氏が申し述べたことのようですが、自分が譲渡担保とか、貸し付けであるとかについて初めて耳にしたのは、最近のことであって、それはこの夏に広島国税局資料調査課の調査があった際に、国税局の篠原年氏が盛んに言っていたので記憶に残っている、と担当官に申し述べたにもかかわらず、質問顛末書には記載されなかったということであります。後日、岡島氏から私が聞いたところであります。

 平成2年9月28日および29日、30日、31日の益田の組合の組合員に対する質問顛末書をお調べいただきたく思います。この例が示すように、質問顛末書なる代物は、藤原孝行氏、あなたが臨検捜査の当日、私に申し述べた建前とはまったく違うものであります。あなたが私に「この質問顛末書は、嫌疑者が言ったとおりのことを記載するので、極端に言ったら、方言を使っているなら、その方言までその通りに記載しなければならないものだ。こちらの筋書きにそって、誘導尋問するようなことはありえないことだ。」と、言っているのに対し、現実には、国税当局が勝手に創り上げた筋書きに沿って、有無を言わさず、書かせていると言われても仕方のないものであります。

 岡島氏が、9月28日から29日に、国税局の担当官に対して、「譲渡担保とか貸し付けということを聞いたのは、ごく最近のことで、組合としては何のことかよくわからない。あくまでも、あれは買い取ったものであって、貸し付けなどではない」と岡島氏が述べているところは、真相を解明するうえで、きわめて重要なポイントであるにもかかわらず、国税当局にとって都合が悪かったのでしょうか、あえて、質問顛末書に記載していなかったのは先に述べたところです。私が厳重に抗議をしたために、しぶしぶながら、後から質問顛末書に付け加えたようであります。

 したがって、強圧的な雰囲気のもとで、作成され、署名するに至ったいくつかの質問顛末書は、必ずしも、任意に作成されたものと言いがたく、真相を解明するうえできわめて重要なポイントが故意に削除されていたり、事実が歪曲されているおそれがあります。

 9月6日の話し合いの内容について、私自らの記憶および組合員の記憶内容は以上でありますが、いま1人の当事者である佐原側の記録について、先に申し述べましたように、その時の会話内容が録音テープで保存されており、書面に書き起こしたものがあるという事実を以前から私は知っておりましたが、今回の佐原側の家宅捜索によって押収している事実も、藤原氏、あなたより確認したところであります。

 当初あなたは、この強制調査はあくまでも真相の解明が第一であるから、お互いに協力しあって、解明するのに尽力してほしい、と私に申しむけた経緯がありますが、私の方の資料は国税当局が不要なものを含めて、洗いざらい持っていっており、すべて出し尽くしているわけで、そのうえに、私は、すべての仕事を投げうって迅速な調査が進展するように協力し、あなたと約束をした申述書の作成を現実に実行しているところであります。

 私は真相を明確にするためには、当局が押収した佐原の録音テープおよびその書き起こした現物が必要であるので、見せていただくように要請したところ、あなたは当初、押収したものはあるにはあるが、何かよくわからないことが書いてあるだけだ、と言っていたのに対し、次には話が微妙に変わり、書き起こしたものは膨大な量なので、すぐには持ってこれない、と言うに至り、それでも私が要求したところ、年が明けた1月に私と会う時に持ってきて、コピーはできないが、見せることはしよう、と約束してくれたのであります。

 しかるに、平成6年に至り、先日改めてその要請をしたところ、新本修司氏との話ではありましたが、国税当局が必要と認めた場合には見せてもいい、というふうに変わってまいりました。平成6年1月17日午後1時すぎ、私は大木洋氏に、このことついて質し、私も協力しているのだから、ぜひ見せてくれるようにと申しむけたところ、こちらが押収した物件で、脱税嫌疑者に見せなければいけないものではないし、見せる必要はないものだ、というふうに変わってまいりました。あなた方が勝手に創り上げたシナリオが崩れるために、あえて隠匿しようというのでしょうか。

 私は、私に着せられた脱税と言う嫌疑をふりはらうために、無実の証明をしようとしているわけで、この9月6日の来訪の趣旨、その話の内容は、きわめて重要なものであります。

 契約当事者が出会ったのは、平成2年4月10日と同年9月6日の2回だけであり、しかも、私を交えずに出会ったのは9月6日だけであります。したがって、佐原の来訪の趣旨、話の内容は、本件の私と組合にかけられたまったくの言いがかりとも言うべき濡れ衣を晴らす大きな証拠となるものであり、あなたが真相の解明が第一だと申しむけたことが、真実その通りであるとするならば、私の前にその内容を開示すべきであります。ここに改めて強く要求するものであります。

 ただ、単に、これは私の脱税容疑を晴らすために必要であるばかりでなく、現在、佐原ほか2名に対して、告訴した恐喝事件ならびに佐原を告発した法人税法違反事件の捜査に際しても、重要な証拠となるものであります。仮に私に対して開示されない場合には、恐喝事件ならびに法人税法違反事件の捜査の際に、司法当局が開示を求めてくることになるでしょう。
以上



    平成六年二月八日
松江市魚町六九番地   山 根 治

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