引かれ者の小唄

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095 房内の所持品

***2.房内の所持品 一、 私は折にふれて、身の回りの物品を点検し、5平米余りの房内にある全てのものを具体的に書き出した。 二、 平成8年4月8日現在の房内棚卸しは次のとおりであった。 ****A.自弁購入品*****1.食品(購入金額は1日1000円に制限)リンゴ3個半、ミカン5個、キウイ3個、バナナ5本、森永キャラメル1箱半、コーヒー牛乳2、カフェ・オーレ1、ミニ羊かん8個、甘納豆半袋、黒あ […]

094 被勾留者の心得

***1.被勾留者の心得 一、 平成8年1月27日、逮捕された翌日の朝のことである。 担当看守が、視察窓ごしに、房内備え付けの2つの冊子をよく読んでおくように申し渡した。 一つは、「被勾留者所内生活の心得」(37頁)であり、 二つは、「被収容者遵守事項」平成6年7月1日達示第4号(9頁) である。 被勾留者といい、被収容者というのは、日本書紀の言葉によれば、“獄中囚”(ひとやのなかのとらへびと) […]

引かれ者の小唄 -勾留の日々とその後 [序]

***(序) 引かれ者とは、私が愛用している広辞苑によれば、「捕吏に捕えられ引かれていく者」、「江戸時代、引回しの刑に処せられた者」のことである。 逮捕勾留され、手錠腰縄つきで法廷に引っぱり出される刑事被告人は、さしずめ現代における引かれ者だ。引かれ者としては、引きずり回されてショボクしてばかりもいられない。敢えて肩肘を張ったり、鼻歌の一つも歌いたくなる。負け惜しみである。 引かれ者の小唄という。 […]

引かれ者の小唄 [目次]

***※「冤罪を創る人々」の続編。勾留の日々とその後。 【著者】 山根 治 (※弊社代表取締役) (序) 「引かれ者の小唄」 ― 勾留の日々とその後 (※2005-11-15公開) *****(第一章)勾留の日々+被勾留者の心得 (※2005-04-26公開)+房内の所持品 (※2005-05-03公開)+原体験への回帰 (※2005-05-10公開)+書写と古代幻視 (※2005-05-17公開 […]

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