裏金について -2
- 2007.12.11
- 経済事件ノート
※この文章は、弊社主任コンサルタントの山根治が山陰経済ウィークリーという雑誌に以前執筆したものを再掲したものです。 これはあくまでも仮定の話である。東証一部上場の会社であり、信用取引銘柄にも指定されている会社(仮にA社という)が、大物政治家であるB代議士に二億円の政治献金をする必要に迫られたとしよう。社長から資金捻出の指示を受けたA社の経理部長氏は、頭をかかえ込んでしまった。 税務上は寄附金処 […]
フォレスト・コンサルタンツ
※この文章は、弊社主任コンサルタントの山根治が山陰経済ウィークリーという雑誌に以前執筆したものを再掲したものです。 これはあくまでも仮定の話である。東証一部上場の会社であり、信用取引銘柄にも指定されている会社(仮にA社という)が、大物政治家であるB代議士に二億円の政治献金をする必要に迫られたとしよう。社長から資金捻出の指示を受けたA社の経理部長氏は、頭をかかえ込んでしまった。 税務上は寄附金処 […]
※この文章は、弊社主任コンサルタントの山根治が山陰経済ウィークリーという雑誌に以前執筆したものを再掲したものです。 昨年はいわば“献金”の当たり年ともいえる年であった。ロッキード事件の公判が衆目を集めている折から日商岩井の五億円献金問題が明るみに出、次いで密輸摘発に端を発したKDD問題へと続き、昨十二月十一日終わった第九十臨時国会においては、税理士法改正実現のために巨額の献金をした税理士会がやり […]
※この文章は、弊社主任コンサルタントの山根治が山陰経済ウィークリーという雑誌に以前執筆したものを再掲したものです。 東証二部の会社(東京証券取引所第二部市場に株式を公開している会社のこと)であるW社を分析しているとき、奇妙なことに気がついた。裏口入学ならぬ“裏口上場”が現在進行中ではないかということだ。 裏口上場(うらぐちじょうじょう)とは何か。また、何故私が裏口上場進行中と推測するに至ったか […]
***(序) 納税は国民の基本的な義務である。しかし、一口に納税といっても、立場によっては全く異なったものとなる。税金を取る側(国、税務署)は、できるだけ多く取ろうとし、税金を払う側(国民、納税者)は、できるだけ少なく払おうと考える。このような両者のせめぎ合いは今に始まったことではない。戦前にも存在したし、江戸時代、あるいはそれ以前にも存在した。 現代の日本は、主権在民を基本とする民主主義国家であ […]
***(8)問題点と対応策 以上の話にはいくつかの問題点が含まれている。 第一の問題点は、税務署OB税理士の行為は、明らかな犯罪であることである。まず、B税理士の行為は明らかに税理士法に違反しているにとどまらず、詐欺師まがいの手口は刑法にも触れるものであって、論評するまでもない。職業会計人としての矜持をうんぬんする以前の、極めて次元の低い問題であるからだ。不正もしくは不公正な手段によって生活の糧を […]
***(7)犯罪の構図 以上の話をまとめてみると、次のようになる-。 国税OBの顧問税理士が会社の脱税という弱みを握ったうえで、税務署員をダシに使って会社を脅して、もみ消し工作という芝居をうって会社から1000万円を巻き上げた。税務署員は将来の顧問収入というエサに飛びつき、会社の社長は税理士の芝居を真に受けて2000万円税金でもっていかれるよりは、1000万円税理士に払い、この税務署員を将来顧問に […]
***(6)謀議 税務調査の数日前、とある料理屋の一室。 B税理士とA税務署上席調査官とが一献を傾けながら、ひそひそ話にふけっていた。 「あなたも来年退官して税理士事務所を開くことになるんでしょうが、準備の方はどうですか。資格さえあればできるという時代はとっくに過ぎてしまって、現在は開業してもなかなか大変ですよ。私のところは幸いにもたくさんの仕事がくるので、何かとお力添えできると思いますよ。そこで […]
***(5)毒をもって毒を制す 数日が過ぎた。B税理士が会社にやってきた。 「この間の件は初めからなかったことにしてもらいました。上司である統括官に報告する前に手をうったために、なんとか揉み消すことができたんですよ。そこで約束の1000万円をいただきたいのですが、これは正式な形で受け取るわけにはいきません。会社の裏預金から出してください。当然のことながら小切手ではなく、現金でお願いします。申すまで […]
***(4)密談 社長と税理士の密談が始まった。 「社長さん、私は今、税務署の資料を全部見せてもらいましたが、実に克明に調べていますよ。反面調査(はんめんちょうさ。取引の相手先を調べること)によって集めたものでしょうね。いつか社長から打ち明けられた人件費の水増し、つまり架空人件費については幸いにもまだ気がついていないようです。この人件費関連をいれると、申告漏れは3年間で軽く5000万円は超えます。 […]
***(3)税務調査 翌日。午前10時から税務調査が開始された。会社にやって来たのは50才半ば過ぎの上席国税調査官の肩書をもつ人物であった。 社長も必ず同席するようにとの指示があったため、D社長はやむなく調査に同席し、質問に答えることになった。 Bセンセイがいてくれるから大丈夫だろう、とは思うもののやはり落ち着かない。朝、元気付けにキュッとやってきたコップ酒が効いてきた。30分余り書類をひねくって […]