2014年10月

「福沢諭吉の正体」-⑫

 福沢諭吉は、広辞苑によれば「思想家・教育者」(「福沢諭吉の正体-①」参照)だそうである。  教育者についてはすでに述べた通りなんともオソマツなものであった。当時の西欧の学問のごく一部、しかも皮相的かつ初歩的な部分を実学と称して日本に紹介し、鼓吹しただけの人物だ。現在の学習塾とか予備校の経営者と変るところはない。教育者というよりも、慶応義塾というレベルの低い学習塾の経営者であったということだ。   […]

「福沢諭吉の正体」-⑪

 前回述べたように、日本の正史の記録(日本書紀)は、伝承されたままのものを素直に読む限り、福沢諭吉が述べていることとは相いれない。  改めて、古田武彦が引用している部分(「福沢諭吉の正体-⑩」)を拡大して、ここに引用する。「我(わが)日本国に於(おい)ては、古来今(こらいいま)に至るまで真実の乱臣賊子(らんしんぞくし)なし。今後千万年も是(こ)れあるべ可(べか)らず。或(あるい)は今日にても狂愚者 […]

「福沢諭吉の正体」-⑩

 『学問のすすめ』冒頭の一句、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」が、そもそも福沢の思想になじまないと古田武彦が論断し、安川寿之輔氏が追認しているのは尋常のことではない。まさに福沢諭吉の思想の根幹にかかわることであり、福沢の全人格をも規定しかねないことだからだ。  古田は論断するにあたって、福沢の『帝室論』の一節を引用する。「我日本国に於(おい)ては、古来今に至るまで真実の乱臣賊子なし。 […]

「福沢諭吉の正体」-⑨

 前回述べたように、福沢諭吉は日本の一般大衆を見下し、馬鹿扱いしていた。江戸時代の、 +士 +農 +工 +商 +エタ・非人 のうち、自らの所属する1.の士、つまり武士階級と公家(くげ)、更には2.~3.のうち経済的に豊かな豪農・豪商のみを日本国民とし、2.以下の貧しい農・工・商・エタ・非人は一段低い階層に属するものと考えていたのである。差別されていたのはエタ・非人(明治になってから新平民と呼称)だ […]