2007年9月

冤罪の構図 -17

 冤罪とはつまるところ、もともと犯罪ではないことをあたかも犯罪であるかのように偽って、無実の人を犯罪人に仕立てることです。中には検察官が真実罪を犯したと心から信じ込んでいるケースがあるかもしれませんが、私の体験を通して言えば、それらは例外的なものであり、大半が冤罪であることを承知の上で起訴に持ち込んでいるのではないか、結果的にたまたま冤罪であったというのではなく、はじめから冤罪を知悉(ちしつ)した […]

冤罪の構図 -16

 検察官がデッチ上げた数多くの供述調書の中でも、初めから終りまで嘘で塗り固めたものがありました。検察側が創り上げた架空のストーリーにピッタリ合うように作成されており、一見理路整然とした、極めてよくできた“立派”な供述調書でした。できすぎていたと言ってもいいでしょう。実際の取引にほとんどタッチしていない二人の関係者から、彼らが知っているはずのないことまで微に入り細にわたって聞き出したようになっていた […]

冤罪の構図 -15

 濱平裕行氏は常務取締役、平岩弓夫氏は副社長、ともに日興証券という大手証券会社の経営者であった訳ですが、オーナー経営者ではありませんので基本的には一般のサラリーマンと何ら変るところがありません。あるいは、サラリーマンでなくとも誰にでも起りうることで、決して他人ごとではありません。まさに明日は我が身です。  私達が、刑事事件に直面して、供述いかんによっては自分だけでなく他人をも罪に追いやる可能性があ […]

冤罪の構図 -14

 嘘の自白を何故するのか、新井将敬氏のケースに即して改めて考えることにいたします。  濱平裕行氏(元.日興証券常務)と平岩弓夫氏(元.日興証券副社長)が、検察の偽りのストーリーに沿うような嘘の自白をするに至ったのは、検察による利益誘導と脅しがあったからでした。  まず利益誘導については、新井将敬氏の件だけ検察の言い分を認めれば、日興証券トップにまでは波及させないといった裏取引があったものと考えられ […]