2008年9月

歴史的文化財の破壊と談合疑惑 -5

 このところ、考古学とか歴史学に携(たずさ)わる専門家だけでなく、一般市民の多くから「家老屋敷遺跡」を壊すべきではないという声が強くなってきました。キチンとした調査と学術的な評価をして保存した上で、松江城と一体となった地元の宝として、教育と観光とまちづくりに役立てるべきではないかという訳です。  そこで浮上してきたのが、なんとも姑息(こそく。その場のがれ、ということです)な妥協案でした。 「現在計 […]

歴史的文化財の破壊と談合疑惑 -4

 近世考古学の第一人者と目されている、坂詰秀一・立正大学名誉教授によって“松江の宝”とまで絶賛された家老屋敷遺跡。それを跡形もなく壊して建設されようとしているのが、松江市歴史資料館です。「初めに建設ありき」とばかりに、形式的に調査をしたことにして、記録保存(調査記録を残すだけで遺跡そのものは完全に破壊するということです)の道をひたすら突っ走っているのが松江市当局です。 調査中に重要な遺跡が発見され […]

歴史的文化財の破壊と談合疑惑 -3

 前回、落札率が99.6%であることを示し、全国市民オンブズマン連絡協議会が定めている基準によれば、「談合の疑いが極めて強い」ことを記しました。  しかし、これはあくまで、客観的な数字として残っている6つの中から2つだけを抽出して計算した数値でしかありません。もちろん、これはこれで重要な意味を持ってはいるのですが、より談合の実態に迫っていくためには、その他の4つの数字はもちろんのこと、数字としては […]

歴史的文化財の破壊と談合疑惑 -2

「目は口ほどにものを言い」 とか、あるいは、「目は心の窓」とも言われています。内に秘めた思いは目に表われ、口で発する言葉以上に雄弁に物語る、というほどの意味合いです。  お金、あるいは広く数字といってもいいでしょうが、これらについても同じようなことが言えるようです。「お金とか数字は隠された真実を雄弁に物語る。」ということです。  無機質のように見えるお金や数字ですが、扱い方によっては真実を浮き彫り […]

歴史的文化財の破壊と談合疑惑 -1

 談合(だんごう)についての取締りが厳しくなり全国的に摘発されるケースが多くなってきました。私の住んでいる島根県は、国会議員だけでなく、県議会でも市町村議会でも保守勢力が圧倒的多数を占めており、長年保守王国の名をほしいままにしてきました。批判勢力の声はほとんど無視され、保守勢力による傍若無人の振舞いは目に余るものがありました。  談合についても、当然のこととして横行し、談合に直接かかわる業者はもち […]