2009年3月

100年に1度のチャンス -号外3

 トヨタ自動車が3,500億円の赤字に陥った場合の1年間の資金繰り(キャッシュフロー)について考えてみます。計算をするのに際して、次の4つの前提を置くことにいたします。 ^^t ^cx^内容 ^cx^金額 ^cx^備考 ^^ ^1.当期純損失 ^rr^△ 3,500億円 ^ ^^ ^2.減価償却費 ^rr^1兆4,000億円 ^平成20年3月期は1兆4,900億円でしたが、平成21年3月期は新規投 […]

100年に1度のチャンス -24

 会社の純資産(自己資本)にマトを絞って、自動車3社(トヨタ・ホンダ・日産)、総合電機3社(東芝・日立・三菱電機)、家電3社(パナソニック・ソニー・シャープ)に関する分析記事がかなりのスペースを割いて新聞に掲載されました(日本経済新聞、平成21年2月24日付)。いかにももっともらしい内容に仕上ってはいますが、随所にピント外れの記述や、誤った記述が見受けられ、私が常日頃(つねひごろ)愛読している週刊 […]

100年に1度のチャンス -23

 そこで日本を代表する優良企業とされてきたトヨタ自動車の真実の姿を炙(あぶ)り出してみることにしました。  例によって、過去5年分の有価証券報告書をネットから引っ張り出してザッとナナメ読みしてみました。ナナメ読みというのは、有価証券報告書の要点だけを拾い読みすることで、一期分(トヨタの平成20年3月期であればA4版で168ページです)について10分もあれば十分です。5期分で1時間弱。尚、このように […]

100年に1度のチャンス -22

 前回述べた、『経済成長神話は幻(まぼろし)である』という命題(めいだい、一つの判断の内容を、整った言葉で表わしたもの、-新明解国語辞典)が思い浮かび、それが正しいと確信するに至ったのは、トヨタ自動車と日産自動車の経営分析をした結果、想定外の結論に達したことからでした。  私が分析の対象としたのは、2つの会社ともに、昨年の9月のリーマン・ブラザーズの破綻以前、つまり、金融危機が表面化する前の、平成 […]

100年に1度のチャンス -21

 先に挙げた4つのキーワード、 +工業立国 +貿易立国 +大量消費 +食料輸入 の外に、日本社会において当然のように考えられている大前提として経済成長があります。  このところ、日本経済新聞のような経済紙だけでなく、一般紙においても経済マターは一面に取り上げられることが多くなってきました。ことに、昨年12月時点のGDP速報値(四半期)が、年率にして12.7%と、石油ショックの時以来35年ぶりに2桁 […]

100年に1度のチャンス -号外2

 今から50年ほど前、GDPの問題点について鋭く指摘したジャーナリストがいました。朝日新聞の論説主幹として健筆を揮(ふる)った笠信太郎(りゅう しんたろう)氏です。戦後の高度成長期に突入していた日本経済の危(あや)うさを、落語の“花見酒”にたとえて「花見酒の経済」と評し、その破綻を警告した論客として有名です。お亡くなりになってから40年、極めて分かり易い語り口で、他からの借りものではない自らの言葉 […]

100年に1度のチャンス -20

 次に3.の大量消費について。  第二次大戦が終ってから、日本は、政治・経済だけでなく生活全般にわたって覇権国家アメリカに依存し、アメリカ人のライフスタイルを進んで取り入れるようになりました。中でも、日本社会に染(し)み付くまでになった悪弊は、モノを大切に扱わない「使い捨て」のスタイルです。 もともと、日本には米粒一つも疎(おろそ)かにしない食文化があり、使い古したものを大切に扱うリサイクルの文化 […]