2010年8月

脱税摘発の現場から-8

***8.脱税・冤罪事件の3つの原因(承前)  前回、税理士制度について述べ、そこに2つのガンが巣食っていることを指摘した。税理士会への加入が強制されており、加入しない限り税理士の資格はあっても税理士業務は一切できないこと(強制入会制)、税理士業務は税理士の独占業務とされており、一般の人がたとえ無料で行なったとしても罰せられること(税理士業務の無償独占性)、この2つである。  この2つのうち、とり […]

脱税摘発の現場から-7

***7.脱税・冤罪事件の3つの原因(承前)  日本国憲法は、納税の義務を定めている(憲法30条)と同時に、法の定めによらなければ税の徴収ができないこと(憲法84条)、及び、法定手続によらなければ刑罰を科することができないこと(憲法31条)を定めて、納税者の権利を保障している。  ところが、現在の日本の税制では税理士法を含めて、納税者の義務に偏重しており、納税者の権利がなおざりにされている。今年に […]

脱税摘発の現場から-6

***6.脱税・冤罪事件の3つの原因  私の冤罪事件だけでなく、次から次へと脱税に関する冤罪事件が発生している現実。  何故このようなトンデモないことが白昼堂々と、しかも国家の名において、あるいは社会正義の名において、繰り返されるのか。その原因は何か。  私が辿りついた結論は次の3つ、これこそ脱税・冤罪事件が繰り返される原因である。  一つは、司法制度においてチェック機能が欠落していることである。 […]

脱税摘発の現場から-5

***5.隠れマルサ-料調の実態(承前)  この半年ほどで受けた料調事案の相談は3件であった。東京国税局、名古屋国税局、広島国税局、それぞれの資料調査課による調査である。  3件のうちの1件は、調査開始直後の相談であったために、立会を引き受けて料調側と十分に話し合いができたことから、料調側が突きつけてきた脱漏額を大幅に削減することができただけでなく、不正認定もゼロとすることができた。立会人と料調と […]

脱税摘発の現場から-4

***4.隠れマルサ-料調の実態  査察事案以上に私のところに相談がきているのが、隠れマルサとも称されている「料調」(リョウチョウ)事案である。ここにいう「料調」とは、各国税局に設置されている資料調査課による税務調査のことだ。法律上は通常一般の税務調査の体裁をとるものの、その実態は強制調査であるマルサと酷似している。隠れマルサとも、あるいはミニマルサとも称されている所以(ゆえん)である。ネライはズ […]