島根原発と御用商人-⑥

 島根原発には表と裏の二面性があり、裏を取りしきっているのが原発マフィアだ。すでに述べたところである。



 島根原発における原発マフィアは、細田博之代議士(「島根原発と御用商人-②」参照)、父親・細田吉蔵代議士の「ジバン」「カンバン」「ソロバン」を引き継いだ世襲議員である。

 この世襲議員、「ジバン」は島根一区、県都松江市を中心とする選挙区だ。しかし、松江市出身ということにはなっているものの、主に選挙の時だけ地元・松江市に帰ってくる「よそ者」、といった印象だ。

 東京大学法学部を出て当時の通産省に入省し、原発政策を所轄する通産官僚として、原発が核兵器工場でありいかに危険なものであるか知悉していた人物だ。キャリア官僚としての原発マフィアの誕生である。しかも議員の世襲をするために退官したのが昭和61年、ウクライナ共和国のチェルノブイリ原発で世界規模の大事故が起った年だ。

 島根原発1号機(出力.46万kw)はすでに稼働しており、2号機(出力.82万kw)は2年前の昭和59年に着工されたばかり。更にもう一つ、3号機(出力.137万kw)の建設に向けて、地元・松江市での根回しが行われていた。チェルノブイリ原発事故を受けて、原発立地県である島根県でも反原発の気運が盛り上っていたのはいうまでもない。

原発マフィアの意を受けて、地元の根回しに動いたのは次の三人だ。
+丸 磐根(山陰合同銀行頭取。当時は副頭取)
+皆美健夫(松江商工会議所会頭。当時は副会頭。皆美館社長)
+山田一郎(島根女子短大学長。元島根大学学長)
 この三人、しばしばマスコミに登場し、

「原発は二酸化炭素を全く出さない。クリーンである。原発エネルギーは、地球温暖化を防ぐための地球にやさしいエネルギーだ。」

などと、原発マフィアがデッチ上げた偽りの宣伝文句をまことしやかに吹聴した。島根県民を騙(だま)すためである。
 この三人は、原発マフィアの片棒を担いだだけではない。
 斐伊川治水事業(総工費7,000億円)は、法律の定め(費用対効果を勘案すべしとする法律)による限り、7,000億円のうちの実に6,000億円以上が法律の規定に違反する疑いがある公金の支出であることが判明している(「粉飾された2兆円」、「斐伊川治水事業の費用対効果及びシミュレーションに関する国交省との意見交換について」参照)が、この三人は、国土交通省とタッグマッチを組んで公金の違法支出に積極的に加担した。しかも、丸磐根と皆美健夫の二人は、自分の会社(それぞれ山陰合同銀行と皆美館)の利益を図るために、国家の治水事業に口をはさみ、強引に事業計画を変更させた実績(河川区域の変更)がある。この事業計画の変更は、松浦正敬・現松江市長を抱き込んで行われた大がかりな裏工作であった。松江商工会議所会頭(丸磐根は皆美健夫の後を受けて、松江商工会議所会頭になっている)という公的立場を利用して私利私欲を図ったということだ。我田引水であり、汚職行為である。
 更にこの二人は、巨大な産業廃棄物処分場をつくろうとしてシャカリキになったことがある。島根県と鳥取県との間に位置する汽水湖・中海の4分の1を埋め立てて日本一のゴミ捨て場にしようとしたのである(「亀井静香は守旧派か?-1~2」」参照)。今にして思えば、このゴミ捨て場の利権は、金額にすれば裏・表合わせるとゆうに1兆円に達する巨大なものであった。裏の部分をとりしきるのがホンモノのヤクザ組織であることは言うまでもない。
 この時、松江商工会議所青年部をとりしきり、ゴミ捨て場の利権漁(あさ)りに奔走したのが山本隆志(山本漆器店社長、元松江JC理事長)(講演「大義名分なき公共工事-大手前道路、大橋川改修、八ッ場ダム-資料」参照のこと)である。この山本隆志のもとで不正な利権(特に場外舟券売り場・ボートピア松江の誘致に伴う裏金)を求めて動きまわっていたのが錦織伸行(「亀井静香は守旧派か?-1~2」参照)だ。私を冤罪(「冤罪を創る人々」参照)に陥(おとしい)れた連中の一人である。

(この項つづく)

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 ここで一句。

 

”七十年前に比べりゃ天国だ” -下関、猫オババ

 

(毎日新聞、平成27年9月27日付、仲畑流万能川柳より)

(天国?ハテサテ。)

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