島根原発と御用商人-④

 島根原発についてはタブー(その社会(席)での禁句-新明解国語辞典)がある。表向きは中国電力という東証一部上場会社が管理・運営していることになっている。しかし、3つの島根原発の建設・維持管理に関しては、裏の組織が深くかかわっていることだ。



 裏の組織。あるいは原発マフィアと言い換えてもいいかもしれない。裏の組織であるから、決して表に顔を出すことはない。

 この表と裏の使い分けは、原発そのものの二面性によるものだ。表向きは、発電所ということになっているが、真実は核兵器製造工場であるという二面性だ。

 主たる生産物は核兵器(プルトニウム)、従たる生産物(廃物利用)が電力という構図になっているにもかかわらず、日本では主たる生産物である核兵器は、使用済み核燃料、即ち、核廃棄物とされゴミ扱いされている。つまり、発電所といっても電力を生み出すエネルギーは、核兵器工場の廃熱であり、その一部(約3分の1。残り3分の2は海に放出)を電力に換えているだけのものだ。国民の眼を欺く原発マフィアによるトリックだ。

 使用済み核燃料の一部は海外で精製されてプルトニウム(核兵器)となっている。現在、日本が保有している核兵器(プルトニウム)の量は次の通りだ。

(1) 国内に保管されているプルトニウム
       10,833kg
(2) 国外に保管されているプルトニウム
1.イギリス 20,002kg
2.フランス 16,310kg
     計 36,312kg

(1)(2)の合計 47,145kg
     (内閣府・原子力政策担当室。平成25年12月末現在)

 この量は、核兵器に換算すれば、次の通りである。

(1) 核兵器1発当たりのプルトニウムを4kgとした場合
        9,078 発分
(2) 核兵器1発当たりのプルトニウムを8kgとした場合
        4,539 発分

 核兵器換算については、アメリカ、ソ連など他の核保有国の数値が定かには公表されていないため、単純に比較することはできないが、9,000発分(4kg換算)といい、4,500発分(8kg換算)といい、核兵器の数としては半端な数値ではない。あるいは、アメリカ、ソ連に次ぐ世界第3位の核保有国ではないか。もちろん、中国の核保有量をも上回っているものと思われる。

 日本は表向き、核兵器を
  ①作らず
  ②持たず
  ③持ち込ませず
という「非核三原則」を堅持することを言明(昭和42年12月11日、佐藤栄作首相が衆議院予算委員会で言明)し、最近も安倍晋三首相が、安保関連戦争法案の審議の場で「非核三原則」の堅持を確認している。
 しかし、二人の発言は共に嘘である。佐藤栄作は岸信介の弟、つまり安倍晋三の大叔父だ。岸信介も佐藤栄作も、東大マフィアの一員として日本を太平洋戦争へと導いた中心人物だ。
 佐藤栄作は、「非核三原則」などという大嘘を、首相の立場で国会において言明したゴホウビにその筋からノーベル平和賞が与えられている。昭和49年のことだ。
 アメリカの核兵器開発に貢献し、広島が原爆による大量殺戮(さつりく)の実験場所に選ばれたことを事前に知っていた湯川秀樹(湯川秀樹が原発マフィアの一員であったこと、および原爆投下の3ヶ月前に実験場所として広島が選ばれたことを知り、親しい知人に疎開を勧めていたことについては、鬼塚英昭著「原爆の秘密.国外編、国内編」に詳しい)に、日本人初のノーベル物理学賞が授与されたのと同様、国際的原発マフィアによる計算され尽した小細工だ。共に、日本国民の原爆(原子力)アレルギーを緩和するための目晦(めくら)ましである。
 安倍首相の祖父・岸信介も、大叔父・佐藤栄作も共に、東大マフィアの一員であっただけではない。戦争大国・アメリカの手先として、原発マフィアの役割をも担っていたのである。

(この項つづく) 

 ―― ―― ―― ―― ――
 ここで一句。

 

”晴れ男出逢ってしまった雨女” -下関、猫オババ

 

(毎日新聞、平成27年9月17日付、仲畑流万能川柳より)

(陰陽和合、めでたくもあり、めでたくもなし。)

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