ゲームとしての犯罪 -11

まず第一のステップ。基準時点(平成18年1月16日)における、被害者の持株734,592千株の購入原価(買いコスト)を推計してみることにします。



この734,592千株の内訳については、既に<表2>(ゲームとしての犯罪-3)において明らかにしていますが、ここにその要約を再掲いたします。

***<表6>基準日における被害者の持株数(分割換算)
^^t
^
^cc”^被害者持株(千株)
^cc”^備考
^^
^1.上場前
^rr”^122,400
^
^^
^2.上場時公募
^rr”^30,000
^平成12年4月6日
^^
^3.公募
^rr”^80,000
^平成15年10月1日
^^
^4.公募
^rr”^60,000
^平成16年4月23日
^^
^5.MSCB
^rr”^268,947
^平成17年3月10日~同年4月15日
^^
^6.ストック・オプション、交換
^rr”^116,624
^
^^
^7.堀江貴文売却分
^rr”^56,621
^平成17年6月27日、4千万株売却他
^^
^cc”^合計
^rr”^734,592
^
^^/
<表6>をもとに被害者の買いコストの推計を試みることになりますが、ライブドア株は上場会社株式の中でも特異な存在ですので、その特異性に着目していくつかの仮定を置くことにいたします。
その特異性とは何か。上場以来4回の株式分割(通算3万分割)を敢行し、発行済株式数が10億株を超え、一株当りの株価がこれ以上分割できないような水準にまで低下していることです。更には、会社の実態が上場時点からゴマカシのオンパレードであることと相まって、ギャンブル銘柄と言ってもいいほど投機性の高いシロモノになっており、そのためでしょうか、日々の売買が異常に多いことです。

平成17年中にライブドアの株価が初めて500円台に乗せたのは8月17日。翌8月18日は、堀江貴文氏が自民党本部で武部勤幹事長と共に記者会見して総選挙の出馬を表明した日であり、この日の出来高は182百万株(浮動株734百万株の24.8%と4分の1!)にものぼっています。
この500円台に乗せた日から、ライブドアが強制捜査を受けた平成18年1月16日(基準日)までの5ヶ月間の出来高(株式の売買成立高)を集計してみますと、その累計は、

***<表7>基準日前5ヶ月間の出来高
^^t
^cc”^期間
^cc”^出来高(千株)
^^
^1.平成17年 8月17日~ 8月31日
^rr”^377,881
^^
^2.平成17年 9月 1日~ 9月30日
^rr”^339,979
^^
^3.平成17年10月 3日~10月31日
^rr”^167,743
^^
^4.平成17年11月 1日~11月30日
^rr”^793,922
^^
^5.平成17年12月 1日~12月30日
^rr”^606,226
^^
^6.平成18年 1月 4日~ 1月16日
^rr”^278,273
^^
^cc”^合計
^rr”^2,563,964
^^/
と、実に25億63百万株にも達しています。
この5ヶ月の間、堀江貴文氏の持株180,978千株と(株)フジテレビの持株133,740千株とは全く動いていませんので、発行済株式総数1,049,310千株との差額734,592千株(<表6>の被害者の持株数と同じ)だけが売買されて動いたことになります。
7億34百万株の株式が、延で25億63百万株、取引されたことになりますので、この5ヶ月間で3.49回転(25億63百万株÷7億34百万株)したことになります。
ことに、株価が700円台に突入した平成17年12月13日から平成18年1月16日までの1ト月ほどの売買高の累計は606,226千株に達しており、0.82回転(6億6百万株÷7億34百万株)しています。ちなみに、12月13日と12月26日にはこの年の最高値である794円を付けています。

これら直近5ヶ月間、直近1ヶ月間の株価の推移と取引高の動向をふまえ、浮動株である734、592千株の大半が総入れ替えされたものと見做しました。平均単価は500円と仮定。具体的に言いますと、

<表6>の5、6、7、つまり、
^^t
^5.MSCB
^rr”^268,947千株
^^
^6.ストック・オプション、交換
^rr”^116,624千株
^^
^7.堀江貴文売却分
^rr”^56,621千株
^^/
については、全て入れ替わったものと見做し、その平均単価は500円としました。

<表6>の1、2、3、4、つまり、
+上場前122,400千株については、その95%が入れ替わり、5%が持ち続けられているものとし、
+上場時公募30,000千株については、その90%が入れ替わり、10%が持ち続けられているものとし、
+公募80,000千株と 4.公募60,000千株とについては共に20%が入れ替わり、80%が持ち続けられているものと仮定しました。
ちなみに、1.の122,400千株の取得価格は一株0.13円、2.の30,000千株の取得価格は一株200円、3.の80,000千株の取得価格は一株640円、4.の60,000千株の取得価格は一株637円ですので、これらの取得価格とか各期末の主要株主の状況等を勘案して、上記のように、売却しないで持ち続けている割合を、
+で5%
+で10%
+で80%
+で80%
と仮定したのです。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“また今日も勝負下着は試合ナシ” -柏原、柏原のミミ。

(毎日新聞:平成18年6月24日号より)

(ご健闘を祈る。)

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