冤罪を創る人々vol.60

2005年05月03日 第60号 発行部数:374部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●(第五章)勾留の日々

「一.被勾留者の心得」より続く
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二.房内の所持品

一、 私は折にふれて、身の回りの物品を点検し、5平米余りの房内
にある全てのものを具体的に書き出した。

二、 平成8年4月8日現在の房内棚卸しは次のとおりであった。

A.自弁購入品

1.食品(購入金額は1日1000円に制限)

リンゴ3個半、ミカン5個、キウイ3個、バナナ5本、森永キャ
ラメル1箱半、コーヒー牛乳2、カフェ・オーレ1、ミニ羊かん8
個、甘納豆半袋、黒あめ、カンロあめ少々、ポテトチップス1袋、
かっぱえびせん1袋、ミニチーズ5、昆ベー1袋、梅干2、ノリ佃
煮2、七味唐がらし11コ、仁丹(百八十粒入1パック)。

2.食品以外

マンダムのヘヤトニック、ヘヤリキッド、クシ、ハブラシ、デン
ターTライオン、牛乳石鹸、石鹸箱、ボールペン(青、黒、赤各一
本)、下敷、ノート3冊(雑2、訴訟用1)、赤青鉛筆1本、HB
鉛筆1本、鉛筆キャップ3つ、鉛筆入れ、消しゴム、耳かき、ハシ、
ハシ箱、プラスチック食品容器3、電気カミソリ(アルカリ乾電池
2本入り)、チリ紙(大)1、タオル(ピンク)2本、コップ1、
封筒少々、便箋1、罫線用紙1。

3.自弁持込もしくは差入品

本三冊(万葉集、酔って候、オール読物3月号)、メガネ(老眼、
近眼)、メガネふき2、メガネケース2、古語辞典、コンサイス国
語辞典、法人税申告の手引、ザブトン、シャツ3、モモヒキ3、パ
ンツ(厚3、薄1)、セーター2、くつ下(厚2)、トレーナー上
下、皮オーバー1、ジャケット1、ズボン1、ワイシャツ。

B.官から貸与されているもの

1.官本

「とかげ」吉本ばなな、「つぶての歌吉」安部譲二、「ばれてもと
もと」色川武大。

2.備品等

掛けふとん2、敷ふとん1、毛布2、シーツ1、マクラ、マクラ
カバー、襟布、机、衣類入(カゴ)、洗面器、雑用水容器、ほうき、
はたき、ちりとり、やかん、くず入れ、柄付きたわし、ナイロンた
わし、ふきん、雑巾2、柄付きたわし入れ、荒石鹸、磨き粉、磨き
粉入れ、衝立、スリッパ、エモンかけ、カレンダー、トイレ、流し
台。

三、 同年5月14日現在の房内棚卸しは次のとおりであった。

A.自弁購入品

1.食品

リンゴ(白1、赤2個)、キウイ5個、バナナ5本、キャラメル
2箱と5個、森永コーヒー牛乳1箱、ミニ羊かん11個、あんぱん
1個、甘納豆半袋、ミニチーズ2個、かっぱえびせん1袋、カンロ
あめ1袋半、黒あめ1袋と1/3、のり佃煮1袋半、梅干1、七味
唐がらし12コ、仁丹(百八十粒入4パック)。

2.食品以外

タオル(ピンク)2本、ノート3冊(雑記、万葉集、訴訟用)、
便箋、封筒、下敷、ボールペン(赤、青、黒)3本、消しゴム1、
シャープペン1、同替芯1、色鉛筆(赤青)1本、鉛筆(黒)1本、
鉛筆キャップ3、筆入れ1、耳かき1、石鹸1、石鹸箱1、歯ブラ
シ1、デンターTライオン1、マンダムヘヤトニック1、マンダム
ヘヤリキッド1、チリ紙、電気カミソリ1、アルカリ電池2、ハシ、
ハシ箱、アクルリ直線定規1、プラスチック食品容器3、クシ1。

3.自弁持込もしくは差入品

岩波古語辞典、広辞苑、学研漢和大字典、中西万葉集(二、三巻)、
小説「われもまた剣法者」、手紙7、はがき8、座布団1、メガネ
(老眼、近眼)、メガネふき2、メガネケース2、スーツ1、ズボ
ン2、パジャマ上下、トレーナー上下、ワイシャツ2、シャツ3、
ズボン下3、パンツ4、くつ下2、ハンカチ2、裁判関係資料47
冊。

B.官から貸与されているもの

1.官本

高橋治「夜光貝岬」講談社、黒岩重吾「剣は湖都にも燃ゆ」文芸
春秋、小川環樹「談往閑語」筑摩書房。

2.備品等
同年4月8日現在の棚卸しと同じ。

(続きはWebサイトにて)
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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
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「ホリエモンの錬金術 -7」より続く
http://www.mz-style.com/item/295

・ホリエモンの錬金術 -8

平成11年11月5日、有馬晶子さんの持株120株の全てが堀
江さんに譲渡されます。譲渡価格は一株300万円、総額で360
百万円。株式の移動理由は「売却人の資金化の必要」(新株発行届
出目論見書73ページ)とされています。ところが、この120株
の移動について同目論見書76ページ(注5)では、「資金調達を
目的とする発行」であるとして、明らかに事実に反する虚偽の記載
がなされています。

実は、ホリエモンが有馬晶子さんから120株を一株300万円
で購入したと言っていることは、単なる部分的な虚偽の記載にとど
まるものではありません。
この時に3億6千万円(300万円×120株)という購入資金
は実際には動いている形跡がありませんので、この取引そのものが
架空のものである可能性が高いのです。

何故このような小細工がなされたのでしょうか。それは、前回指
摘した一株300万円という、額面の60倍にもつり上げた会社の
株価を、いかにも現実らしく装うためであると考えられます。つま
り、共同経営者である有馬晶子さんの株式を一株300万円で購入
したように見せかけて、一株300万円という評価額が現実的なも
のであるかのように世間を欺いているらしいです。
この3億6千万円の株式売買が架空取引である(らしい)ことは、
ホリエモンのトリックを破るためのキー・ポイントとなるものです。
私の推断は、決して水かけ論に終わるものではありません。
借名株(有馬純一郎の名前を騙ったホリエモン所有の株式)とも
密接に関連していますので、回を改めて詳述いたします。

平成11年12月17日、堀江さんは、大和証券エスビーキャピ
タル・マーケッツ株式会社(現、大和証券SMBC)と株式会社光
通信パートナーズに対して、持株700株(580株+120株)
のうちから、それぞれ、30株と10株とを譲渡しています。一株
300万円、総額はそれぞれ、9,000万円と3,000万円。
この譲渡についても、同じ(注5)が付けられ、「資金調達を目的
とする発行」と虚偽の記載がなされています。この二者に対する株
式譲渡は、ホリエモン・トリック(評価のつりあげ)のいわばアリ
バイ作りに使われたと思われるものです。

この二者はホリエモンのアリバイ作りに協力したいわば“共謀者”
であり、その報酬は、“かご抜け増資”による不公正なキャピタル
ゲインでした。
これについては、「事業の概況等に関する特別記載事項」(同目
論見書22ページ)の10.その他、(4)に堂々と記載されてい
ます。

“同社の当社株式保有(山根注:堀江貴文から譲渡を受けた30株の
ことです)は、投資銀行業の一環としてキャピタルゲインを得るこ
とを目的としたものであります。”

大和証券SBCM(現、大和証券SMBC)といえば、大和証券
と住友銀行が設立した資本金2,056億円、従業員1,700人
という日本を代表するインベストメント・バンクの一つです。この
ような会社が裏でこのように破廉恥なことをして荒稼ぎをしようと
しているのですから驚きを通り越して呆れてしまいます。
この段階で改めて整理してみますと、株式の所有状況は以下のよ
うになります。

◆平成11年12月17日(二社への株式譲渡後)

1.会社の資本金 340,000千円
2.会社の資本準備金 300,000千円
3.会社の発行済株式数 1,000株
4.株主9名の持株状況
1.堀江貴文 660株
2.(株)光通信 150株
3.有馬純一郎 80株
4.(株)グッドウィル・コミュニケーション 50株
5.大和証券SBCM(株) 30株
6.株式会社光通信パートナーズ 10株
7.和井内修司 8株
8.宮内亮治 8株
9.小飼弾 4株
計 1,000株

株式会社オン・ザ・エッヂのように、設立間もない、さほど利益
を出していない零細企業を、実質的に見せかけに等しい多額の増資
を行なってもっともらしい企業に見せかけ、企業の評価を異常につ
り上げて上場させ、創業者利得を装って巨額の不当な利益を手に入
れる、-にわかには信じがたい行為が白昼堂々と行なわれたような
のです。

(続きはWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/299

 

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