悪徳会計屋の経済事件ノートvol.19

2005年04月07日 第19号 発行部数:406部

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悪徳会計屋の経済事件ノート

なぜ上場会社社長は国税局ロビーで壮絶なる自殺を選んだのか。
国税局OB税理士が納税者を食いものにする手口とは。
税務署とマスコミから悪徳会計士の烙印を押された
会計のプロが税金法律金融事件の深層に迫る。

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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
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●マッチポンプ
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「マッチポンプ 4」より続く
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(5)毒をもって毒を制す

数日が過ぎた。B税理士が会社にやってきた。

「この間の件は初めからなかったことにしてもらいました。上司であ
る統括官に報告する前に手をうったために、なんとか揉み消すこと
ができたんですよ。そこで約束の1000万円をいただきたいので
すが、これは正式な形で受け取るわけにはいきません。会社の裏預
金から出してください。当然のことながら小切手ではなく、現金で
お願いします。申すまでもないことですが、会社の内部の人も含め
て誰にも言わないでください。と言いますのも、私も当の税務署員
も極めて危ない橋を渡っているわけで、それほどまでしてお宅の会
社を守ろうとしている以上、今度は逆に社長も私を徹底的に守って
くださらなくてはいけません。
秘密を厳守するということは、私達を守ると同時に会社と社長を
守ることにもなります。秘密工作が明らかになれば、今度こそ徹底
的に税務調査が行われ、多額の追徴がなされるばかりか、世間に公
表され、会社は癒し難いダメージを受けることになるんですからね。
つまり謝礼の1000万円の受け渡しを含めて、秘密工作はなかっ
たことにするのが、私たちにとっても会社にとっても最善の道なの
です。そこのところは、社長が官公庁の工事を受注なさるのに裏で
いろいろと手をうたれるのと同じことです。」

D社長は1000万円の現金をB税理士に渡してから一人ほくそ
えんだ。
-1000万円なんて安いものだ。B税理士のやつは全部つかんで
いないようだが、この3年間でごまかした税金は1億円は優に超え
るだろう。それを考えれば1000万円なんてどうってことはない。
それにしてもあいつはオレの弱みにつけこんで、1000万円ま
きあげやがった。相当のワルだ。
毒をもって毒を制すというわけか。常日頃、税務署は自分の古巣
だから顔がきくと言っていたが、やっぱり裏には裏があるもんだ。
蛇(じゃ)の道は蛇(へび)といったところか。
毎月10万円の捨てブチを払って飼い馴らしていた甲斐があろう
というものだ。

(6)謀議

税務調査の数日前、とある料理屋の一室。
B税理士とA税務署上席調査官とが一献を傾けながら、ひそひそ
話にふけっていた。

「あなたも来年退官して税理士事務所を開くことになるんでしょうが、
準備の方はどうですか。資格さえあればできるという時代はとっく
に過ぎてしまって、現在は開業してもなかなか大変ですよ。私のと
ころは幸いにもたくさんの仕事がくるので、何かとお力添えできる
と思いますよ。そこでとりあえずひとつだけ顧問先をお世話いたし
ましょう。これは中堅どころの建設会社で現在、私が顧問をしてい
るのですが、負担能力も充分あるので、あなたと2人でやっていこ
うと思っているのですよ。
ただ普通のやり方ではあの社長は、もう一人税理士をつけること
についてなかなかウンと言いそうにもないので、一芝居うってみよ
うと思うんです。

(続きはWebサイトにて)
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