冤罪を創る人々vol.57

2005年04月12日 第57号 発行部数:350部

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「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-

日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。
マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。
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山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年)7月 生まれ
株式会社フォレスト・コンサルタンツ 主任コンサルタント
http://www.mz-style.com/

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●(第六章)権力としての検察 ― 暴力装置の実態

「8) 野津治美」より続く
http://www.mz-style.com/item/274

七.検察官訴追システムの実態

(1) 幹部検事の逮捕

一、 以上私は、自ら体験したことを事実に即して記してきた。多く
の検察官が、嘘の自白を強要したり、証拠を改竄、あるいは捏造し
たりして、冤罪(無実の罪)を創り上げることに奔走した実態を明
らかにした。
それは他からの伝聞ではなく、自ら身を切るような思いで体験し
たことである。検察官達の非行は、彼らが作成した数々の作文と法
廷の速記録に基づいてできるだけ客観的に摘示した。
このような検察官という役人の犯罪的行為が、現代日本の検察の
全てでなされているとは思いたくない。しかし、少なくとも22名
の検察官が牙をむいて、私を葬り去ろうとしたことは、紛れもない
事実である。

二、 平成14年4月22日、大阪高等検察庁公安部長三井環氏が逮
捕された。現職の幹部検事の逮捕とあって、各メディアはトップ
ニュース扱いで大々的に報道した。
三井氏は、平成15年3月12日、325日もの長い勾留生活を
終えて保釈された。同氏は、獄中手記をもとに、同年5月『告発!
検察「裏ガネ作り」』(光文社刊)を上梓し、検察が組織として何
をしたのか具体的に明らかにし、広く世間に衝撃的な問題を投げか
けた。

三、 読んでみて驚いた。私がまず驚いたのは、同氏が検察幹部達に
よる長年にわたる組織的な公金横領の事実を内部告発しようとして
いたことであり、同氏の内部告発を封じるために逮捕されたと主張
していることだ。
正義の砦として国民から信頼され期待されている検察が、自らの
公金横領という犯罪を闇から闇に葬るために、あろうことか内部告
発をしようとしていた同氏を口封じのために逮捕訴追することなど、
現代の日本においては決してあってはならないことだ。
三井氏の著書は、検察が本当にここまでのことをするだろうかと
いう記述に満ちている。しかし、検察の一部が文字通り犯罪者集団
と化したことを、身をもって体験した私には、当然ありうべきこと
であると理解できるし、三井氏の言い分は素直に納得できるもので
ある。

四、 私が更に驚いたのは、検察官達が三井氏の口封じをするために
行なった犯罪事実のデッチ上げのやり方が、私の場合と酷似してい
たことだ。
デッチ上げについて、三井氏の著書を要約すれば、次のようにな
るようだ。

”初めの逮捕において検察当局は、およそ犯罪とは言えないような些
細かつ形式的な事柄(電磁的公正証書原本不実記載等)を見つけて
きて、さも大げさに重大犯罪であるかのように言いつのって、逮捕
に踏み切り、その上で、三井氏の人格を貶めることを目的に、嘘の
情報をマスコミにリークし、稀代の「悪徳検事」に仕立て上げた。
再逮捕の口実となった本件(収賄容疑)は、贈賄したとされる暴
力団の舎弟の偽りの供述を唯一の証拠として断罪しようとしている。”

これが事実であるとすれば誠に由々しきことであり、暴力団が見
せしめと口封じのために、組織を裏切った仲間をコンクリート詰め
にして殺し、海に沈めるのと同じことではないか。
日本の検察のトップをはじめとする検察庁の幹部達を実名で告発
したこの本は、作り物の小説とか第三者のライターになるルポルター
ジュにはない迫力をもって読者に訴えるものがある。長年検察官と
して第一線で活躍してきた法律家の真に勇気ある行動と発言に対し
て、私は深い敬意をこめて心からなるエールを送りたい。

五、 私は、当初「公正証書原本不実記載等」で逮捕され、三井氏は
「電磁的公正証書原本不実記載等」で逮捕されている。共に、犯罪
とは言えないような些細かつ形式的なもので、過去において訴追さ
れたことのないものであった。別件逮捕である。
次いで、私は「脱税容疑」で再逮捕され、三井氏は「収賄容疑」
で再逮捕されている。本件逮捕である。
三井氏が偽りの自白をしたと主張する贈賄側の暴力団舎弟を、マ
ルサに密告し偽りの供述をした佐原良夫に置き換えてみれば、デッ
チ上げの構図が私の場合とそっくりなのである。
仮装売買であったと言いつのって、マルサと検察が創作した虚構
のシナリオに手を貸したのが佐原良夫であり、三井氏の言い分によ
れば、女を世話したり接待をしたと言いつのって贈賄を認め、検察
の架空のシナリオの片棒を担いだのが暴力団舎弟であった。
言いがかりとしかいいようのない別件逮捕といい、社会的信用性
の極めて低い人間の証言だけをほとんど唯一の証拠として摘発した
本件逮捕といい、私のケースと余りにもよく似ているのである。

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●山根治blog (※山根治が日々考えること)
http://consul.mz-style.com/catid/21

「ホリエモンの錬金術 -4」より続く
http://www.mz-style.com/item/275

・ホリエモンの錬金術 -5

私が提示したホリエモンの3つのトリックについては、そのうち
のどれ一つであっても、ライブドアの上場企業としての適格性にか
かわるものです。
孫子の兵法に、

“敵を知り己を知らば、百戦危うからず”

と、あります。相手方を知ることが、戦いの第一歩であるというこ
とです。

フジ・サンケイグループとしては、あれこれと下手な小細工をす
る前に、相手方であるライブドアというのは一体何者であるか、改
めてしっかりと見つめ直す必要があります。
正面からまともにケンカする相手ではありません。相手のから騒
ぎに付き合うことはないのです。
ライブドアという会社は、所詮、自浄作用を失った株式市場が生
み出した“あだ花”であり、幻の存在であると知るべきです。

あだ花であり、幻の存在であるライブドアの力の源泉とは何でしょ
うか。
ホリエモンが用意してきた800億円という現ナマでしょうか。
あるいは、LBOによって3,000億円も準備するとほのめかし
ていた現ナマなのでしょうか。
違います。それらは決して力の源泉ではありません。それらも幻
なのです。では、ライブドアの力の源泉とは何か。
ライブドアが上場をしていること、この事実こそ、ライブドアの
力の源泉であり、ホリエモンの魔力の源泉なのです。
つまり、フジ・サンケイグループのとるべき戦略は、取り急ぎラ
イブドアの上場企業としての適格性を厳しく問い質すことです。

この戦略は、お金もいらなければ、さほどの手間もいりません。
何の策略も小細工も弄する必要はありません。まさに堂々と正面突
破すればいいだけのことです。
私が先に提示した3つのうちのどれ一つであろうとも、事実であ
ることが確認されるならば、上場基準に抵触するおそれがあるから
です。
最近上場廃止となった、東証一部の株式会社キャッツとか西武鉄
道株式会社などのケースとは、比較にならない程重大な問題をはら
んでおり、このまま放置しておけば、日本の株式市場に大きな禍根
が残ることにもなりかねません。単に、フジ・サンケイグループだ
けの問題ではないのです。
最近名証セントレックスに新規上場された(株)エフェクター細胞
研究所の例が示すように、決して東証における過去の問題ではなく、
その他の証券取引所でも規制緩和を背景にして、ベンチャー支援の
名のもとに怪しげな会社が次から次へと上場されているのですから、
まさに現在進行中の問題なのです。平成11年のITバブルをはる
かにしのぐ“IPOスーパー・バブル”といったところです。

私は、証取法とか上場基準に抵触するおそれのある3つの事実を、
証取法の規定に従って正式に提出された有報等の分析を行ない、既
にその概要を説明いたしました。次回以降、詳細な説明に移ります。
東証は審査能力と自浄能力とをどこかに置き忘れているようですが、
証券取引等監視委員会は、どのように対応するのでしょうか。
仮に、私が提示した3つのポイントがしかるべき機関でそのうち
の1つでも事実として確認され、ライブドアの上場適格性に問題あ
りとされるならば、ライブドアの上場廃止が現実問題として検討さ
れるに至るでしょう。
もっとも、ライブドアはその前に資金繰りの面で深刻な事態に直
面する可能性があります。会社の手許流動性は、現在相当以上に悪
くなっているはずで、外部からの新たな資金の手当ができなければ、
今までの矛盾が一気に吹き出してくるでしょう。
いずれにせよ、ほどなくホリエモン・マジックは崩壊をはじめ、
マネーゲームのから騒ぎは終結に向かうことでしょう。
ホリエモン率いるライブドアという欲ボケ魔王は、アラジンの魔
法のランプの中に帰っていくのです。同時に、ホリエモンとその仲
間達(主幹事証券をはじめとしてインチキ上場にかかわった面々、
上場後の2回の怪しげな増資にかかわった面々、及びストック・オ
プション、株式交換、合併等によってライブドア株の交付を受けた
人達)が一般投資家からかすめとった莫大な富は、本来の正当な権
利者に返還されるべきものとなるでしょう。
「ホリエモンの錬金術 -2」において、empty moneyと言い、ゴ
マのハエ(胡麻の蝿)はハエたたきを用意すれば十分だ、と言った
のは、以上のようなことを考えていたからです。

―― ―― ―― ―― ――

ここで一句。

“ガラス瓶なかの世界は割れて消え” -大阪、ヒヤケナス。
(毎日新聞:平成17年2月4日号より)

(ホリエモンというマジシャンが創り上げた蜃気楼としてのライブド
ア。ある日突然消えたりして。)

(「ホリエモンの錬金術 -号外」はWebサイトにて)
http://www.mz-style.com/item/284

 

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