山根治blog

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ホリエモンの弁解術 -6

粉飾の事実そのものを頑(かた)くなに認めようとしない堀江さんは、加えて、部下が勝手にやったことで自分はよく分らないとか、記憶にないとか申し立てて、シラを切り、とぼけています。果してこんなコドモじみた言い訳が通るものでしょうか。裁判官席から活発な発言をすることで知られている小坂敏幸裁判長も、このような対応に終止する堀江さんに対して、相当以上にイラついていたようです。 “それでは、あなたの言っているこ […]

ホリエモンの弁解術 -5

 堀江さんは、自ら関わったことについて弁解すべきところを弁明に終始し、自ら墓穴を掘っているようです。このような法廷戦術を勧めた弁護人の高井康行さんは、いわば墓穴掘りの介添人です。  もっとも、この2人の思惑は別のところにあるのかもしれません。堀江さんが罪に問われているのは証券取引法違反ですから、そこで規定されている罰則は最大でも懲役5年。実際の判決は3年前後に落ち着くことを見越し、執行猶予でもつけ […]

ホリエモンの弁解術 -4

これまでのところをまとめてみますと、- ライブドアの粉飾については、ライブドア監査人が詳細にわたって明らかにした事実に基づく限り、動かしがたいものである、ということ、つまり、ライブドアのオーナーであると共に、経営のトップ(代表取締役兼最高経営責任者)であった堀江貴文さんが、自分の名前で出した有価証券報告書の記載に重大な誤りがあったということです。堀江さんが、そもそも粉飾ではないし、仮に粉飾であった […]

ホリエモンの弁解術 -3

粉飾、つまり財務諸表の虚偽記載について考えてみましょう。 まず、虚偽記載とは何か。有価証券報告書の中の財務諸表については、例えば、脚注とか勘定科目明細表の誤り・偽りなども虚偽記載にはなるのですが、こと粉飾にからめて言う場合には、専ら、会社の 1.財政状態(貸借対照表B/Sで示されます)と、 2.経営成績(損益計算書P/Lで示されます) の表示が不適正(間違っていることです)であることを指しています […]

ホリエモンの弁解術 -2

標題に使った弁解とはどういうことでしょうか。私は通常、言葉の意味を調べたり確認したりするには、岩波書店の広辞苑を用います。語彙(ごい)も豊富ですし、大まかな意味を把むのには便利だからです。しかし、言葉の持つ本当の意味合いとかニュアンスといったことに関しては必ずしも役に立たない。このような場合には、ユニークで面白いと定評のある、三省堂の「新明解国語辞典」を覗いてみることにしています。 “明解さん”と […]

ホリエモンの弁解術 -1

ホリエモンこと堀江貴文さんの第一審判決がありました。懲役二年六ヶ月の実刑。検察が求刑したのが懲役四年でしたから、その6割強の量刑です。 判決後、この量刑をめぐって、妥当なものだとする意見がある一方で、実刑は重すぎるとか、いや軽すぎるといった意見がマスコミを飛びかい、にぎやかなことです。私は会計士であり法律の専門家ではありませんので、懲役二年六ヶ月の実刑について、量刑の当否を論評することは差し控えま […]

Uチャート分析 -号外2

[コメントNO.1290] Sだ 殿へ。 Uチャート分析では、簿記の知識は必ずしも必要ではありません。もちろん、3級程度の知識があればそれに越したことはありません(ただし、簿記の知識にこり固まっていると、逆にUチャート分析の理解の妨げとなるかもしれません)が、簿記とか会計の知識がなくとも会社の実態が分かるように工夫したものです。あるいは、Uチャート分析の基本を理解し、実際に実務で使いこなしていくに […]

Uチャート分析 -8

2.キャッシュフロー計算書(以下、C/Fといいます)  C/Fは、お金の流れを説明したもので、Uチャート分析においては、B/Sに次いで重要なものです。B/Sの主人公である『キャッシュ=現金預金』の実際の動きを示したもので、キャッシュの増減明細とでも言えるものです。この意味から、C/FはB/Sの補助簿ならぬ補助計算書と位置付けることができます。 B/Sが、キャッシュの流れ動いた後の状態を示しているの […]

Uチャート分析 -7

B/Sについて、キャッシュが右側(貸方、Cr)から入って(IN)、左側(借方、Dr)に出ていく(OUT)、と言っても実際のお金の流れがそのようになっているということではありません。B/Sに計上されているのはあくまでも資産なり負債、あるいは資本の残高(Balance)ですから、お金の流れそのものではありません。お金の流れについては、キャッシュ・フロー計算書(C/F)によって示されており、B/Sで示さ […]

Uチャート分析 -6

Uチャート分析の基本は、ギリギリまでに決算書を簡略化すること、つまり単純化にあることは既に述べたところです。更には、単純化された決算書を読み解いていく基本チャートは、『IN→OUT→残』というお金の流れであることも説明いたしました。 そこで次に、『IN→OUT→残』というお金の流れに着目した決算書の読み取り方、つまりこのお金の流れ(基本チャート)を、ナゾを解く鍵のように用いて決算数字を解読する方法 […]

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