2004年5月

1/2ページ

冤罪を創る人々vol.10

2004年05月25日 第10号 発行部数:207部 ◆◇――――――――――――――――――――――――――――◆  「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-     日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。     マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。 ◇◆――――――――――――――――――――――――――――◇  山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942 […]

022 抗議書の作成

****8)抗議書の作成 一、 マルサのガサ入れから三ヶ月が経過しようとしていた。  私を始め、組合の人達は全て、いわれなき脱税の嫌疑については全面否認を通した。マルサが虚構のシナリオを捏造しているのであるから、当然のことである。  私は、“事件”の核心を証明する二つの民事裁判の確定判決書をはじめ、多くの疎明資料を提出(そのほとんどは、ガサ入れ時に押収されたものだ)し、マルサに対して詳しく説明して […]

021 ある社長の自殺

****7)ある社長の自殺 一、 平成5年12月25日、衝撃的なニュースが、私の目に飛び込んできた。『ハニックス工業社長が自殺 ― 東京国税局ロビーで、「脱税は無実」と遺書』(日本経済新聞、同年12月25日付) 二、 ショッキングな見出しで始まった記事は次のように続く ―『24日午後4時半ごろ、東京都千代田区大手町合同庁舎第二号館東京国税局一階ロビーで、男性が血を流して倒れていると110番通報があ […]

空海と虫麻呂 -その5

 虫麻呂の橋の上の乙女と、空海の住吉の海女、こべの尼僧 ― 。  これらの女性は虫麻呂と空海の想念上の存在であるとすれば勿論ですが、仮に現実の存在であったとしても、2人の手には届かない存在であったのでしょう。  奈良・平安時代、知識階級に愛読された作品の一つに「遊仙窟」があります。  唐代の小説で、一人の男が路に迷って神仙の窟に入り、仙女の歓待を受けるという、いわば桃源郷の物語です。中国では早くに […]

冤罪を創る人々vol.9

2004年05月18日 第9号 発行部数:206部 ◆◇――――――――――――――――――――――――――――◆  「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-     日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。     マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。 ◇◆――――――――――――――――――――――――――――◇  山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年 […]

020 その後― (1)

****6)その後 ― (1) 一、 平成5年10月27日、午後1時から同2時50分まで、山根ビル一階の島根総合研究所サロンにて、益田市畜産協同組合の人達6人と、今後のマルサ対策について話し合った。同席者は、職員小島泰二。   二、 皆の了解を得て、テープで録音することにした。組合の人達の証言が、マルサの口車に乗って二度とぶれることがないようにするためであり、仮にぶれた場合でも、私と皆の前で話した […]

空海と虫麻呂 -その4

 万葉歌番号1742番の歌、― 河内の朱塗りの橋の上を、赤いスカートをはき、青い上衣をつけた乙女が優雅に通っていく、― ここには虫麻呂の乙女に対する憧憬が唱われており、この乙女は決して虫麻呂の現実の世界には入ってくることができないのです。  空海の「三教指帰」巻の下に、”或るときは雲童(うんとう)の娘(をんな)を眄(み)て心懈(たゆ)むで思いを服(つ)け、或るときは滸倍(こべ)の尼(あま)を観て、 […]

冤罪を創る人々vol.8

2004年05月11日 第8号 発行部数:209部 ◆◇――――――――――――――――――――――――――――◆  「冤罪を創る人々」-国家暴力の現場から-     日本一の脱税事件で逮捕起訴された公認会計士の闘いの実録。     マルサと検察が行なった捏造の実態を明らかにする。 ◇◆――――――――――――――――――――――――――――◇  山根治(やまね・おさむ)  昭和17年(1942年 […]

019 強制調査 四日目 ― 平成5年10月1日(金)

****5)強制調査四日目 ― 平成5年10月1日(金) 一、 午前10時30分。松江税務署取調べ室。  二人が待っている。野菜スープの入ったポットを持って部屋に入った。  新本修司がしばらくしてから、黙ったまま道路側の窓を開けた。二人とも余り話をしない。  昨日食ったニンニクが相当の威力を発揮しているようだ。藤原孝行、イタチの最後っ屁をくらったドラ猫となる。面白い顔である。 二、 藤原:「山根さ […]

018 強制調査 三日目 ― 平成5年9月30日(木)

****4)強制調査三日目 ― 平成5年9月30日(木) 一、 午後10時。松江税務署、取調べ室。  前日同様、野菜スープを持参。  藤原と新本の二人が、昨日私が話したことを質問顛末書を清書して、待っていた。  藤原曰く、「山根さんの要望を入れて、抗議の言葉を入れておきましたよ。」  少々ふてくされた様子である。一部修正させた上で、サインに応じる。再び筆写する。 二、 午後2時30分から6時まで、 […]